良いバッグの条件と活用術。-- 今春注目の新作バッグを徹底解析 -- - page2 - FASHION FEATURE

―市之瀬さんはバイヤーという仕事柄、出張が多いと思いますが、その際はどのようなバッグを持っていきますか？

市之瀬雄介（以下、市之瀬：敬称略）：トランクケースとは別に、機内用のボストンバッグは欠かせませんね。丈夫で軽いというのが大事なので、素材はナイロンやキャンバスのものが多いですね。横幅が大きすぎてもトランクケースからはみ出してしまうんで、容量はあるけど幅がありすぎないバッグがベストですね。

―容量にこだわる辺り、やはり持ち物も多めでしょうか。

市之瀬：そうですね、なんだかんだいって多くなりますよね。パスポートケースや機内用のスリッパ、今の時期だと防寒系のアイテムなどですよね。あとは、アイマスクは機内では必須ですね。これはイギリスのブランドのものでエア枕とケースも一緒になってるんですよ。

―なるほど。国内の出張の場合だといかがでしょう？

市之瀬：国内だと新規オープンのお店のリサーチや援軍に行ったりすることが多いですね。そういう時もやはり、1泊2日を乗り切れるくらいの、このサイズのボストンバッグです。インナーやアンダーウェアも入って、その他仕事の道具も入りますから国内出張用にも向いてますよね。

―〈クレドラン〉のバッグはナノ・ユニバースでも取り扱いがありますが、バイヤーとして市ノ瀬さんが魅力に感じた部分というのは？

市之瀬：まず、バッグというジャンルで"ユニセックス"というのがひとつのテーマとしてあったんです。〈クレドラン〉のバッグはその点を非常に魅力的に表現しているブランドだなと。なかなか、そういうブランドって日本にないんですよ。メンズ売り場に並ぶのですが、女性にも買って欲しいと思えるというか、そういう切り口の代表的なブランドかなと思いますね。

―狙うべきターゲットとアイテムの持つ雰囲気がきっちりハマったと。

市之瀬：まさにその通りですね。コストパフォーマンスも非常に高いですし、ジャパンメイドで作りもしっかりしている。今季は、バッグはもちろん、小物類もかなりの型数を取り扱うのでしっかり展開していけるかなと思いますね。

―"ユニセックス"という点では絶妙な感覚ですよね。

市之瀬：ヌメ革と迷彩のコンビネーションというのもあまり見かけないですよね。こういう感覚は、しっかりとしたオンリーショップを持っていて、世界観のあるブランドならではだと思いますね。

―着こなしという観点で見るといかがでしょうか？

市之瀬：んー、カジュアルであればマリンスタイルのような、少しリラックスした感じで。少しドレスに寄せるなら、クレリックシャツにネイビーのジャケット、グレーのパンツ、スウェードのシューズというようなド定番スタイルに、外しのひとつとして取り入れたいですね。普段、割とカッチリとした格好の方がサラッと持っていたりしても良いかもしれないですね。

―なんてことのないスタイルの方が、ちょっとバッグで遊びを入れている。人としての奥行きがチラッと見えるアイテムとしての提案みたいなことですね。

市之瀬：シューズで遊びを入れたりするよりも抵抗は薄いと思いますね。例えば、サラリーマンの方が明日から急にデッキシューズを履いて通勤するというのはなかなか難しいですから（笑）。バッグだったらそんなこともないのかなと。クリエイティブなお仕事している方に持って貰いたいですね。

―確かに、迷彩というとゴリゴリな男臭い印象を持たれることが多いですが、このバッグならそう思われることもなさそうですね。

市之瀬：そうですね。結局、ミルスペックな魅力をあまりにも突き詰めていくと先細りになってしまう。今、レディースのお客さんがメンズの売り場で何かを購入するという動きがあるなかで、僕らはそこをもう少し広げるというのもアリだと思ってるんです。いわゆる"ボーイズファッション"とは異なりますが、提案としてあってもいいんじゃないかと、面白いんじゃないかと思っているんです。