2年間かけて、ようやく完成型ができた。

ー全世界にファンがいる「鉄男」のシリーズ最新作で、今回演じられてみていかがでしたか?役作りで苦労されたところなどありましたか?

エリック:塚本監督は田口トモロヲさんと一緒に、「海獣シアター」で映画ができる前にもともと演劇やってたでしょ。だから映画はすごい演劇っぽいと思うんですよね。特別なスタイルがある。でも最近のもっと新しい作品を見ると、演技はすごい静か。でも、今回は「鉄男」だから『ウワーっ』ていう感じの、演劇っぽいかんじでやったほうがいいのか考えました。

桃生:そうそう。私もそう思ってた。

エリック:それとも「ヴィイタール」みたいな静かな演技のほうがいいのか、今回の「鉄男」はどういうスタイルがいいのか、それは塚本監督に最初に会った時に話をしました。

桃生:今までの「鉄男」ってすごい演技が舞台っぽい大きいかんじじゃないですか。それはそれでなんか楽しそうだなと思ってたんですけど。監督は、もう20年ぶりで、ちょっとこう大人な「鉄男」にしたいので、もうちょっと自然な演技でお願いしますとは言われました。

ーそうなんですね。

桃生:そう。だからもっと気持ちとか、本当にリアルな感情とかを大切にしたいっていう風に言われました。

ーなるほど。今回、撮影自体は順調でしたか?

桃生:撮影期間も長かったんですけど、リハーサルみたいなものもずいぶんやって。まず最初に2人がどんなかんじでやるかっていうのをやってみたりして。その中で監督がカメラアングルだったりとか、声のトーンだったりとか、細かく最初に決めてくれたりしたので、後は現場でその場での動きを決めたりとかして、意外と撮影自体は時間もかからずスムーズにできることが多かったですね。

ー制作期間はどの位だったのですか?

エリック:撮影だけで9ヶ月位ですね。あとアフレコとかね。

桃生:そうそう。撮影終わってからまた1ヶ月とか開いてからアフレコをやったりとか。もうつい最近出来上がったかんじですね。

エリック:もう2年間くらい。

桃生:2年間かけて、ようやく完成型ができた。だから最近ようやく完成したものを観たんですよ。

ー出来上がったものをご覧になっていかがでしたか?

桃生:最初は、ベネチア国際映画祭に行く前に一回試写で観たんですけど。その時はまた違ったバージョンでもうちょっと長かったんですね。その作品を観た時には「ジェットコースター」っていうか、本当監督ににしか作れない作品に仕上がっているなと思いました。最後の方にくるといろんなことが思い出されて泣けましたし。冷静に客観的に見れない部分もまだありましたけどね。

エリック:普通のお客さんが見たら「ローラーコースター」とか、緊張感が高いとかいろいろな感想があると思うけど、自分で見たら現場でやってる時のことを思い出して、役の気分を思い出すから、もっとストレス高いと思うよ。いろんな場面で『うわっ』とか『ううっ』って感じになっちゃうから、映画観るのつらいんですよ(笑)。

桃生:(笑)。

IMG_0252.jpg

息もぴったりな主演のお2人。今回の撮影はスタッフみんなが家族のように仲の良い、アットホームな現場だったそうです。

Styling_Makiko Miura(heiz)
Hair & Make-up_IZUTSU(impress+)

123