INTERVIEW オーセンティックでありながらモダン。そのバランスが秀逸。
PROFILE
            老舗古着店を経て独立し、2020年に原宿の路地裏に 「ピッツ」 をオープン。国や年代を横断する独自のセレクトと独特な空気感で、服好きたちを惹きつける存在となっている。
            
Instagram:@pittzz_tokyo
        
 
     
    たくさんの古着店がひしめく原宿。その中心地から少し外れた静かな場所にお店を構える「ピッツ」は、そうした立地もさることながら、店内にある古着のセレクトもまた独特の空気をまとい、個性を放っています。そうしたお店のバイヤーを務めるのが伊藤翼さんです。
「オープンは2020年なのですが、一般的な古着屋さんとはちょっと違った形でやりたいと思っていました。買い付けはアメリカとヨーロッパが中心なのですが、他のバイヤーさんが行かないような国や地域に足を運ぶようにしています。とくにヨーロッパはまだまだ日本になじみのないレギュラーものが多かったりするので、ぼく自身も探していて『こんなものがあるんだ』と驚いたりしていますね」
 
     
     
    一方でアメリカでは、オーセンティックなヴィンテージアイテムを買い付けることが多いとのこと。その中で〈ウールリッチ〉が創業したペンシルバニア州にも足を伸ばすことがあるのだとか。
「古着が好きになったきっかけのひとつとして、〈ウールリッチ〉をはじめとしたアウトドアブランドの影響も大きいんです。ここ最近はこうしたブランドのアイテムが古着の市場でも盛り上がってきています。そうしたこともあって、なかなかいいものを見つけるのが大変になっていますね」
 
    アメリカにはさまざまなアウトドアブランドが存在しますが、その中でも〈ウールリッチ〉にしかない魅力について、伊藤さんはどんなことを感じているのでしょうか。
「ディテールの話じゃないんです。どっちかというと、醸し出す雰囲気がぼくは好きですね。やっぱりアメリカの服だし、現地で光っている服ってあるんです。その辺を歩いているおじいさんだったり、ガソリンスタンドで給油しているおじさんが赤いバッファローチェックのシャツを着たりしていて、アンファッションなんだけど、なんだかすごくリアリティを感じて魅力的に見えてしまう。そうしたストーリーのようなものに惹かれますね」
 
     
     
    そんな伊藤さんですが、過去に敬意を払いつつも、現代的につくられた〈ウールリッチ アウトドアレーベル〉の服を見て、どんな印象を抱いたのか気になるところです。
「すごくモダンな印象を受けました。古着でコーディネートを組むときに、引き算をしながら現代的なアレンジをすることが多いんですが、〈ウールリッチ アウトドアレーベル〉は着るだけでモダンに仕上がるんです。シルエットや素材の使い方、色使いにこだわっているんだなと感じました」
 
    今回、スタイリングを組むに当たって伊藤さんがピックアップしたのは、デニムジャケットとパンツ、そして中綿入りのベスト。そうしたアイテムを着用する際、どんなことを意識したのでしょうか。
「すでに引き算されているものが多かったので、スタイリングを組むに当たって足し算を意識しました。それがヴィンテージとは違うところだなと感じたんです。ぼくは全身古着を着ると、どうしても “古着のひと” になっちゃうんですけど、〈ウールリッチ アウトドアレーベル〉を着ることによってそうはならない。でも、アメカジ好きなんだなっていうのが分かるというか。そのバランスがすごく秀逸だし、魅力的だなと思います」
 
     
   
                                                             
	        
 
                 
                 
                 
                 
                 
                 
        