こでもう一回、自分の得意なことをやらないといけない。

―小木さんが全体的に介入して変わることはありますか。挨拶とか、接客とか。裏話を教えてください。

小木:スタイリストの祐真さんに「10時からお店やってよ」って言われてまして、「10時からやってますっていう気合を見せてくれ」って。それは本気で検討中です(笑)。あと、〈ユナイテッドアローズ〉はスタッフがフロアで帽子を着用するのがダメなんですけど、地下1階ではOKにして欲しいと思っています。屋内でかぶったら失礼って言う風習を大切にするのはもちろん賛成ですが、帽子を被ることで完成するスタイルのかっこよさっていうのもあると思うんです。あとはお客様の中ではネットで買う人も多くなってきているので、店頭では接客の中でも当たり前のことをきちんとしたいなって思いますね。

-地下1階ではどんな音楽を流すのでしょうか?

小木:最新の曲を流せるようにしたいとは考えています。いつもそこいったら最新の曲が聴ける場所って、何かいいじゃないですか。DJってやっぱり最高の接客なので、やるなら天候だったり客足を気にして選曲するっていうところまでやりたいです。僕は音楽に疎くて10年前と同じ音楽聴いているような人間なので、〈LWT〉ではひたすら王道を流すっていう会心の一手だったんですが、そういうところにも気を配っていきたいですね。ブースの場所も検討中です。話が脱線するかもしれませんが、〈ユナイテッドアローズ〉では社内でセミナーをたまに開いているんですよ。ゲストを呼んで話を聞くっていうサロンみたいな。みんな参加するんですが、身の周りに栗野だったり、社内にいるすごい人って結構いるのでもっと耳を傾けるべきかなぁって。外部になんでも頼むんじゃなくって社内に目を向けないっていうのはもったいないと思いますね。あとクラブにいって感じたんですが、毎回周りをびっくりさせる洋服を買い続けるっていうのはお金がいるんですよね。そういったことには絶対勝てないなって。自分はただの小売屋だと改めて感じて、ここでもう一回自分の得意なことをやらないとやっていけないなって思いました。

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原宿のランドマークとして常に最新のファッションを担ってきた店舗なだけに、否が応でも注目が集まることでしょう。

いつもと同じように、丁寧な口調で淡々と語る小木さんですが、言葉の端々からは自信と決意がメラメラと感じられました。フイナムが注目するのはやはり地下1階。小木さんが考えるスーツとストリートの融合とはいかなるものか?オープンがいまから楽しみです。

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