柔らかな夕日に照らされ、きらきらと光る水面。沈む日を追うように、ゆっくりゆっくり闇に溶けていく街並み。
そんな眺めるひとの視界いっぱいに広がる、海辺の儚い景色から〈エルメス(HERMÈS)〉は春夏コレクションの輪郭を描いていった。
そこに並んだノーブルな服たちのなかでも、自然と目に入ったのがこのブルゾンだった。
袖を通してみると、それはMA-1に近い形。着丈は短く、身頃や袖はゆったりしたシルエットで、リブ編みの襟が首に沿って自然と立ち上がった。
そして気づいたのが、ナイロンとは性質の異なる光沢感。聞くとサイバー・キャンバスというテクニカル素材で、光に当たって生まれるミラーのようなエフェクトが服の表情を豊かにしている。
その姿から冒頭で触れた水面の様子を思い出した。
手に取るひとに、そっと語りかけるような〈エルメス〉の服は、知的で好奇心あふれる大人にこそ相応しい。
Blouson ¥669,900(Each)
Photo_Hiroyuki Takashima