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連載「憧れの逸品」No.422 縦に長いステッチがカギを握るモンクレールのベスト。

キルティングダウンに、ユーティリティポケット。キャメルベージュのそれは確かにフィールド由来のベストなのに、仕上がってみればたちまちラグジュアリーの雰囲気を漂わせる。ミニマルを極めたデザインワークや撥水加工を施したナイロンの艶やかな光沢が寄与しているのは間違いない。

しかしながら、なんといっても見逃せないのは直線で構成されるキルトステッチである。ダイヤやオニオンといったポピュラーなパターンに比べれば明らかにモダンだ。〈モンクレール(MONCLER)〉はもとよりスクエア・パターンを好んで使ってきたが、スクエアはスクエアでもボーダーをそのアイコンとしていた。縦型のそれは文字どおり縦のラインが強調されることでスマートさが際立った。


YTISE ¥234,300

〈モンクレール〉はレネ・ラミヨンとアンドレ・ヴァンサンが1952年に創業した。その名は創業の地、モネスティエ・ドゥ・クレルモン (Monestier-de-Clermont)から採った。旗揚げ当時はテントやシュラフをつくっていた。

〈モンクレール〉飛躍の年は1954年。ヒマラヤ登頂に成功したフランス初のアルピニスト、リオネル・テレイをアドバイザーに据えたのが転機となった。同年、イタリアのK2遠征隊に、翌55年にマカルー遠征隊に装備を提供した。68年にはグルノーブルオリンピックのフランス・ナショナルチームが公式ウェアに採用した。

ギアウェアとしての評価を確かなものとすると、〈モンクレール〉は新たな道を切り拓く。そうして2009年に誕生したのが「モンクレール ガム・ブルー」だった。気鋭のデザイナー、トム・ブラウンをデザイナーに迎えた「モンクレール ガム・ブルー」はかなり話題になった。以降、〈モンクレール〉はファッションシーンを語るときに欠かせないブランドとなった。

里へとおりたブランドで、もっとも高いビルディングを登ったのが〈モンクレール〉であり、このベストはひとつの到達点である。

複数あるフラップポケットはすべてマチがあり、しっかり手荷物を収納できる。

Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

INFORMATION

モンクレール ジャパン

電話:0120-938-795
オフィシャルサイト

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