『The International』 - 蛍雪ジェダイ（森山真司）

『ザ・バンク 堕ちた巨像』The International
監督：トム・ティクヴァ
主演：クライブ・オーウェン、ナオミ・ワッツ、アーミン・ミューラー＝スタール
まったくの前知識ナシに「またクライブ・オーウェン、銃をぶっ放しているね...」とジャケットだけ見て借りてきましたが、単なるクライム・アクションものと思えば、監督は『パフューム』のトム・ティクヴァだけあって温度やにおいまで感じさせる硬質な画面作りや脇を固めるヨーロッパ色の強い俳優陣で見応えありました。

実際に91年に経営破綻した国際商業信用銀行（BCCI）をモデルに途上国の内戦に積極的に資金投与を行い、借金によって裏から支配する...というルクセンブルグのメガバンクIBBCを舞台にインターポールのクライブ・オーウェンとNY検事局のナオミ・ワッツが告発しようと奮戦する物語。両方とも立場上情報提供だけで法執行権限がないっていうのもこの物語のミソですね。

次々と消えていく密告者や証人たち、全く尻尾のつかめない暗殺者...とサスペンス要素はたっぷりでジャケットの拳銃ぶっぱなすイメージは当初皆無の骨太な筋書き。圧巻は終盤のグッゲンハイム美術館（建築家フランク・ロイド・ライト）を舞台にした銃撃戦（イメージ通りなのはここだけ）...舞台が舞台なだけに印象的なアクションになっています。期待していなかっただけに満足でした。