ペールトーンに象徴されるあしらいで、チーフ・クリエイティブ・オフィサーのダニエル・リーは〈バーバリー(BURBERRY)〉のヘリテージであるトレンチコートを軽やかにアップデートしてみせた。
定石ならトレンチコートの一手だが、素通りできなかったのが「コットン フィールドジャケット」だった。
ガーメントダイで仕上げたダブルフェイスコットンは色が抜け、エッジにはアタリが出ている(とりわけコーデュロイの襟の風合いが秀逸だ)。そのマスキュリンな佇まいは、農夫が着倒したジャケットを思わせる。
胸元に刺繍されたダックのイラスト。
補強のため、折り返した袖の内側に付くスナップボタン。
そんな印象を加速させるのが前立てやポケットに配したスナップボタンだ。一切の装飾を排したそのボタンは武骨極まりない。補強のために折り返したという袖の処理もいい。
唯一のアクセントは、アーカイブから拾ったダックのイラストとロゴのエンブロイダリー。見事なバイプレイヤーっぷりである。
一枚仕立てのリラックスフィットで、着心地はノーストレス。
コットン フィールドジャケット ¥313,500
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa