YOSHIとサングラス。17歳の見つめる今と未来の話。 YOSHIとサングラス。17歳の見つめる今と未来の話。

モデル、俳優、ミュージシャン。
肩書きだけでは現しきれないミレニアル世代の旗手、
YOSHI。
ファッションや音楽、アートなど、
縦横無尽にジャンルを飛び交い、
呼吸をするよう表現し続ける彼にサングラスのこと、
ファッションのこと、
そして自身のフィロソフィーについて聞いた。
これからの日本を背負って立つであろう、
弱冠17歳の若きクリエイターが見据える
今と未来のカタチとは。

Photo_Takahiro Otsuji (go relax E more)
Hair_SEIYA OTA
Edit_Shun Koda

PROFILE

2003年2月26日東京都生まれ。13歳の時に〈オフホワイト〉のデザイナー兼〈ルイ・ヴィトン〉のディレクター、ヴァージル・アブローにオリジナリティ溢れるファッションセンスを称賛された。ファッションの世界に留まらず、ミュージシャンとして5月に1stアルバム『SEX IS LIFE』をリリース、19年には菅田将暉や仲野太賀と主演を務めた映画『タロウのバカ』も公開された。

―ファッションフリークとして知られるYOSHIさんですが、服が好きになったきっかけは?

小学生6年生の頃にミニ四駆をやっていて、周りにたくさん大人がいたんです。そのなかに〈リック・オウエンス〉や〈ヨウジヤマモト〉を着ている30代の人がいて。その人がすごくかっこよかったんです。そのときに服の着こなしひとつで自分という存在を表現できるということを知ったんです。

―YOSHIさんを語るうえで欠かせないのが〈オフホワイト〉のデザイナー、ヴァージル・アブローとの2ショット。当時のことは覚えていますか?

はっきりと覚えていますよ。「オフホワイト」のショップに行ったら、ヴァージルがいて。でも僕は全く知らなくて(笑)。仲良かったスタッフさんに、「デザイナーのヴァージルだよ」って紹介してもらったんです。そのときに僕はベルトを首に巻いていたんですが、それを見たヴァージルが「クールだね!」って褒めてくれて。そのときに一緒に写真を撮って、彼がインスタにアップしてくれたんです。そうしたら翌朝には僕のフォロワーが1万5000人くらい増えていて(笑)。その瞬間に、人生変わったなって思いました。

―そのことがきっかけでYOSHIさんの存在が一気に広まりましたが、事務所に所属したのはごく最近ですよね? それまでの期間はどうやってモデルなどを行なっていたんですか?

そのあと、実はたくさんのプロダクションから声をかけてもらってたんです。でも社会の常識を学ぶ方が先だと思って、プロダクションからの誘いはすべてお断りし、フリーとしてインディペンデントな活動することを決めたんです。でも、そこからはイバラの道。企画書を書いて、プレゼンしてってのを全部ひとりでやっていました。周りの大人たちにも、とにかく厳しくしてほしいとお願いして。何もかも手探りだったけど、スターになる自信は当時からずっとあって。徹底的に自分を追いこんでやろうと思ってました。

―映画『タロウのバカ』で共演した菅田将暉さんや仲野太賀さんなど、業界の先輩にもYOSHIさんは期待され愛されていますよね。それは自分への厳しさだったり、他人へのリスペクトがあるからだとお会いして改めて思いました。

そう言われると嬉しいですね、ありがとうございます。「育ちがいいんでしょ」ってよく言われるんですが、周りにいた友達が厳しくしてくれたおかげだからなんですよね。友達と言っても、30代後半くらいの大人たちばっかりなんですけど(笑)。いくら丁寧な敬語を使っても、他人に対するリスペクトがないと意味がないと思うんですよね。ファッションも人間関係も土臭いくらいの方が好きなんですよ。

―今回、YOSHIさんにはサングラスのセレクトだけでなく、それらに合わせた私服コーディネートも組んでいただきました。このスタイリングに関しては、そういった土臭さというより洗練された印象を受けました。なにをイメージされましたか?

テーマはモードです。真っ白なMA-1のインナーに、あえてライダースジャケットを着て違和感を加えてます。〈リック・オウエンス〉のような、少しゴシックなイメージですね。

―普段コーディネートを考えるときに大切にしていることはありますか?

うーん、感覚ですね。けど、一番大切にしてるのはアクセサリー。アクセサリーがなければ、ファッションじゃないとすら思っていて。そういった意味ではサングラスもかなり重要な存在です。
その反面、アクセサリーが主張しすぎるのもよくないと思っていて、コーディネートを整える役目だなと。僕の服装ってアクセを外したら、結構シンプルなんですよ。あえてそうしてるというのもあるんですけどね。

―アクセサリーをつけることによって自分らしさを表現しているんですね。

その通りです。服は毎日着替えるけど、アクセサリーは常に身につけるものだから念がこもると思っています。

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―アクセサリー同様、普段からサングラスを掛けられますか?

結構掛けますね! いまは30〜40年代のクラシックなものが気分です。

―今回選んでもらった〈オリバーピープルズ〉のOP-505 SUNは、まさにヴィンテージを彷彿とさせるデザインです。どういった部分が気に入りましたか?

以前から〈オリバーピープルズ〉のサングラスが好きなんです。形はクラシックなんだけど、フレームがクリアになっているのが今っぽい。そういうバランス感覚が絶妙ですよね。白のMA-1ともかなりマッチしてるなと思いました。

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―続いてのスタイリングは先ほどおっしゃっていたような土臭さだったり、男らしさが表現されていますね。

そうですね、〈ヴァンズ〉のスニーカーやカスタムされたデニムジャケット、太めのパンツなどで、海外のスケーターっぽいスタイリングにしました。六角形のサングラスははじめて掛けたんですけど、かっこいいですね。

―この〈レイバン〉を掛けると少しワイルドな印象になりますよね。サングラスはどういったところが魅力に感じますか?

掛けるだけで服の印象がガラッと変化したり、自分の見ている景色が変わるってのもおもしろいですよね。なにより、やっぱりテンション上がりますね!

―サングラスを掛けることで気持ちのスイッチが切り替わると。俳優やモデル、アーティストなど、マルチに活躍されてますが、仕事においてはどういったときにスイッチが切り替わりますか?

現場に到着してスイッチが切り替わるという感じではなく、「よし、音楽やるぞ」みたいに自分の中でスイッチを切り替えてる気がしますね。「どの仕事が一番大切?」って聞かれたりするんですが、どれが一番ってのはないんですよね。全部100%。でも音楽が軸になっていることは確か。曲のテーマやメロディラインは僕が考えているんですが、今日みたいな撮影の途中にアイデアが浮かんだりすることがよくあるんですよ。

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―先ほどはクラシックなサングラスが好きとおっしゃっていましたが、〈アランミクリ×ジェレミースコット〉の一本はいかがでしたか? フレームとレンズの間に隙間が空いているフューチャリスティックなデザインです。

まずデザインがすごくイケてますね! 見た目は奇抜なんだけど、掛けてみるとすごくおさまりが良くて気に入りました。このサングラスを見た瞬間に、服はあえてシックなものを選ぼうって思いました。

―勝手ながらYOSHIさんは、個性的なものが好きだと思っていました。

そう思いますよね。でも意外とシンプルなものが好きなんですよ。特に小物は何年経っても飽きないものを長く使いたいと思っています。このサングラスもありそうでなかったものが表現されていて、デザイナーがストイックに考え抜いた証拠だなと感じました。

―そういったストイックな姿勢は、YOSHIさんにも通ずるところがあります。さまざまな分野にチャレンジしていてプレッシャーを感じることはありませんか?

もちろん、ありますよ。でも期待されたり、プレッシャーを感じる方がやる気が湧くんです。何事もやってみなきゃわからない。失敗したとしても、それを学びに変えれば次の成功につながると思っています。それに後悔した人生だけは送りたくないんですよ。安定を求めたら終わりだと思っていて。こういう職業をやっていたら明日がどうなるかなんて誰にもわからない。だったら少しでも手を抜いたら干されるくらいに自分を追い込んだ方がおもしろいじゃないですか。何もかも上手くいく人生なんか、絶対につまんない。僕自身もフリーで活動してた頃は失敗の連続で。事務所に所属した方が楽だとは何度も思いましたが、努力した結果、いまの自分があると思っています。

―17歳でこの境地。末恐ろしい限りです。最後にYOSHIさんの見据えるビジョンについて教えてください。

カート・コバーンやジミ・ヘンドリックス、今で言うとビリー・アイリッシュやカニエ・ウエストのような世界的なスターって日本にはいないじゃないですか。僕はそんなアイコニックな存在にならなくちゃいけないと思っています。有名になりたい、大金持ちになりたいとかそんなんじゃないんですよ。誰かが日本のエンターテインメントを盛り上げなきゃいけないと、もっとダメになると危機感を持ってるんです。誰も手を上げてないなら僕がやってやると。演技、音楽、ファッション、どれも全力で取り組んで、いつかはカルチャーをつくれるような存在になりたいですね。

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1920年代のヴィンテージフレームを彷彿とさせる人気モデルOP-505 SUN。柔らかな曲線を描くセルと、繊細なメタルを組み合わせが気品を添えている。
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六角形シェイプを落とし込んだ〈レイバン〉のニューモデル。緩やかなカーブに仕上げられているため、日本人の顔にもすんなりと馴染む。紫外線を受けてピンクからブラウンに変わるオリジナルの調光レンズを採用している。
03 alain mikli × JEREMY SCOTT 2 ¥30,000+TAX
シンプルなブラックのフレームにカラーレンズをオン。鬼才のデザイナー、ジェレミー・スコットならではのセンスによって、フレームとレンズの間に、空間を開けることで未来的なデザインに。
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