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どらま道。「まほろ駅前番外地」スタート記念!

2013.01.18

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cf_mahoro_sub06.jpg ©「まほろ駅前番外地」製作委員会 2013
テレビドラマとしてはね、すごく不親切な作りですけどね。

-瑛太さん、松田龍平さんは、元々お知り合いで?

大根: や、一緒に仕事するのは初めてですね。飲み屋で会ったことあるくらい。だから、元々キャラクターはできてたので、映画とか原作の世界とはちょっとヒネった...、同じキャラクターではあるんだけれども、別世界のお話だと考えてくれ、パラレルワールド的な感じで考えて、って言いました。原作よりはちょっとふざけてるし、キャラクターのブレは出てるかもしれないけど、そこは気にしないで、って話は最初にして。まあ瑛太も龍平もそこはノッてくれた。......俺、映画でちょっと嫌だなと思ったのは、後半の過去語りのシーン。あれはあれで良いシーンなんだけど、あれがちょっと...、何だろうな、っていうのがあったんですよね。「ああ、語っちゃうんだ」みたいな。

-すごいわかります。

大根: 男同士って、あんまり語らなくても、お互い何となく知ってるだろうし、ねえ? そんなに話さないじゃないですか。

-僕もあのシーン、あんま好きじゃないです。......あのー、いつも思うんですけど、なんで邦画って、クライマックスで一人語りをする、みたいなシーンが多いんですかね?

大根: 知らないよ(笑)。

-僕、いつも冷めるんですけど。語らせちゃうの!? みたいな。

大根: なんでしょうね...。一人語りが良い場合もあるんですけどね。

cf_mahoro_sub07.jpg ©「まほろ駅前番外地」製作委員会 2013

-主人公の気持ちとか抱えてるものを、延々セリフで喋っちゃったりして、それで相手も「この人はこんな悩みがあったんだ」とか理解しちゃったりするのって、どうなの!? ストーリー、ラクすぎない? とか思っちゃうんですけど(笑)。

大根: うん。だからコレ、テレビドラマとしてはね、すごく不親切ですけどね。第1話は。状況とかもぜんぜん説明してないし。なんらかの、二人ともヘビーな過去があるんだろうね、っていう設定にはしてますけどね。そういうものが、二人の胃の下の方にズーンとある、みたいな感じにはなってますけど、でもそれくらいですね。あの二人も、龍平は特に、もう過去のことはあんま喋りたくない、って言ってました。

-語らせないで欲しいです(笑)。でも、そうか。ドラマ版はパラレルワールドなんですね。クルマも変わってますよね。

大根: そうですね。クルマはちょっと、少しは画面に華が欲しいというか。オシャレに...というとアレだな、ポップに見せたいな、という。ただ、便利軒(の事務所)もね、いろんな雑物が置いてあって、ちょっとはカッコイイ感じではあるんですけど、でもあそこにジュークボックスとか置いちゃうとアウトっていうか(笑)。ダーツとかね。そのへんのバランスが難しいんですよね。かといって無味乾燥なセットも何だなあ、っていう。そのディティールの付け方が難しい。

cf_mahoro_sub08.jpg

-映画『モテキ』のあと、ちょっと鬱っぽくなった、とか仰ってたじゃないですか。

大根: 言ってましたね(笑)。

-『モテキ』がヒットして、次にやる作品、ってところでのハードルとかプレッシャーとかはあったんですか?

大根: ああ、その意味ではタイミングよかったですね。モテキが幸いにもヒットで終わって、そこから、いろんなところからいろんな話が来たんですけど、持ち込まれる企画のヒドさに辟易となってたというか、それで鬱になってたというか(笑)。

-へえ~。

大根: 来る企画来る企画、断ってたんですよ。薄っぺらいのが多くて。「『モテキ』みたいな感じで~」とか、「なんかエロく撮ってもらって~」とか。何だよそれ、みたいな。

-その中に、『まほろ』があった?

大根: や、孫さんはねえ、『モテキ』を観て、「なんやあれは! つまらんわ!」みたいな(笑)。「あんなの映画か!」って説教されたんですよ.

-はははは。

大根: もう10年くらいの付き合いなんですけど、仕事はしたことなかったんですよ。昔撮った深夜ドラマをたまたま見てくれて、気に入ってくれて。知り合いを介して会って。それから一回も仕事せず、半年に1回くらい、飲んでは怒られる、みたいなのを繰り返してて(笑).

-ダメ出し?

大根: なんかよくわかんないんですけどね。「もう監督なんて辞めろ、おまえは!」ってよく言われて。大人になると、あんま怒られることがなくなってくるじゃないですか? でも孫さんに怒られるのは、意外と気持ちいいんですよ。別に本質とか突いてくるワケじゃないんだけど(笑)。だから、「ようし、そろそろ怒られに行くかな」って言って電話して、飲みに行って怒られる、みたいなパターン(笑)。

-で、『モテキ』も案の定ダメ出された、という。

大根: そう。「なんやアレは。何もわかっとらん、おまえは! ......で、『まほろ』やってくれないか?」って言われて、ぜんぜん意味わかんなくて(笑)。うーん、さすがに面白いなって。

cf_mahoro_sub09.jpg ©「まほろ駅前番外地」製作委員会 2013

-じゃあ、孫さんありき、みたいなとこもあったんですね。

大根: そうすね。孫さんじゃなかったらやらなかった。現場や監督には優しい人、っていうのは知ってたんで、自由にやらせてくれるだろうなって思ってたし。色々とやってもらって......。あの、エンディングテーマが、坂本慎太郎さんなんですよ。

-はい。

大根: ちょっとめんどくさい話なんですけど、ドラマのオープニングとかエンディング曲ってタイアップで決まることが基本で、テレビ局としては、エンディングに使うから、レコード会社さんお金出してよ、っていう流れがあるわけです。(ドラマの)枠によって違うんだけど、それが意外と結構な額だったりするんですよね。でも俺は、坂本さんにどうしても書き下ろしの曲やってほしかったから、坂本さんでエンディングやってほしいって言ってたんですよ。でも、坂本さんはインディーズなんです。

-ああ、じゃあ...。

大根: 資金的に厳しい。テレビ東京さんに払えるお金がありません、ってことになって。そこで、ちょっと孫さんが、いろいろ動いてくれて(笑)。

-おお。アツいな!

大根: 「大根がやりたい言うてるんやから、やれやぁ!」ってテレビ東京に。

-そ、そんな一喝できる人なんですか(笑)!

大根:や、そこから色々ネゴしてくれたんだと思うんですけどね。制作費からまわすとか、色々やりくりを。でも、普通はそこまでやってくれないんで。感謝ですよね。

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