ハレとソーイが提案する次のスタンダードとは?
2011.09.16

"いまの究極の東京スタンダード"への模索。〈ハレ(HARE)〉による「TOKYO STANDARD PROJECT」はさまざまなクリエーターやアーティストとコラボレーションを行う。今季、〈ソーイ(soe)〉をパートナーに迎え、新たな試み〈ザ スーベニアスタンド(the souvenir stand)〉を始動。そのコンセプチュアルな試みを追う。
掲載商品は9月20日より、〈ハレ〉の公式通販サイトでも購入可能です。
http://www.point.jp/hare/index.do
Photos_Aichi Hirano
Text_Keishi Iwata
今の東京の定番を作り続ける〈ハレ〉が次なるスタンダードを探す───。ある意味、パラドクス的とも取れるこの試みが、アーティストやクリエーターなど多くの才能を巻き込み拡大しつつある。遂にそのチャレンジングなプロジェクトが次のフェーズへ歩みを進める。「1LDK」を手掛けた南貴之氏をディレクターに向かえ、〈ソーイ〉とのコラボレーションレーベルが誕生。〈ザ スーベニアスタンド〉と名づけられ、その名の通り、"お土産"を喚起させるミニマムなコレクションが並ぶ。そこに込められたクリエイションについて、〈ソーイ〉のデザイナー、伊藤壮一郎さんに話を伺った。
「最初にこの話が出た際、東京のスタンダードについて改めて考えさせられました。普通であることの条件。考えていくと、それは素材がいいこと、一過性ではないデザインを持つものというところに行き着きました。たとえばニット。〈ハレ〉では扱うことのなかったカシミアをあえてチョイス。シャツの仕上げも、一度湯通ししてからノリを使って新品の状態へ戻していくという、非常に手間のかかるプロセスを採用しています。色数も"お土産"ということでシンプルに。ナショナルカラーとして数多くの国で用いられている、トリコロールがベースになっていますね」
シンプルかつニュートラルなのに、ユーモアを称えた哲学的な存在感。ありそうでなかった新しい普遍をじっくりと見ていこう。
2001年AWよりスタートした〈soe〉。2004年には東京コレクションにデビューを果たし、翌年にはフラッグシップショップが登場。ストリートからモードまで枠に捕われず、東京の今を切り取ったクリエイションを生み出す。
〈ザ スーベニアスタンド〉ではネームタグにそれぞれのコラボレートパートナーの名前がプリントされる。シンプルに徹した作りも見物。
鮮やかな発色が目を引く、ニットたち。すべてカシミアを用い、柔らかな着心地が魅力的だ。スタンダードなシルエットでいながら、サイドの部分にフラットシーマと呼ばれる特殊ミシンを用いる。本来はスウェットなど、タフなスポーツアイテムに用いられるこのディテールをあえて上質なニットで使用。ありそうでない発想が新しい形を生み出した。
カーディガン¥15,750
身頃から袖にかけ、特殊ミシンを使用。上品を旨とするカシミアニットではありえないこのディテールが独特の存在感を放つ。袖や裾のリブも7cmと、クラシカルな幅になっている。
胸元には〈ハレ〉の頭文字がワンポイントで入る。どのカラーでもネイビーに統一され、スーベニールらしいキッチュな印象に。10mm四方という非常に小さなサイズもちょうど良い。