蛍雪ジェダイ
森山真司
ディストリクト ショッププレス
プレス兼ディストリクト
ホームページのコントロールとウィンドウディスプレイ担当。キャリア20年超のジェダイを目指す名物販売員
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『VALKYRIE』
2009.09.03
『ワルキューレ』 原題 Valkyrie
監督:ブライアン・シンガー 主演:トム・クルーズ、ビル・ナイ、ケネス・ブラナー、カリス・ファン・ハウテン、テレンス・スタンプ、トム・ウィルキンソン
「ユージュアル・サスぺクツ」でさっそうと話題をさらいその後は「X-MEN」シリーズ、途中で乗り換え「スーパーマン・リターンズ」...と話題作ながらかたよりも凄いブライアン・シンガー監督。力量は認めますが撮りたい作品しか撮らないのかな...。久々サスペンスに戻ってきました。しかも史実。
実際に未遂に終わったドイツ国防軍部内のヒトラー暗殺計画ワルキューレ作戦を首謀者の一人である シュタウフェンベルク大佐の視点から描きます。2004年にはドイツのテレビ映画で同様の事件を題材にした作品もあり、彼の地では反ナチ運動の英雄です。
敬虔なカトリック信者のシュタウフェンベルク大佐をサイエントロジー信者のトム・クルーズが演じることに不快を示す親族やドイツ国民の反応もニュースになりましたが、プロの俳優としてきちんと仕事をしていると思います。私生活はいろんな奇行も報じられますが、わたしはアクターとしてのトム・クルーズは努力家で信頼していますね^^
車、バイク、戦車や飛行機、電話機やもろもろも正確な描写も評価されていますが、軍服のカッコよさはピカイチ。もともとドイツ軍の(特に将校の)軍服は仕立てや装飾の手が込んでいますが映画で再現された中では今のところ私のベスト。TAMIYAのミリタリー系プラモデルでどこの軍ものをつくるのか好みが分かれるところでしたが、わたしはかたくなにドイツ軍でした^^
最終的に失敗に終わる暗殺計画、決着はわかっているのでどう緊張感を持続させ、そしてハラハラさせてくれるのかは感情移入に引き込む監督の腕の見せ所。これは大成功。さすがブライアン・シンガー盛り上げる手法は手慣れたもの。
空爆を逃れ防空壕に入るシーンでは、かけていたレコードの針が飛び、ワーグナーのワルキューレのあの有名なフレーズが流れ出すシーンとか気が利いています。
「ブラックブック」で忘れられない存在を示してくれたカリス・ファン・ハウテンも出ていましたが、登場シーンが少なすぎ...(泣)
冒頭からナチを信奉するドイツ人ばかりではないという既成事実の上に物語は進みますが、どんな過程でヒトラーに騙されたと感じるようになったのか、ドイツ人の(そして本来人間のもつ)善の心の葛藤をもうすこし丁寧に描いてほしかったかな...
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