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初来日した〈1205〉のデザイナー パウラにインタビュー!

2011.10.25

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1205_p1main.jpg

ロンドンから気になるブランドが上陸しました。本場サヴィル・ロウの〈ハーデイ・エイミス〉で修行を積み、〈キルガー〉でヘッドデザイナーを担うなど、輝かしい経歴を持つパウラ・ジェルバーゼによる〈1205〉です。そのアッサリとしたブランド名もですが、気になるのはデザイナーが女性ということと、すべてのアイテムをロンドンにて生産しているということ。2011年からはユナイテッドアローズやビームス、そして伊勢丹など日本でも取引先が増え、バイヤーが口々に気になるブランドと評価する〈1205〉の本質を探るため、来日したパウラにインタビューを敢行。興味深い話をしてくれましたので、ぜひ一読を!

Photos_RINTARO
Edit_Ryutaro Yanaka

〈1205〉がスタートするまで。

―今回は、突然の来日とのことですが。ちなみに今までに日本へ来られたことはありますか?

Paula Gerbase(以下パウラ):初めてです。日本へ来るのはずっと夢で、2011年秋冬から日本でもたくさんのショップで扱っていただくことになったので、これを機会に来日することを決めました。

―どの辺りをご覧になったのですか?

パウラ:取引していただいているお店と、昨日は中野と高円寺へ行ってきました。

―いかがでした?

パウラ:ひとつの空間に、キャラクターものやオモチャ、音楽や服などが集合していて驚きました。あんなところはロンドンでは見かけませんので。

―中野ブロードウェイですね。

パウラ:高円寺では、50年代やワークウェア、フレンチなど、ジャンルに特化して深く追求し、ラインナップしている古着屋がたくさんあって、レベルの高さを感じました。私はオールドテーラリングには詳しいのですが、古いワークウェアをたくさん見ることができたのは新鮮でした。機能性やディテールなど勉強になることがたくさんありました。

―テーラリングのお話がでましたので、少し経歴について質問させてください。

パウラ:セントマーチンズのウィメンズ クリエイティブコースで学んでいたのですが、2年目を迎えたときに、洋服を作る工程について学びたいと思うようになりました。それでテーラリングに興味を持ち、サヴィル・ロウの〈ハーデイ・エイミス(Hardy Amies)〉にてプレンティス(働きながら仕事を学ぶ人)をしました。学校で学ぶことも大切ですが、現場で見て学ぶことも大切だと考えていたので、同時に経験をしたくて。

―ハードではなかったですか?

パウラ:プレンティスの最初の頃は、本当に見て学ぶだけで、お茶を入れるだけとか、本当に何もさせてもらえませんでした。その後、女性ということで女性のお客様のフィッティングを手伝ったり、その後1ヶ月くらいして、やっと簡単な縫いの仕事をさせてもらえるようになって。

1205_p1a.jpg

―女性でテーラーを目指すというのは珍しいですよね。

パウラ:私はファッション業界でいうところの「デザイナー」というものにはなりたいとは思っていなくて。セレブリティになりたいわけでも、パーティに顔を出すことにもあまり興味がないのです。そういう時間よりも、職人や作り手たちと現場にいる時間が好きなのです。

―「デザイナー」というよりは「アーティザン」という感覚ですね。

パウラ:その通りです。じつは「ファッションデザイナー」という言葉が嫌いなんです。

―(笑)。それは、ブランド名に自らの名を冠せず、〈1205(トゥウェルブ オーファイブ)〉としている理由でもあるのですか?

パウラ:それもあります。この〈1205〉というのは、自分の誕生日である5月12日と、このブランドのスタートを決意した日なんです。

―そうだったのですね。

パウラ:それと、数字にすることで、どの国でも馴染みやすく、好きに発せることができますよね。日本なら〈イチニゼロゴ〉で良いですし。

―もう少し経歴について聞きたいのですが、ブランド設立前は〈キルガー(Kilgour)〉にいらっしゃったのですよね。

パウラ:はい。〈ハーデイ・エイミス〉で働いているうちに、〈キルガー〉で働くドミニコという方を紹介していただいて。彼は私の師的な存在なのですが。セントマーチンズを一年休学し、彼の元で働きはじめました。ありがたいことに、〈キルガー〉からは学校を辞めてフルタイムで働いて欲しいと言われましたが、最終学年時は仕事を続けながら、学校にも通い、卒業制作を作りました。

―すごい! ちなみに卒業制作は、どういった服を作ったのですか?

パウラ:ブラジルに伝統的なレースがあるのですが(編集部注:彼女はブラジルで産まれる)、若い層で継ぐ方がいなくて、消えてしまいそうなんです。それはもったいないと思い、そのレースを使って、テーラリングを駆使したアイテムを作りました。

―評価はいかがでした?

パウラ:先生は、もっときらびやかなものを作ると思っていたのに、ミニマルなアイテムに仕上がっていたので、ウケは悪かったですね。

―(笑)

パウラ:先生はピンクやパープルみたいな派手なカラーを求めてきましたが、私はエレファントグレーの服が好きだし、テーラリングベースのディテールに凝った服が好きで、意見が一致せずシンクロしなかったです。でも試験の成績は良かったですよ。

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