HOME  >  BLOG

Shop / Brand Blog

田中恭平ELIMINATOR PRESS 代官山のセレクトショップ”ELIMINATOR”のPRESS。世界に一店舗だからこそ出来る事、世界に一店舗だからこそ言わなくてはいけないコアな情報や新たな価値観の提案を発信していけたらと思っています。www.eliminator.co.jp

From MANCHESTER and LONDON to TOKYO

田中恭平
ELIMINATOR PRESS
代官山のセレクトショップ”ELIMINATOR”のPRESS。世界に一店舗だからこそ出来る事、世界に一店舗だからこそ言わなくてはいけないコアな情報や新たな価値観の提案を発信していけたらと思っています。

www.eliminator.co.jp

Blog Menu

Mr.RAF SIMONSインタビュー⑤/FANTASTIC MAN issue14

2012.01.17

このエントリーをはてなブックマークに追加
昨日、2012年春夏のRAF SIMONS 1stデリバリー分が入荷しております。
詳細はSHOPまでお問い合わせ下さい。
TEL:03-3464-8144(営業時間 12:00〜20:00)
ツイッターにも画像をUPしております。
https://twitter.com/#!/ELIMINATOR_JP

6月17日の金曜日、JIL SANDERメンズウエアショー目前である。RAFはブランドの本社があるミラノで最終のフィッティングを行っていた。彼は同じくMcQUEENのデニムショーツにJIL SANDERの黒いシャツ、そしてPRADAの黒いプラットフォームソールを用いたエスパドリーユという出で立ちである。

セットプロデューサーとしての一日であるRAFは、部屋の後方にあるテーブルに陣取っている。モデル達はアシスタントによりスクリーンの裏側にセットされたドレッシングルームで着替えさせられる。程なくしてRAFはリモートコントロールを手に取り音楽を部屋に流し始める。モデルは音楽に合わせてRAFの方へとウォーキングを始める。最初のモデルは若いジェントルマン風のルックである、モデルの名前はPHILIP。しかしすぐにRAFは音楽を止める。そして15秒後にPHILIPはウォーキングを止める。「気に入らない」。RAFは言う。「彼にはスネークプリントのTシャツと黒いショーツ、そしてビニールコートを着せて見てくれないか」。PHILIPは提案されたスタイルにチェンジする。そして音楽がスタート、さらにウォーキングもスタート。そして音楽オフ、RAFは言う。「ビニールコートは違うな。ボクシージャケットに変えてみて」。PHILIPはボクシージャケットに着替える。「いや、ボクシージャケットは違うな」。
RS17.jpg
RS18.jpg
フィッティングは一日中続く。幾つかのルックは皆で再検討する必要があり、RAFは後方のテーブルから指示をする。約20分くらいで彼のアシスタント達は小さなスネークスキンのドキュメントウォレットをモデル達の首にネックレスのごとくさげていく。垂直に掛ける?それとも斜めに?高い位置?低い位置?ジャケットの下?またはジャケット上に? しかし決定は時々、迅速さを要求される。そしてモデル達は再度スクリーンの裏側へ。RAFは音楽を流し始める、ウォーキングを始めて4分程でRAFは「LOVE !」と言った。これでルックは完璧だ、という意味。ところで、彼に履かせる靴は?
 
これがショー前日に行われたショールック決定における手順である。12名ほどのアシスタント達はたくさんのシャツやバッグなどを持ち、終わる事なき準備をカプチーノを飲みながらこなしている。祝福の為の花束が彼らの基に届く。そしてメークアップチームも到着する。「今回はナチュラルだけれどもペールっぽいものにしたいんだ」。RAFはオーダーする。ヘアスタイルは予め決まっていてバケツの水を頭から被ったようなウエットヘアーにする予定だ。RAFは語る。「これはもし酸性雨の中に足を踏み入れたらという想定。BLADE RUNNERという映画でのRUTGER HAUERを想像すると良いよ」。
RS19.jpg
軍物のようなレザーシューズはJSのロゴマークとヒール部分にチョークで手書きをしたようなサイズ表記が入っている。「これは僕を含めてアーミーシューズを思い起こさせるようなポイントだよ。そしてサイズ表記はJEANNERETのチャンディーガル用にデザインした家具からのインスパイア−から生まれたもの」。RAFは語る。
 
彼の自宅にあるヴィンテージピースの数々はJIL SANDERコレクションのインスパイア−ソースとして多用されている。そしてスネークスキンのプリントTシャツの背中にはJIL SANDER MENSWEAR SHOW S/S2012の文字がプリントされている。「これはHELMUT LANGのTシャツにプリントされていたHELMUT LANG BACKSTAGEからのインスパイア−?」「その通り」。RAFは語った。「ファッションの仕事を始めた頃に電車でパリへ向かってHELMUTとMARTINのショーに何とか潜り込もうとしたんだ。インビテーションをコピーしてね。そしてショーの後にモデルが出てくるんだけど、彼らはお揃いのBACK STAGE Tシャツを着ていてね。自分用にも一枚欲しかったんだけど・・・。そうだね、このTシャツは正に彼のイメージを表していた」。
 
翌日JIL SANDERのショーは幕を閉じる。RAFはすぐにパリへとRAF SIMONSのショーの準備の為に旅立った。たったの7日間しか準備期間は無い!
 
パリでのショーも終わりバックステージでの彼は疲れきってはいるが充電完了状態だった。デザイナーとしてブランドのREBOOTING(再起動)をクリアに見せることが出来たからだろう。「クリーンアップ、クリーンアップ、クリーンアップ」。RAFは言う。「クリーンアップして自分のベーシックであるレーベルへと戻らないとね。これは今までの長い期間の中で最もありのままを表したショーかもね。次のシーズンとはかなり違ってるよ」。では次の2012年1月のショーの内容は決まっているのか?「次はエクストリームなショーになるよ」。

この続きはまた明日、本ブログにアップ致します。

アーカイブはこちらからご覧頂けます。
http://www.eliminator.co.jp/news_flash_raf.html

※コメントは承認されるまで公開されません。