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オメガの時計と、谷尻誠のシーサイドストーリー。
OMEGA : A SEASIDE STORY

オメガの時計と、谷尻誠のシーサイドストーリー。

建築家として、また起業家として、膨大なタスクを抱える谷尻誠さん。彼にとって腕時計は、単なる時刻を確認するツールではありません。そこには、一度手放したからこそ気づけた新しい価値や、建築家らしい哲学が宿っています。この日、趣味のバイクとともに海辺へとやってきた彼の手首には、〈オメガ(OMEGA)〉の新作「シーマスター プラネットオーシャン」が巻かれていました。愛用する時計のこと、仕事の流儀、自然から受ける刺激——、聞きたいことはたくさんありますが、まずは、海の話からはじめることにしましょう。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Movie_Yuma Yoshitsugu
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Muramatsu, Shinri Kobayashi

普通で素朴なことにこそ金脈がある。

10社以上の会社を経営し、建築家という枠に縛られず多角的なビジネスを展開する谷尻誠さん。そのスケジュールは文字通り “分刻み” です。多忙を極める彼が、なぜわざわざ時間を割いてまで海へと向かうのかといえば、趣味のサーフィンが真っ先に挙がります。

「最初は友人の大工に『つべこべ言わずはじめろ』とボードを渡されて、渋々はじめたんです(笑)」

そう話す谷尻さんですが、いまやサーフィンは欠かせない習慣だと言います。

「塩水に浸かっているだけで気持ちいい。波を待っている時間は、仕事やプライベートのモヤモヤが浄化されて、心が穏やかになるんです」

しかし、並の経営者と違うのはここからです。彼は海で心をリセットするだけでは終わりません。

「今年10月に友人とバリへサーフトリップに行ったんですが、あまりに楽しくて。じゃあ、もうバリでプロジェクトをつくっちゃおうと。そうすれば仕事でバリに来て、波乗りもできる。スノーボードも好きなんですが、雪山も同じことですね」

オンとオフを切り替えるのではなく、“遊び” のなかに “仕事” をつくり出し、混ぜ合わせる。それが谷尻さんのたどり着いたスタイルなのです。

「仕事も遊びも本気。遊び場にプロジェクトをつくって、徹底的に仕事をする。それがぼくにとって一番バランスがいいんです」

建築という “人工物” の極致に携わる谷尻さんにとって、正反対の存在である “自然” はどう映るのでしょうか。

「自然を見て、ぼくらは感動することが多いですよね。その原理を分析して、もし人工的な建築に用いることができれば、建築物にも感動することができそうだなと。気付いたのは、自然って大きさ…つまりスケール(寸法)が分からない。海や空が何平方メートルかなんて意識しない。つまり “スケールの欠如” が自然の本質だと思うんです。逆に、建築には必ずスケールがある。じゃあ、もし天井高を高くしたら、天井が高くなるにつれて暗がりになり、ブラックアウトしていく。そうしてスケール感を消失させることで、室内にいながら圧倒的な開放感を生む。あるいは、自然は移ろうけど建築は移ろうことがありません。でも、完成がゴールではなく、住みながら育てていけるような “余白” を建築に残すことができれば、自然のような移ろいをつくることができるんじゃないかとか。自然への感動を自分なりに左脳で分析して、建築に取り入れようとしています」

常識で頭がカチカチなこっちとしては、この話ははじめのうちは突飛にも聞こえますが、そのアイデアの背景や理由を丁寧にロジカルに説明してくれるので、深く納得させられます。そのユニークな発想は、どうやって生み出されているのでしょうか。

「ぼくのしていることは、特別なことに目を向けるのではなく、さっきお話したような『自然を美しいと感じるのはなぜか』という、みんなが普通に感じる素朴なことを深掘りしているんです。でも、現代の建築では、機能や利便性が求められがちなんですよね。機能だけを追求すれば、最新のものが常に一番になります。でも、機能が損なわれた瞬間に捨てられてしまう。一方で、毎年壊れる古いクルマに文句を言いながらも(笑)、修理しながら愛でるひとがいるじゃないですか。バイクもそうだし、時計や服などのファッションでも、機能はいまいちでも好きだから使っているものを、実は結構大事にしますよね。機能は欠落していても、そこには深い愛着があります」

家づくりに関して「三度建てないといい家はつくれない」という通説があるけど、谷尻さんが目指すのは一度目であっても愛着の持てる家です。

「結果として不便な家であろうと、愛着を持てたら、その家を一生大事にする気がするんです。夫婦やカップルの関係も同じで、相手が完璧で機能的だから愛するわけじゃないですよね(笑)。ダメなところがあっても愛着を持って接する。建築でもひととの関係性でも、そういうところを大事にしていきたいとぼくは思います。だから、ぼくはそのひとが何に興味を持ち、何に愛着を抱くのかを知りたいといつも思っているんです」

INFORMATION

オメガ

電話:0570-000087
オフィシャルサイト

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