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加賀美健がナビゲートする、 ストレンジなアーティストたち。

2011.10.07

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フイナムブロガーとしても名を連ねるアーティスト、加賀美健氏。彼がオーナーを務めるショップ「ストレンジストア」では、現在不定期でエキシビションが開催されています。便所のドアで。加賀美健は何故に、この場所をギャラリースペースとして利用し、若手アーティストたちをフックアップしているのか。その真相を伺ってきます。

Photos_Nahoko Morimoto
Edit_Hiroshi Yamamoto

トイレのドアがギャラリースペースになった経緯。

―そもそも、なぜストレンジストアでエキシビションを開催しようと思ったのですか。

加賀美健(以下加賀美):単純にお客さんが来るのかなと思って(笑)。というのは嘘ですけど、集客のためのというよりも、面白がって遊びに来てくれる人を増やすためというか、なんか広げていきたかったんですよね。

―それでトイレのドアをギャラリースペースに。

加賀美:(笑)。そんなに広いお店ではないし、ギャラリースペースを設けてというのも違うし......。悩んでいたら目の前にあったのがトイレのドアだったんです(笑)。「これはい良い。"ギャラリードア"だな」とか名称まで考えていたら、ナヌーク君が入ってきて、「じゃ、やってよ」と。

―そもそもナヌークさんとはどういった経緯で知り合ったのですか。

加賀美:僕も参加していたアートブックフェアで、金髪にデカめがねの男の子が突然話しかけてきて、危ない人だなと思いながら作品を見たら、それもまた危なくて(笑)。実際にいくつか「欲しいな」と思えるものもあったので、最初のエキシビションにどうかなと思いお願いしました。

―ストレンジストアをオープンして半年経て、何かを企んでいた時期だったんですね

加賀美:なんか盛り上げようとか、お客さんを呼ぼうとか、そういうのじゃないんですよね。面白いことをやれば、面白い人が訪れるし、それがコミュニティとしてカタチになったらどうなるんだろう? と自分でもワクワクしながら、ダラダラとやるというか。実際に、エキシビションといってもスタートの日時だけしか決めていないですし。

―で、2人目がスニークさんになるわけですね。

加賀美:スニーク君は、彼のお兄さんを通じて紹介してもらったんですよ。「弟がドラえもんばかり描いている」と嘆いていて、「しかも、四角いんです」と。これは是非、お願いしなければって思いまして。

―そして現在、開催中の江崎さんに繋がるわけですね。

加賀美:江崎さんはナヌーク君の知り合いなんですよ。お店にはお客さんとして来てくれて、写真を見せてくれたらすごい良かったんです。久しぶりに面白い女流カメラマンが出たな! と思いました。本当、自分で見て、面白ければ是非、という流れでお願いしていますね。

加賀美健が3人のアーティストを選んだ理由。
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―加賀美さんのなかで、声をかける基準というのはあるんですか。

加賀美:自分が面白いと思えるか、というのが一番ですね。あとはストレンジストアとの相性も考慮します。自分で言うのもなんですけど、アクの強いお店に負けない作品としての存在感は重要ですね。

―これまでの3人の共通点などはありますか。

加賀美:みんな優等生ではなさそうですよね。美術の成績も悪そう(笑)、僕も含め(笑)。ただ、頭のなかではディープな思考が渦巻いていて、「なんか面白いよなアイツ」というオーラのある人ですかね。

―実際にエキシビションを開催してみていかがでしたか。

加賀美:面白いですね。集客には繋がっていないですけど(笑)。実際に僕の作品を見てきてくれた年代の人たちとコミュニケーションも取れるし、それが刺激にもなるんですよ。若いアーティストをフックアップするというよりも、アートという答えのない世界で感性を共有できるコミュニティを作っているようなイメージ。まさか自分で率先して、こんなことやるとは思っていなかったんですけどね。

―お店を始めたことによって、意識の変化があったんですかね。

加賀美:意識が180度変わったということは無いですね。お店を始めて、子供も生まれたんですけど、これまで以上にやりたい放題になってしまったというか(笑)。

―それでは今後の展開について教えてください。

加賀美:白紙です(笑)。というのも、今話したように行き当たりばったりなので(笑)。ただ、僕が面白いと思える何かをやっていくつもりです。集客しなければいけないので(笑)。

次のページからはストレンジストアでエキシビションを開催した3人のアーティストにフォーカス。

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