〈アティテュ(ATTITU)〉は東京でランドセル職人が立ち上げた工房を発祥とする土屋鞄製造所(以下、土屋鞄)の精神を受け継いだ現代的なバッグ&革小物ブランド。人生で最初に持つバッグとも言えるランドセル製作のフィロソフィーのもと、ミニマルで機能的なデザインのアイテムを生み出し続けています。
この連載では4人の著名人の生活のなかから、あらゆる日常に寄り添う〈アティテュ〉の魅力を解明。最終回の今回は、「432MARKET」のプロデューサーとして活躍する伊藤 梓さんに登場いただき、自身の仕事に対しての想いやその生活に寄り添うバッグの役割について語ってもらいました。
Photo_Haruto Inomata
Text_Akiko Maeda
PROFILE
ヴィンテージショップを中心としたアパレルショップが集うマーケットイベント「432MARKET」のプロデューサー。祐天寺にあるマルチスタジオ「match」の運営を行い、各種イベントの拠点として人と人を繋げる空間づくりも手掛けている。
人と人を繋ぎ、場を楽しくしたい。自然な流れでイベントプロデューサーの道へ。
ー伊藤さんは「432MARKET」のプロデューサーとして活躍されていますが、キャリアのスタートはアパレル業界だったそうですね。
伊藤:もともと〈トゥモローランド〉に新卒入社して4年ほど働いた後、派遣社員として〈フィリップ リム〉〈ロンハーマン〉〈ドリス ヴァン ノッテン〉〈ドロワー〉などさまざまなブランドでショップスタッフとしての経験を積みました。
ーなかなか珍しい経歴ですね! 派遣社員にこだわっていた理由はなぜですか?
伊藤:仕事の区切りがわかりやすい安心感と人間関係が深くなりすぎない点に魅力を感じたからです。限られた期間のなかで一生懸命仕事をこなして、きちんと結果を出しておけばまた声がかかる可能性があるし、ある程度自分自身で働き方がコントロールできるのがメリットかなと。
ただ、働くのは絶対に自分が“素敵だな”と思うブランドで、勢いがあるところを選んでいました。実はいまもイベントプロデュースの傍ら、都内で販売スタッフとしても働いています。
ーイベントプロデューサーとショップスタッフの二刀流というのは新しい働き方ですね。それぞれ頭の使い方が違いそうですが、苦労はありませんか?
伊藤:職種としてはまったく別の仕事ですが“人と人が出会いその場を盛り上げる”という意味では同じなので似た部分が多いなと思います。客観的に見てみんながどうすれば喜んでくれるかをずっと見るクセがついているので、自分が得意とする“環境を楽しくする”チームづくりができていると思います。
ただ、そういう動きができるのは派遣という雇用形態だからこそ実現できると感じています。もしわたしが正社員で自分自身にたくさんのタスクがあると余裕がなくなってしまうので、環境づくりにまで頭がまわらなくなってしまうので…。
ー適度な抜きがあるほうが力を発揮できるのですね。
伊藤:そうですね。完璧主義気味なので夢中になるとまわりが見えなくなってしまうのがわかっているので、意識的に力を抜くようにしています。それに、自分の得意なことはわたしがやって、苦手なことはその分野が得意な人に任せたほうが効率的だということに気付いたんです。過去にがんばりすぎて身体を壊したことで、自分に合ったワークライフバランスを見つけることができました。
ー今日お邪魔している「match」も伊藤さんが運営しているマルチスペースです。こちらはどんな経緯で運営をはじめたのですか?
伊藤:メインとなる仕事は古着を中心としたマーケットイベント「432MARKET」の運営です。「432MARKET」は場所を変えてイベントを行いますが、常設するスペースがあるといいなと思うようになりました。
アパレルの展示会やポップアップ、作家さんの個展など、“人と人を繋げる”スペースとして幅広い用途で使っていただいています。わたしが主催として関わるフリマイベントの会場として使用することもあります。
ー先ほどお話に出た「432MARKET」は今年で10周年を迎えますが、イベントプロデュースをはじめたきっかけは?
伊藤:その頃ヴィンテージショップをはじめた同世代の友人がまわりにたくさんいたので、最初はその子たちと集まってワーっとするようなラフな感じでスタートしました(笑)。その様子をインスタにあげていたら〈ニューマン〉の方から連絡があってイベントをやってほしいとお声がけいただいて、そこからだんだんと規模が大きくなっていきました。
これまで大阪、名古屋、福岡、山形と開催してきましたが、10年間でたくさんの方々に出会うことができました。地域ごとにお客さまの雰囲気もそれぞれで、毎回足を運んでくださる方も増えてきて嬉しい限りです。
ー昨年は東京では未開催だったようですが、理由はあるんですか?
伊藤:よく聞かれるのですが、東京は毎週あらゆるところでイベントが行われているので客足が分散してしまう懸念があるのと、開催するとなると100平米くらいのスペースが必要なので場所探しが困難なのも理由のひとつです。しばらくは地方に特化してやるのも面白いかなと思っています。
ーさて続いてプライベートの話も伺います。普段の生活のルーティンを教えてください。
伊藤:ルーティンは主に2パターンあるんです。展示会のお手伝いをしている時期は、朝起きてお弁当を作って自宅のある神奈川県から都内に向かいます。一日中働いて22時頃に帰宅して寝る準備をして24時にはベッドに入ります。夜遅いので、夜ご飯は食べないことが多いです。
イベント業を中心にやっている時期は午前中に都内の事務所に向かって1日仕事をして18時くらいには帰宅します。帰宅ラッシュがはじまる前に絶対帰りたいんですよ。で、そこから自宅近くのジムに行きます。
ーなかなかストイックな生活ですね!
伊藤:いえ、全然ですよ。身体づくりというよりはメンタルを保つためにやっているので、NETFLIXで映画を観ながらウォーキングマシンをひたすらやっているだけです(笑)。いい気分転換になるんですよね。もちろん毎日忙しく動きまわっているわけではなくて、何も予定がない日は自宅でダラダラしていますよ。
バッグに求めるのは、服装を邪魔しないシンプルさと適度な収納力。
ー忙しい毎日を送る伊藤さんのバッグの中身のスタメンを教えてください。
伊藤:メインのバッグにいつも入っているのは手帳、化粧ポーチ、ハンカチ、サングラス、ウォーターボトルです。財布はコンパクトなのでスマホショルダーの中にすっぽり。パソコンは必ず持ち歩くわけではないので、基本的には身軽なタイプです。細かいものはポーチの中に分類して入れています。
LEATHER PHONE CROSSBODY 014
¥22,000
ー〈アティテュ〉のバッグのお気に入りのポイントは?
伊藤:リュックなのにモダンな雰囲気で持てる点と小さいのに頼もしい収納力があるところです。わたしが使っているXSサイズの容量は5Lですが見た目以上にめちゃくちゃ入るんですよ。さらに中にたくさん入れても型崩れしないのも優秀。
マチがあるので雨傘とかウォーターボトルも入るし。わたしはこれひとつで十分なんですが荷物が多い人は2個持ちするのもいいですよね。あとはチャームをジャラジャラつけてアレンジしても可愛いかも。
ー普段使いはもちろん、フェスやライブのときにも活躍しそうですね。
伊藤:Tシャツなどの軽装にサッと背負っていると可愛いですね。ベーシックなので服装を選ばないのも高ポイントです。土屋鞄さんらしいレザーのタグもワンポイントとして効いていますね。ショルダーベルトが長いので、好きな長さでいろいろな持ち方ができるのがいいですね。
スマホショルダーはスマホ以外に財布やリップを入れています。レザーの割にやわらかくて薄いので、パンパンにならないのもお気に入りの点です。
ーさすがの着眼点ですね! 本来レザーは重いのですが、軽くしなやかなポリエチレン素材を貼り合わせることで軽量化と強度を高めています。長年レザーと向き合ってきた土屋鞄の強みを生かしたモノづくりの良さを感じますね。
ー今後もアパレルスタッフとしてもイベントプロデューサーとしてもバリバリ活動していく予定ですか?
伊藤:将来の展望に関しては“こうなりたい!”とかは特になくて、いまの感じがずっと続けばいいなと思っています。仕事は何であれ自分が楽しく過ごしていくことがベースなので、時代に合わせてやっていくしかないのかなと。まわりで活躍している人を見ると、羨ましいなと思うこともたくさんあるんですけど、いまさらいろいろなことに手を出しても息切れしてしまうので…とにかく身体の健康に気をつけてがんばります。
あと、メンタルが落ちていると全部ネガティブな方向に捉えてしまいがちなので、メンタル強化にも努めていきたいです。
ー今年の4月に〈アティテュ〉のショップが鎌倉にオープンしたばかりなのでぜひ他の商品も見に行ってみてください。
伊藤:鎌倉にあるんですね! 自宅から行きやすい場所なので今度覗いてみようと思います。
ATTITU 鎌倉店
住所:神奈川県鎌倉市由比ガ浜1-10-2
※TSUCHIYA KABAN 鎌倉店2Fに展開
時間:10:00~18:00
定休日:毎週火曜日(臨時休業あり)
公式サイト
Instagram:@attitu_tokyo

