NEWS

映画『ブゴニア』が2月13日から公開。ヨルゴス・ランティモスやアリ・アスター、エマ・ストーンなど豪華な製作陣が贈る、前代未聞の誘拐サスペンスです。

“映画は総合芸術” と言われて久しいですが、本作はそれを改めて認識しなおす作品と言えそうです。

あらすじ
世界的に知られた製薬会社のカリスマ経営者ミシェルが、何者かに誘拐される。犯人は、ミシェルが地球を侵略する宇宙人だと固く信じる陰謀論者のテディと、彼を慕う従弟のドン。2人は彼女を自宅の地下室に監禁し、地球から手を引くよう要求してくる。ミシェルは彼らの馬鹿げた要望を一蹴し、なんとか言いくるめようとするが、互いに一歩も引かない駆け引きは二転三転する。やがてテディの隠された過去が明らかになることで、荒唐無稽な誘拐劇は予想外の方向へと転じていく。

まず驚くべきなのは、その製作陣の豪華さ。監督は、昨年『哀れなるものたち』で観客を魅了したヨルゴス・ランティモス、製作には、『ミッドサマー』のアリ・アスターと『パラサイト 半地下の家族』製作チームが名を連ねます。

最強の布陣が挑んだのは、韓国の伝説的なカルト映画『地球を守れ!』(03)のリメイク。場所や時代設定を変え、新たなエンタメ作品としてアップデートしました。

やり手のCEOを演じるのは、ランティモスとは5作目のタッグとなる、オスカー俳優のエマ・ストーン。対する誘拐犯で陰謀論者のテディには、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』で観るものを震撼させ、『憐れみの3章』でもゴールデングローブ賞にノミネートされたジェシー・プレモンス。テディの従弟のドンには、オーディションでランティモスに発見され、これが映画初出演となるエイダン・デルビス。

3人を中心として物語が進むわけですが、何より注目したいのはヨルゴス・ランティモスならではの組み立て方。現代社会は、陰謀論や誇大妄想を唱え、周囲から孤立するひとびとであふれている。その事実を出発点にしながら、型破りな展開で観客を導いていくから、壮大なテーマがおかしみと悲しみで包まれるのです。

さらに、脚本を手掛けたトレイシーは本作をコロナ禍に書きあげたそうで、それゆえただならぬ閉塞感もまとっているのも印象的です。

語るべきはそれ以外にも。本作はビスタビジョン方式による撮影技術を採用しました。簡単に説明すると、1950年代にアメリカで開発された撮影方式で、通常は35ミリフィルムを縦向きに撮影しますが、ビスタビジョンでは横向きに走らせます。このやり方によって、スタンダードサイズの2倍以上の面積で撮像が可能で、1.66:1のアクセプト比で高画質で映写することができます。

観客の印象としては、スチール写真で大型の肖像画を見るときのような、没入感のある映像に。映画館でこそその効果が感じられるはずです。

さらに、音楽へのこだわりも。過去に『哀れなるものたち』と『憐れみの3章』でランティモスとタッグを組んだイェルスキン・フェンドリックスが担当し、狂気の物語をさらに音楽で際立てました。

ロンドン・コンテンポラリー管弦楽団の協力のもと、90人編成のオーケストラととレコーディングを行ったそうで、ときには荒々しくエッジの効いたサウンドを、ときには素っ頓狂なサウンドを、実験的につくりあげていきました。また、具体的な選曲についての明記は避けますが、それぞれ曲の背景と本作の物語が交差していくような、皮肉と遊び心が効いた演出となっています。

この映画は現代社会を写し出す鏡かもしれません。ぜひ劇場でどうぞ。公開は2月13日(金)からです。

INFORMATION

映画『ブゴニア』

監督:ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』『女王陛下のお気に入り』 
脚本:ウィル・トレイシー『ザ・メニュー』
出演:エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』、ジェシー・プレモンス『シビル・ウォー アメリカ最後の日』、エイダン・デルビス
原題:Bugonia
字幕翻訳:松浦美奈
配給:ギャガ ユニバーサル映画 
2025年/アイルランド・イギリス・カナダ・韓国・アメリカ/カラー/ビスタサイズ/118分/PG12
®️2025 FOCUS FEATURES LLC.

TOP > NEWS

関連記事#映画

もっと見る