LUNARGRAND COMPILE 〜ルナグランドにまつわる4つのこと〜
2014.08.01

2012年、〈コールハーン(COLE HAAN)〉が満を持して世に送り出した名作「ルナグランド(LUNARGRAND)」。革靴にスニーカーのソールを組み合わせるという、発想の転換から生まれた近未来的なルックスで瞬く間に人気は急上昇。そして広く知られることとなった今、「ルナグランド」のポテンシャルを再認識するべく、トレンド・スニーカー・デザイン・バイイングの目線から検証していきます。
Photo_Shimpo Kimura
Edit_Jun Nakada
証言者_山田陵太/スタイリスト
メンズを中心に雑誌、カタログ等、幅広く活躍。昨年、〈FACETASM〉の初となるZINE『Sun High Falls』のスタイリングも手掛けている。また最近、旧友が住む鹿児島へ2度目のトリップを敢行。そのお土産話はフイナムブログにて。
www.yamadaryota.com
www.houyhnhnm.jp/blog/yamada
-ルナグランドを初めて見たときの印象は?
「アッパーがトラディショナルでソールがハイテク、"普通じゃありえない組み合わせだな"というのが第一印象。でもひと昔前だったらハイテク、あるいはトラディショナル一辺倒っていうのが主流だったのに対して、今はその垣根が無くなって、異なるテイストをあえてミックスさせる感覚がひとつのトレンドとして浸透している気がします。全身ヴィンテージやトラッドなアイテムだけでコーディネートするのではなくて、例えば薄手のマウンテンパーカの上にテーラードジャケットを合わせるとか、スーツにスニーカーを合わせる方が気持ちいいみたいな。今はそれがスタンダードになってきていると思うんですね。そういう意味でルナグランドは、トレンドの流れと合っているというか、むしろそのトレンドを先取りしていた気がします」
-異素材ミックスのスタイルが主流の中でルナグランドをどう合わせたらいいのか?
「ウィングチップやタッセルなど、アッパーは他のブランドでもよく見かけるベーシックなデザインが多いですが、ソール自体にメジャー感があるので、コーディネートのハズしとして使うのがいいんじゃないでしょうか。それさえベースにあれば、別にスタイルを選ばないというか。すでにこのソール=ルナグランドっていう認知度があるので、必ずしもスラックスを穿いたりジャケットを着る必要はないと思うんです。言って見ればルナグランド自体がスタイリングされた靴だから、服は無理に洒落感を出すよりもシンプルでいい。革靴というよりはスニーカーに近い感覚でルナグランドを捉える方が取り入れやすいと思いますよ」
-ルナグランドが発売してから約2年が経ちましたが......
「発売当初は、それこそ"今これいいよね"っていう、いわゆるファッションを生業とするトレンドに敏感な人たちが履いているイメージ。で、それを見た一般の人たちも"欲しい!"ってすごい食い付くんだけど、売っている場所が限られていたのか、あるいは数が少なかったのか、買えなかった人が結構いたんじゃないかなって思います。だから最初はファッション業界という狭い所で火が付いて、ひとつのアイコンみたいになっていたのが、今はモデルのバリエーションも増えている。でもそれが定番として浸透したということなのかなと思います。そう言う意味では、ルナグランドみたいなハイテクとローテクを組み合わせた靴って〈コールハーン〉が最初だったのかもしれないですね」
ベージュの"ルナグランド タッセル"に9分丈のチノ、トップスには慣れ親しんだスウェットを合わせたシンプルでカジュアルなスタイル。ルナグランドの存在感を活かしつつ素材感やシルエットで遊ぶ。簡単そうで難しい、経験が物を言う絶妙なバランス感覚は是非とも見習いたいところですね。
シューズ:ルナグランド タッセル ¥38,000+TAX
その他本人私物