ウミット ベナンのショーに出演したフリークス 早川氏にインタビュー!
2012.02.06
―もうひとりくらいアジア系のモデルいましたよね?
早川:彼は、イタリア在住のヘアメイクさんで日本人だったのですが、ショー当日まで会わなくて。
―えっ? じゃあショーの構成やリハーサルは当日に実施されたのですか?
早川:はい。今回のモデルは全員、他に仕事を持っている方でした。
―フィッティングは?
早川:それは個別にありました。今回テーマが「ミリタリー」だったので、パンツは相当ハイウェストで、どこでどのくらい絞るかを決めてからは、どこのサルトで直しを入れるか、スタッフ総出で電話してましたよ。
それから、ウミットは〈トラサルディ1911〉の打ち合わせもあって、そちらに赴くことになっていたんですが、雑談してるときに「今回は誰と来たんだ? この後は何か予定あるか」など聞かれたので「1人で来たから予定はない」と伝えると、〈トラサルディ1911〉の会場に一緒に連れて行ってくれて。僕を「ユウスケ」と読んでくれていたのですが、スタッフに「次のショーにモデルで出るユウスケだ、よろしくね」と紹介してくれたりもしました。
―それも相当貴重な体験ですし、嬉しいですね。となると、ウミットと一緒の時間が多かったのですか?
早川:いえ、彼は忙しかったので、いられるときは一緒でしたが、離れているときはスタッフのルカと一緒にいることが多かったですね。
―ショーの話に移りますが、当日会場入りしてモデルと顔を合わせて、演出を聞き、リハーサルへと進んでいくわけですか?
早川:そうですね。ただ、インタビューではランウェイには興味がない的な話をしてたのに、会場着いたらランウェイの準備が始まってて...。設定は、軍人が集う宿舎から出て行くことで、ロッカーがあったり、シャワーを浴びてるモデルがいたり。僕はゲームをしている設定だったので、もうひとりの日本人の彼とゲームした後に、キャットウォークするという。
―そういうことだったんですね。いままでにランウェイを歩いた経験なんて?
早川:ないですないです、初歩きです。他のモデルもほとんどそんな状態なので、上半身ブレたりしてるんですよね。
―初体験づくしですね。緊張しました?
早川:リハーサルは緊張しましたね。どこまで歩いて、そこで写真撮られるから3秒止まって、戻ってきてとか。あとはウミットが確認しながら「もっと早く」とか「もっとハキハキ歩け」とか、ごくごく簡単な指示は受けるんですが、とにかくライトが眩しくて、よく分からないっていう。まぁ本番はアッという間で緊張すらしませんでしたけど。全体を通しては、スゴい経験なんですが、みんなフレンドリーなんで緊張するというより、ショーをする外人の友だちが「モデル足りないから、来て出てよ」くらいな感覚でしたね。
―早川さんは、お幾つでしたっけ?
早川:81年生まれの30歳です。
―となると、ウミットの1歳下で同じジェネレーションというのもあるんでしょうね。
早川:そうかもしれませんね。
―ショーが終わってからは、観光もしたりしたんですか?
早川:そうですね。あと、ウミットが経費を払えない代わりに「服をくれる」と言ってくれたので、アトリエに取りに行きました。
―現物支給(笑)。好きなの持ってけ的な?
早川:そうかと思ってたんですが、ウミットが勝手にピックして渡されました。
―セットアップに、カーディガンとTシャツ2着ずつ、それにストールで。
早川:これ、普通に買ったら今回の旅費より高くなると思いますし、〈ウミット ベナン〉の服好きなので。全然アリです。ただ貰えるならコートが欲しかったんですけどね(笑)。
―最後にですが、「次も来いよ」ってなったんですか?
早川:どうですかね? 一応彼らの連絡先は聞いて、日本に来るときは会おうという約束はしましたけど...。他のモデルでも前回に引き続いて登場してる人もいるので、もしかしたら...ですね。
―そうなると良いですよね。さらに今回のランウェイ観た他のブランドから、オファーがあるなんて話もあるかもですしね。
早川:人生ってどうなるか分かりませんよね。本当にスゴく良い経験になりました。
―そんなに稀にある話ではないでしょうけど、新しい夢の実現のカタチを描いてくれたなって。
早川:遠そうで遠くないんだなって。
―いまの時代って、本当に何が起こるか分からないから、いろいろチャレンジしてみるのって悪くないですよね。
早川:そういう道筋のひとつを表現できたのも良かったかもですね。
―今日はありがとうございました。