とろけそうなほどにしなやか、かつ艶やかなレザーブルゾン。〈ジル サンダー(JIL SANDER)〉の2026年春夏コレクションにラインナップされたブルゾンは一目でもののよさが伝わってくる。
選ばれたのは上物の原皮が取れることで知られる北欧産カーフスキン。文字どおりさらなる鞣しを行う再鞣しというプロセスにより、圧倒的な柔軟性を手に入れた。アニリン仕上げのそれは透き通るような瑞々しさもたたえている。表面に浮かぶシボはさざ波のようで、こよなく美しい。
細かなシボの滑らかなレザー。
これをとことんストイックに攻めたデザインワークにも唸らされる。
ムートンファーもなければ、ウエストベルトもパデッドもない。唯一のアクセントであるファスナーはどこまでも控えめながら、無性に惹きつけられる。
ダブルジップから垂直に伸びる胸元のジェットポケット、そしてハの字状に広がるウェルトポケット。前身頃を構成するラインのバランスは非の打ちどころがない。これまた控えめなレギュラーカラーがそこに華を添える。
シャツ代わりに羽織れる軽やかさがあって、それ一枚でさまになる存在感がある。
レザーブルゾン ¥830,500
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

