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石光 史明VISUAL CONNEXION C.E.ONY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪visualconnexion.com

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石光 史明
VISUAL CONNEXION C.E.O

NY発のヴィジュアル誌、VISIONAIRE<ヴィジョネアー>の日本総代理店を営んでいますが、最近はもっぱら映画鑑賞家として「つぶやいて」います。昨年は自腹観賞232本! 今年も観まくるぞぉ~♪
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2011.01.31

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先日TOHOシネマズが地方の一部の劇場に限り試験的に入場料を1500円にするとのニュースが流れた途端、僕のツイッターのタイムライン上では「いいね!」とか「おぉ!」なんて言う「つぶやき」が溢れたものです。

正確に言うと基本料金が1500円。
18歳未満が一律1000円になるので、少ない小遣いの割りには時間的にも物理的にも外出が可能な高校生は世界の名作に出会えるチャンスが増えるという良策ですが、その代わりレディースデーを廃止し、シニアを60歳から65歳に引き上げると言うもの。

まぁ大学生からしてみれば何ら旨味もない話ですし、レディースデーは男の僕からすればいつも支払いは男なんだから実に不思議な制度だなぁ...と思っていたので正直別に?って感じですが(笑)。

但し、ほぼ毎日映画を観ている自分からすると(あくまでも一般料金に関してのみですが)実に不思議なニュース。

「デフレ傾向が強まる中で、1800円の料金が高いと感じている人も少なくない。料金設定を見直すことで、新たな集客につなげたい」という事で、'93年以来変わらぬ値段であぐらをかき続けた、国内2割のシェアを持つ大手がデフレをダシにようやく重い腰を上げた...程度の話なのでしょうか?

個人的にはいくつか不思議な点はあるのですが、その最たるは「前売り鑑賞券」の価値(意味)をどう位置付けるのかという事。

「前売り」とは文字通り通常その作品が公開されるまでの期間限定で発売されるもので、平均してみるとその前売り価格は1500円なので今回のお試し価格と変わらないのです。

さらに安いものになると1300円ですから、今なら一般入場料1800円に対して500円得をした計算になりますが、1500円なら都内の場合は公開後でも街中のチケットセンターや金券ショップで買えてしまうので実質何も変わらないし、逆に言えば一部のシニアに対しては実質的な値上げになるわけです。

こう考えると「前売り券」の価格も「制作費の回収」という最低ラインの売り上げ確保のためとはいえ、ある程度値下げしなければ存在意義すらなくなるわけで、そうなると全体的にスライドして価格が下がった場合、一介の映画ファンからすれば、我が国の映画界が産業として成立するのかな?という疑問。

金券ショップでチケットを購入する文化がなくなるかどうかはともかく、全体的な収益が減少して特に邦画そのもののクオリティーは下がらないかなと...

つまり各映画館の経営努力で彼らの利益を削るだけならまだしも、他のシネコンも含め業界全体で統一して改訂した場合、辿り辿って制作費にまで影響が及ぶようであればちょっと心配だと思いませんか?
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もちろん「わざわざ前売りを買いに行くのは面倒だから値下げの方が便利」...という意見もあるでしょうが、実際はミニシアター系を除けば(大抵の人が観るメジャー作品は)普通にコンビニに置いてある各種端末から買えるので、毎日映画館にいかない人もコンビニには行っているはずなので、よくよく考えてみればそこまで恩恵はないはず。

...っていうか、そもそもそう言う人は1500円だろうが1800円だろうが理由はともかく、結局は観に行かないと思うんですよね。下手したらタダ券持ってても行かない(笑)。

それにミニシアターやそれ以外のシネコンだって、普通に努力をしてるんですけれど単純に知らないからその恩恵を受け損ねている。

例えば現在「ソウル・キッチン」を上映している、渋谷・シネマライズでは「モバイル割引券」なるものがあって劇場のサイトにアクセスして特定の画像を携帯画面に表示させたものをチケット売り場で見せるだけで300円引き、つまり一般が1500円になる訳だから、前売り(ちなみに金券ショップ等でこの作品の前売りは取り扱いなし)を買うのと変わらない。 

でもその事を知らなければ、実際に僕の後ろに並んでいた人と同じように普通に1800円を支払うわけです。指で希望の座席を指定している反対側の手には携帯電話を握っているにもかかわらず... 

そう考えればTOHOシネマズさんのニュースは告知ベースで考えれば、大歓迎なのは間違いありません。それでみんなが映画館に足を運ぶとなれば嬉しい限りですから。

確かにアメリカに比べれば料金は倍以上するとはいえ、観客数や配給価格、土地代や人件費のコスト高など、産業全体の規模も性格も違うから一概に「日本は映画が高い」って言うのは当てはまらないと思うのです。

それを言うのであれば、なぜ作品のクオリティーが明らかに違う洋画・邦画が同じ値段なのか?という疑問を持つべきかなと。だって同性能のセダンで輸入車のベンツと国産車が同じ値段なのはおかしいと思いませんか?

何度も言いますが、安くなるのが悪いと言っているわけではありません。
逆に今まで通りで客足が遠退いて閉館なんて事になったら身も蓋もないですから。

実際今月29日を最後に恵比寿ガーデンシネマが休館、来月末には渋谷・シネセゾンが閉館します。でもその反対に2月19日には有楽町に新たに開館する映画館もあります。

いずれにしても、一人でも多くの人が実際に劇場に足を運べるように、明日はTOHOシネマズ以外のお得情報をまとめて掲載したいと思います。

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