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FEATURE|BEAMS meets Rizzoli. 世界へと広がるBEAMSのクリエイティビティ。

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BEAMS meets Rizzoli.

世界へと広がるBEAMSのクリエイティビティ。

今年の2月14日、ニューヨークの名門出版社である「リッゾーリ(Rizzoli)」から〈ビームス(BEAMS)〉のビジュアルブック『BEAMS beyond TOKYO』が発売された。そして、本書で特筆すべきなのは、これまで世界各国の名だたるファッションブランドやアーティストたちのビジュアルブックをリリースしてきた「リッゾーリ」が、日本の小売店にフォーカスした作品を出版すること自体が初めてだということ。1976年にスタートし、40年以上に渡り日本のファッション、カルチャーの水準をアップデートし続ける〈ビームス〉。その歴史を、〈ビームス〉がこれまで行ってきた数々のコラボレーションアイテムに焦点を当て、ビジュアライズしたこの一冊である。ではどのような経緯で誕生したのか。「リッゾーリ」の担当編集者であるイアン・ルナさん、本書のアートディレクションを担当した米山菜津子さん、そして〈ビームス〉プレス / PRマネージャーの佐藤尊彦さんに話を伺った。三者の貴重なお話から、『BEAMS beyond TOKYO』が持つ意義について、改めて考察を巡らせてほしい。

  • Photo_Haruki Matsui(Page2, 3)
  • Text_Maruro Yamashita
  • Edit_Jun Nakada
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リッゾーリ」の担当編集者、イアン・ルナ篇

ニューヨークの「リッゾーリ」の書店で行われた『BEAMS beyond TOKYO』のローンチイベントはいかがでしたか?

イアン楽しかったですよ! NYにいる〈ビームス〉のファンたちがひとつに集えて最高なイベントでした。

過去にイアンさんが手がけた「リッゾーリ」の代表作にはどのようなものがあるんですか?

イアン「リッゾーリ」では、ファレル・ウィリアムズとの『Pharrell:Places & Spaces I’ve Seen』、モーセン・ムスタファヴィとの『Louis Vuitton:Architecture and Interiors』、トシコ・モリとの『Tokyolife:Art and Design』、NIGO®との『A Bathing Ape』、リイチ・ミヤケとの『Shigeru Ban:Paper in Architecture』、09年の『Louis Vuitton:Art, Fashion & Architecture』、13年の『Louis Vuitton City Bags』を手がけました。それらの本では私が編集長となり、記事も書いています。一編集として参加したものとしては、『sacai:A to Z』、『Undercover』、『Hiroshi Fujiwara』、『Yamamoto & Yohji』、『Rick Owens』、『Maison Martin Margiela』などがあります。その他、たくさんの本に関わってきました。

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『BEAMS beyond TOKYO』を出版しようと決めたきっかけは何だったのでしょうか?

イアン〈ビームス〉と設楽洋社長に対して、深い賞賛の気持ちを長年抱いていたということでしょうか。過去にも〈ビームス〉に関する文章を書き上げたこともあったんですよ。

〈ビームス〉のことを知ったのはいつのことですか?

イアン90年代の後半、私はまだティーンエイジャーでしたが、東京に来て〈ビームス〉のお店に行きました。そのときが最初ですね。

『BEAMS beyond TOKYO』の内容を、〈ビームス〉がコラボレーションしてきたアイテムにフォーカスするというアイデアは、イアンさんからの提案だと伺いました。なぜそこにフォーカスしようと思ったのですか?

イアン〈ビームス〉の本を手がけるにあたり、最初は会社としても、その活動に関しても、さまざまな形での取り上げ方が考えられました。でも、今回コラボレーションという側面だけに絞ったのは、〈ビームス〉のことをあまり知らない人でも、少なくとも〈ビームス〉が〈リーバイス®〉や〈コンバース〉とコラボレーションしているということを聞いたことがあるはずだと考えたからです。

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〈ビームス〉はファッションだけでなく、カルチャー全般に対して明るい企業です。これは「リッゾーリ」にも同じことが言えると思うのですが、作品を出版するにあたって、取り決めやルールみたいなものはあるんでしょうか?

イアン「リッゾーリ」では、担当編集が100パーセント自由にプロジェクトを追求、進行できるんです。例えば、過去に〈ケリング※1〉と〈LVMH※2〉のプロジェクトを同時に進めたことがあったり。とにかくエクスクルーシブに対する制限を設けていないんですよ。これはとても素晴らしいことだし、それだけリッゾーリの信頼度が高いということが言えると思います。本書を通して〈ビームス〉もさまざまなブランドから尊重されていると感じましたね。

  • ※1グッチやボッテガ・ヴェネタ、サンローランなど、多くのファッションブランドを保有する世界三大複合企業。
  • ※2ルイ・ヴィトンをはじめ、ロエベ、セリーヌ、クリスチャン ディオールなど、70を超える高級ブランドの保有する世界最大手の複合企業。

最後に、日本のカルチャーの状況をどう見ていますか?

イアンファッションについて言うなら、90年代の裏原宿ムーヴメントをノスタルジックに語る人たちとは違って、私は一切悲観的ではありません。むしろ日本における文化的なシーンは、これまでと同様、活気に満ち溢れていると思います。また、3月11日に起こった震災の影響は、いろいろな分野で新たに生まれた(育まれた)情熱によって和らいできているのではないかと感じます。そしてその熱量は、私自身、昔からずっと日本のアーティストや建築家、デザイナー、フィルムメーカー、モノづくりから影響を受けていますが、いまがいちばん強いかもしれません。少なくとも2000年代初頭にはなかった価値観ですし、見ていてワクワクしますね。

次のページは、本書のアートディレクションを担当した米山菜津子さん篇です。
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