単なるアウトドアブランドの枠を超え、様々な活動を展開する〈ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)〉。最近ではリサイクルボックスの設置や、人工タンパク質素材の「スパイバー(Spiber)」を使用したウェアを開発するなど、地球や自然を“遊び場”とするブランドならではの取り組みが目立ちます。
今回着目したのは、環境負担低減素材の「テンセル™モダール」繊維。オーストリアを拠点にするレンチング社が開発したこの素材は、間伐されたブナ材を原料として作られた天然由来の繊維で、シルクのような柔らかさや高い吸湿性が特徴だとか。
木材から原綿まで一貫して生産管理しているため、薬剤や排水を回収し再利用するなど産業廃棄物を軽減し効率的な生産プロセスによりエネルギー使用量にも配慮しています。
そんな繊維をボディに使用したのが、今回の「FLOWER LOGO」。その名の通り、ハーフドームロゴに〈ザ・ノース・フェイス〉の創業地でもあるカリフォルニア州の州花、カリフォルニアポピーをイメージした刺繍を組み合わせるという、エポックメイキングなシリーズなのです。
さらに、このプロダクトの発表に合わせてローンチされたキャンペーンサイトが見ごたえたっぷりなのです。
「VOTE for LOVE.」と題されたこのサイトには、8人の表現者たちが登場します。
アーティストやクリエイター、ヘアメイクアーティスト、山梨県中央市を拠点にする園芸家、長野県諏訪市でリサイクルセンターを営む夫婦などなど、ジャンルも職種もバラバラ。ですが、不思議と、ある種の統一感があるのはなぜでしょう。
また、「テンセル™モダール」繊維を採用することで、1着に使用されている生地を生産する工程において約2,000gの二酸化炭素が削減されることに着目し、サイト内では、本シリーズを通じて二酸化炭素をどれだけ削減できたのかを可視化する試みが行われています。
〈ザ・ノース・フェイス〉というブランドの枠組みを大きく押し広げる、ぬくもりに満ちた素敵な取り組みなのではないでしょうか。