132分の映画で、こんなにも人間関係の危うさや脆さを描けてしまうのか。普段ふつふつと静かに煮えては消える個人の孤独がここにはあります。
映画『センチメンタル・バリュー』が明日2月20日(金)より公開です。
あらすじ
オスロで俳優として活躍するノーラと、家庭を選び息子と穏やかに暮らす妹アグネス。そこへ幼い 頃に家族を捨てて以来、⻑らく音信不通だった映画監督の父・グスタヴが現れる。自身 15 年ぶり の復帰作となる新作映画の主演を娘に依頼するためだった。怒りと失望をいまだ抱えるノーラは、 その申し出をきっぱりと拒絶する。ほどなくして、代役にはアメリカの人気若手スター、レイチェ ルが抜擢。さらに撮影場所がかつて家族で暮らしていた思い出の実家であることを知り、ノーラの 心に再び抑えきれない感情が芽生えていく──。
本作を手がけたのは『わたしは最悪。』のヨアキム・トリアー監督。同作で第94回アカデミー賞で脚本賞・国際⻑編映画賞の2部門にノミネートされ、日本でも大ヒットを記録したのはつい3年前の話です。
そんな彼が最新作でテーマに選んだのは「家族」。親密な姉妹と、⻑年不在だった父との再会を通して、「許し」と「和解」の可能性をトリアー流の人間考察をもって問いかけます。
主演は、『わたしは最悪。』での好演で世界的な成功を収めたレナーテ・レインスヴェ。舞台女優ノーラ・ボルグ役は、彼女にあてがきする形でできあがりました。
悲しみや不安といったネガティブな感情を演技に昇華する女優でありながら、その実、他人と心を通わせることが苦手なノーラ。彼女のあがきをレインスヴェが快演しました。
そのほかのキャストは、映画監督の父親役に名優ステラン・スカルスガルド、本作の演技で脚光を浴びるインガ・イブスドッテル・リッレオースに加え、ハリウッドからエル・ファニングも参加。複雑かつ緊張感に満ちた人間模様を浮かび上がらせます。
本作で注目すべきはノーラの家族が住む “家”。単なる建物としてではなく、まるで登場人物かのように重要な立ち位置で描かれていきます。
何世代にも渡り受け継がれてきた “家”は住んでいた者たちの営みを黙って見守ってきた。その時間のぶんだけ染みついたひとびとの感情は、徐々にノーラたちに作用を及ぼすようになります。どのように描かれていくのか、ご注目ください。
この映画を語る上で外せないもうひとつの要素は、音楽。日本での公開を待たずして、すでにプレイリストが公開されていますが前評判がいいようで。
家族の絆の繊細さや言葉にならない感情を表現するべく、さまざまな曲が選ばれましたが、なんと言っても印象的だったのは映画の冒頭にかかるテリー・キャリアーの “Dancing Girl”。
フォークとソウルが交じり合ったような曲が、“家” を静かに写した映像にのり、これから編まれる物語を予感させます。
他にも素晴らしいアーティストたちが参加。ぜひ耳を澄ませてみてください。
昨年の第78回カンヌ国際映画祭で19分間におよぶ圧巻のスタンディングオベーションで会場を沸かせ、堂々のグランプリ受賞。本年度アカデミー賞フロントランナーとの呼び声も高い話題作です。
映画『センチメンタル・バリュー』、明日2月20日(金)より公開です。
『センチメンタル・バリュー』
監督:ヨアキム・トリアー
脚本:ヨアキム・トリアー、エスキル・フォクト
出演:レナーテ・レインスヴェ、ステラン・スカルスガルド、インガ・イブスドッテル・リッレオース、エル・ファニング
配給:NOROSHI ギャガ
英題:SENTIMENTAL VALUE/2025年/ノルウェー/カラー/ビスタ/5.1ch/133分/字幕翻訳:吉川美奈子/レーティング:G
2月20日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
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