これぞミニマルな顔つきに惹かれて手に取ったのは〈オールデン(ALDEN)〉の「36051」。その靴は、ワンピース仕立てを採っている。ワンピースとは文字どおり一枚革のアッパーのことをいう。質の高い革と熟練の職人仕事が求められる仕様である。
ステッチさえ排除することで浮かび上がってくるのがシルエットの美しさだ。採用した木型はアバディーンラスト。タイトに攻めたラウンド・シェイプはウェルテッドシューズにエレガンスをもたらす。ファンならご存じのとおり、オスカー俳優のポール・ルーカスがオーダーしたタッセルモカシンを釣り込んだ木型だ。
粒だったシボに定評のあるシュリンクレザー、レディカーフの魅力が存分に味わえるのもミニマル・デザインの賜物。極薄ラバー&積み上げヒールで構成されるレジャー Ⅲ ソールとのコンビネーションは、近年ことごとく評価されてきた鉄板のコンストラクションである。
スニーカーにはない上品な抜け感を求めてスリップオンが注目されるようになって久しいが、ことウェルテッドシューズとなると選択肢は乏しい。「36051」はトラッド好きが狙ってしかるべき、ノンシャランな一足だろう。
じっくりと吟味したスペックを積み上げたこのスリップオンはウィークデーに履いてもさまになる。
36051 ONE PIECE SLIP-ON LADY CALF BLACK
¥172,700
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

