夜な夜な号泣してます。
ー今、趣味でも何でもいいのですが、「これに夢中になっている、この時間が楽しい」というものはありますか？
光石： 今は特別な趣味ってないんですよね。今日はセリフを覚えなくていい日だな、ってなると、部屋にお酒を持っていって、CDをかけて、雑誌やインターネットを眺めながら過ごす。膝に犬を乗せて。そういう時間がちょっとした楽しみですね。20年乗った古い車も、修理や維持が大変で手放したばかりなんです。その呪縛から解き放たれた、というのもあります（笑）
ーそれはずっと変わらない習慣ですか？
光石： はい、CDを聴きながらお酒を飲むのは前からやってました。唯一の楽しみですね。YouTubeで動画を観て泣いたりもしますよ。アリシア・キーズがタイムズスクエアで歌っている映像があって、あれを観ると号泣しちゃうんです。「うわーっ」ってなって、興奮して真夜中に友達に送ったり。でも全然反応がなくて（笑）
ー泣く時間というのは、ある意味デトックスなんですね。
光石： そうかもしれませんね。弱っている時に観ると特に泣いちゃう。最近だと高橋あずみさん。ニューヨークの地下鉄のコンコースで歌っていた映像に心打たれました。小柄な日本人女性がアポロシアターのアマチュアナイト出演前に歌っていて、だんだんひとが集まってきて…あれは泣きます。弱ってる時に観ると余計に泣ける。何かを掴もうと必死になってる姿に心揺さぶられるんです。
ーその姿に胸を打たれるんですね。
光石： そうなんです。僕、子供の頃は体も小さくて得意なものもなくて、ひとを笑わせることでしか認められなかったから、「すごすぎるひと」にはあまり共感しないんです。でも、背が低いのにNBAで頑張る選手とか、なでしこジャパンが大柄な欧米選手に向かっていく姿とかには胸を打たれる。まさにジャイアントキリング。そういうのに弱いんですよ。
