〈オメガ(OMEGA)〉は1957年、プロフェッショナルラインを掲げる三部作を発表した。レーシングドライバーのための「スピードマスター」、ダイバーのための「シーマスター 300」、そして鉄道員のための「レイルマスター」がそれだ。
このたび復活を遂げた「レイルマスター」最大の見どころはその優れた耐磁性にあった。市場に出回るほとんどが60ガウスがせいぜいのところ、桁が2つ違う、最大1,000ガウスの磁場に耐える性能を獲得したのだ。そうして鉄道員はいわずもがな、多くのエンジニアの信頼を勝ちとった。
装いも新たに、精悍さが増すステンレススティールをまとった「レイルマスター」は、“新生” を謳うに足る進化を遂げた。
グラデーションカラーが印象的なダイアル。
ムーブメントの精緻な動きが確認できるシースルーの裏蓋。
搭載されたムーブメント、コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー8806は初代「レイルマスター」の15倍、すなわち15,000ガウスの耐磁性を誇る。「METAS(スイス連邦計量・認定局)」が定めた業界最高水準の認定を受けた。
前述のステンレススティールの名は、316L。ステンレスのなかでも腐食に強く、医療現場でも使われる。風防は無反射コーティングを施した人工サファイアクリスタルだ。硬度を測るモース硬度ではダイヤモンドに次いでランクインされる。
しかしなんといっても見逃せないのは、マスターピースと呼ぶにふさわしい、ミニマルを極めたデザインにある。アラビア数字とインデックスのみで構成された、シンメトリーなダイアル――。絶妙な濃淡がそこに華を添える。
直径38ミリ、厚さ12.36ミリの体躯はぼくらの手首にも収まりがいい。
RAILMASTER
CASE : STAINLESS STEEL, 38mm
THICKNESS : 12.36mm
WATERPROOFNESS : 150m
POWER RESERVE : ABOUT 55 HOURS
PRICE : ¥869,000
Photo_Kazuma Yamano
Text_Kei Takegawa

