そもそもABZORBとは? “中の人”に聞いてみた。

フイナム: そもそもABZORBってどういうテクノロジーなんですか?

小島:うーん、ざっくりはわかっていても、詳しく説明するのは難しいかも。そこで今日はスペシャルゲストをお招きしました。ニューバランスジャパンの嘉陽夏子さんです。

PROFILE

ニューバランスジャパン マーチャンダイザー。2015年入社。営業職を経て、2021年より現職。ライフスタイルカテゴリーの商品構成や別注企画を手がける。

嘉陽:こんにちは。ニューバランスジャパンの嘉陽です。ライフスタイルカテゴリーのマーチャンダイジングを担当しています。

小島:さっそくですが、ABZORBとは?

嘉陽:簡単に言えば、〈ニューバランス〉独自の衝撃吸収素材。1993年に登場して以来、ランニングシューズを中心に多くのモデルを支えてきました。

小島:機能面の特徴は?

嘉陽:着地の衝撃を効率的に吸収し、快適な履き心地を提供します。長時間のランニングや日常の歩行で“疲れにくさ”を実感できるテクノロジーです。

小島:ではABZORB SBSは?

嘉陽:ABZORBの改良版で、反発性と耐久性を強化しています。沈み込みすぎず、反発をしっかり返してくれるので「安定感」と「推進力」を両立します。

「ABZORB 2010」は、かかとにABZORB SBSを搭載

「ABZORB 2000」は、ABZORB SBSをフルレングスに搭載

小島:ABZORBやABZORB SBSといったテクノロジーを、ライフスタイルモデルに搭載する狙いはなんでしょう?

嘉陽:一番は「快適性」です。最新のランニングフォームほど軽量ではありませんが、そのぶん安定性と耐久性を兼ね備えています。つまり“信頼できるテクノロジー”。今回の2モデルにはABZORBとABZORB SBSを組み合わせ、クッション性と安定感のバランスを実現しています。

小島:たしかに。ぼく自身、「ABZORB 2010」や「ABZORB 2000」を実際に履いてみると、「疲れにくさ」を実感します。

フイナム:ちなみに、なぜモデル名に“ABZORB”を?


嘉陽:機能そのものに価値を見出す流れが高まっているからです。〈ニューバランス〉を象徴するクッショニングを前面に押し出すことで、その歴史と意義を明確にしました。ABZORBは単なる素材名ではなく、「快適性・耐久性・信頼感」を体現する存在なんです。

小島:なるほど。勉強になります。

フイナム:ところで〈ニューバランス〉は、このモデルに限らず、「アトモス」とさまざまな取り組みを続けていますよね。その狙いは?

嘉陽:「アトモス」さんは日本のスニーカーカルチャーを世界に発信する重要な存在。従来のファンとは違うストリート層にリーチできるのが大きい。クラフトマンシップとカルチャーの融合で、新しい価値が生まれています。

小島:ぼくらも常にチャレンジングであることを意識しています。ABZORBシリーズもその流れの中で広がっていくはずです。

フイナム:最後に、今後の展望を教えてください。

嘉陽:ABZORBは今後もシリーズとして拡張していきます。クラシックにも未来的にも展開できる柔軟さを持っていて、長期的にブランドの柱になるはずです。

小島:ABZORBシリーズは“ニュークラシック”としてシーンに定着してほしいですね。履き心地もデザインも、〈ニューバランス〉の新しい時代を象徴するモデルだと思いますから。