マイケル・ライダーが〈セリーヌ(CELINE)〉のアーティスティック・ディレクターに就任した。ファーストコレクションは盛況のうちに幕を閉じた。
〈バレンシアガ〉でキャリアをスタートさせたライダーはフィービー・ファイロ率いる〈セリーヌ〉で10年にわたってデザイン・ディレクターとして活躍したのち、〈ポロ ラルフ ローレン〉のクリエイティブ・ディレクターを務めていた。
服が着るひとの人生の一部となり、人生そのものを語る存在になる。そのためにはタイムレスでなければならないが、それは決して退屈であることを意味しない――そんな思いが過不足なく表現されたランウェイだった。
メゾンのアーカイブへのオマージュを随所に感じさせるコレクション。そこに新味をもたらしたのは、アメリカンカジュアルなアイテムやあしらいだ。ラガーシャツやスウェットシャツ。そして、真紅のフーディ――。
フーディ ¥396,000(予価)
赤く染められたのは、カシミアウール。その糸をたっぷりと編み込んだフーディはともに暮らす犬や猫を抱きしめたときのように身も心も温まる。
カンガルーポケットはサイドを鋭角にカットしている。メゾンのアイコンであるトリオンフをイメージしたものだろうか。ユニークなシルエットがミニマルなデザインのさりげないアクセントになっている。
そのフーディはチェスターコートの上から掛けるのがライダー流。まさに退屈を回避するスタイリングだ。
フードの紐の先に付くアグレットにはブランド名を刻印。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

