HOME  >  CULTURE  >  FEATURE

CULTURE_FEATURE

  • OLD
  • NEW

DESIGN UNDERGROUND 家電蒐集家・松崎順一の正体とは?

2013.05.20

このエントリーをはてなブックマークに追加

-蒐集に関して予備知識はあったんですか?

松崎: まったくのゼロです。まずは1年間かけて僕の知り合いがやっているリサイクルショップで見習いとして働かせてもらって。そこで古いモノの流通がどうなっているのか、まず業界を覚えることから始めました。まさか42歳で軽トラに乗って廃品回収するとは思ってなかったですね(笑)。ショップに電話がかかってきて、こういうものを買い取ってください、処分してくださいって言われると、ハイハイって車走らせて。仕入れから値付けまで、業界の仕組みを全部学びました。で、約1年間自分なりに勉強して古物商の免許も取って、2003年に「DESIGN UNDERGROUND」をスタートしました。最初は家の近所の八坪くらいの小さいところで、僕のコレクションの一部を売っていたんです。

-ショップからのスタートなんですね。

松崎: うん、それが誰の通らないような質素な場所だったせいか、本当に誰も来なくて(笑)。それでショップってなんか違うなと思って、自分のホームページを作ったりしつつ、徐々にいろいろな人に広まっていった感じかな。そうしているうちに、修理をお願いされたり、昔の家電をイメージビジュアルで使いたいとか、要望が来るようになって。その時に、"こういうことが仕事になるんだ"って思うようになって。それから小さい倉庫を借りて、全部モノを移して。2年間ぐらいは、倉庫にモノを置いてウェブだけでやっていたんです。

-それから徐々に仕事のスタイルや幅が広がったわけですね。

松崎: そう。ラジカセはずっと扱っていたんですけど、それ以外の家電を取り扱うようになったのは、今から5年くらい前。だからショップを開いてからほぼ5年間は、箸にも棒にも引っ掛からなくて本当に無名の存在でした。

ff_design_underground_sub5.jpg

-ファッション業界とも接点があるようですね。

松崎: 今はファッション関係の仕事もさせてもらっていますが、最初はファッションじゃないんです。千葉市にある子供科学館のディスプレイの仕事で、たまたま僕のホームページを見て、「昔の家電を今の子供たちに紹介したいんだけど、そういう専門家がいないのでやってくれませんか?」って。で、科学館に収める家電を集めて、直したり、別の作品を作ったりするのに、今の場所をファクトリーとして借りたんです。だから当時は何もなかったんです。この作業机と少しの家電だけでしたね。

-実際何を作っていたんですか?

松崎: 子供が遊べるような電子オブジェみたいなものですね。秋葉原にあるようなパーツを使って、それを壁にいっぱい埋めて。声を出したり動くと画面が切り替わったり、いろいろなインスタレーションが楽しめるオブジェを作りました。それと古い家電も僕のコレクションの中から探して何百個も納めました。古い家電や、歴代の家電を見るコーナーとか。いろいろ作らせてもらいましたね。それが初めての大きな仕事でした。

-こども科学館がきっかけに広がっていったと。

松崎: そうですね。ファッション関係での初めての仕事でいうと、2年前のクリスマスに、エルメス各店のディスプレイをやらせていただいたことです。全店ではないんですけど、渋谷西武や横浜高島屋とか何店舗かで。昔のテレビとかアンティークの木のテレビを店内の中央に重ねてクリスマスツリーのように配置して。で、それぞれのテレビにコレクションの映像を流すっていう。ザラッとした質感の画面にコレクションが映るのがすごく良くて。それを色んな人に見てもらって、他のブランドからも依頼が来るようになりましたね。昨年の12月には〈AZUL by moussy〉と一緒に、表参道の東急プラザ1階にあるSHELTER TOKYOのクリスマスディスプレイをやらせていただきました。あとこれも去年ですが、BEAUTY&YOUTHさんと〈C.E〉のポップアップストアも手伝わせていただきました。

ff_design_underground_sub6.jpg
BACK 1  2  3  4  5  6  7

CULTURE FEATURE TOP

  • OLD
  • NEW