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『THE FALL』(2006)

2010.03.24

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jedi_the_fall (2).jpg『ザ・フォール-落下の王国』the Fall
監督:ターセム・シン
衣装:石岡 瑛子 
提供(?presenterとしてクレジット):デヴィッド・フィンチャースパイク・ジョーンズ
出演:リー・ペイスカティンカ・アンタルージャスティン・ワデル
ザ・セル』でその映像美を見せつけたターセムが4年の歳月をかけて一切のCGを排し、数々の世界遺産をロケーションして完成させた待望の2作目...。公開当時もかなり話題になり、なんだかその映像美だけが独り歩きしていた気がして...ちょっと天邪鬼的に観なかった覚えがあります。はっきり言って損してた(^^ゞ

1915年、8歳の女の子アレクサンドリアは腕を骨折したためにサンフランシスコの修道病院に入院している。そこで同じようにけがを負った上に失恋で自暴自棄になったスタントマン・ロイと出会いう。二人の共通点は落下して怪我したこと。彼が映画を知らないアレクサンドリアの気を引こうと"お話"を語りだす...。このプロットは知っていました。

その映像美の前評判からどれだけ素晴らしい"お話"が始まるんだろうと思ったら、意外に行き当たりばったり(^^ゞもちろんスタントマンの即興話なので、それでいいのです。実際のこの映画の魅力はアーリーセンチュリーの柔らかな、そして同時に不気味である病院の風景と、映画がひろく普及していない時代だからこそ可能な子供の無限の空想力が生む"お話"のアゴラフォビア(広場恐怖症)の方にはお勧めできないほどの空間映像美との対比でした。

ターセムの現実離れした映像はロイとアレクサンドリアの紡ぐ物語の空想の中に広がり、そして現実へとリンクしていく構造はお見事。映画愛が生んだターセム監督板『ニュー・シネマ・パラダイス』ってところでしょうか。 ややぽっちゃりでけっして美少女ではないけど子供愛らしさを十分に備えたカティンカ・アンタルーのモノローグで終わるラストは心に染みました。

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