PROFILE
映画監督。日本大学芸術学部卒業後、自主制作『SR
サイタマノラッパー』が数多くの映画賞に輝き、大きな注目を集める。これまでに日本アカデミー賞優秀主演男優を受賞した『22年目の告白-私が殺人犯です-』や地方都市の闇を描いたオリジナル作『ビジランテ』などを手がけ、SF作品としては、格差社会を描いた『太陽』や、生活インフラとしてのAI暴走をテーマにした『AI崩壊』などがある。緻密な構成力とインディーズスピリットを武器に、作家性の高いエンターテインメントを追求し続けている。
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PROFILE
デザイナー。専門学校在学中に〈ダイリク〉をスタートし、2026年の今年で9年目。これまでに数々のファッションアワードを受賞している。自身のルーツである映画を毎シーズンのテーマに掲げ、古着文化やユースカルチャーを現代的に再構築したストーリー性豊かな服づくりが多くのファンを生み出している。
instagram : @dairiku.jpeg
CINEMA
監督をクリストファー・ノーラン、脚本をクリストファー・ノーランとジョナサン・ノーランが務めるSF映画。滅びゆく地球から人類を救うために未知の宇宙へ旅立つ父と娘の絆を描いた物語。CGを極力使わないというノーランのこだわりと、科学的整合性も取れた壮大な映像描写が話題に。〈ハミルトン〉の “マーフウォッチ” が、物語上、重要な役割を担っている。
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通称 “マーフウォッチ”。映画『インターステラー』で父クーパーが娘マーフに手渡した腕時計を、ファンからの熱い要望に応えて販売した一本。ケース径42mmモデルの秒針には、マーフが方程式を解いた瞬間に叫んだ言葉「Eureka(分かった!)」がモールス信号でひっそりと刻まれている。ケース径38mmモデルも用意されている。¥139,700
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ノーランの映画が古びない理由。
―お二人はどんな映画を観て、育ってきたのでしょうか?
入江: ぼくは80〜90年代のハリウッド全盛期に育ったので、子供の頃に観た『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と『ターミネーター』が原点ですね。当時はSFという概念もなくて、ただ面白かった。でも映画の世界に飛び込もうと思ったときに、「そういえば子供の頃ってSF映画が多かったな」と気づいて。それがいまもSF好きに繋がっている気がします。
大陸: ぼくは父の影響で映画を観るようになったんですが、小学生の頃、レンタルビデオ屋で旧作5本1,000円みたいな時代に、父が4本借りて、1本が自分の枠でした。父が観てる映画も一緒に観るうちに、50〜60年代の映画が好きになりました。ちゃんと意識して観るようになったのは、服飾の専門学校に入ってからです。
―クリストファー・ノーラン監督作品との最初の出合いは?
入江: 『メメント』なんですが、最初はそこまでハマらなくて。一気にハマったのは『ダークナイト』から。ヒーロー映画の概念を覆してきて、「このひとは新しいSFをつくろうとしている」というのがようやく分かったんです。初期からずっと “時間” へのこだわりがあって、時系列を崩したり、『テネット』では時間が戻ったり。映画自体、そもそも時間が一方通行で流れるものじゃないですか。それに抗い続けているような、ある種の狂気を感じますよね。
大陸: ぼくは『インセプション』が最初で、学生のときにレンタルで小さいテレビで観てしまって…。小さい画面で観た自分を殴りたかったです(笑)。
入江: でも面白い映画って、小さい画面でも面白いんですよね。
入江: ノーラン作品で一番見直しているのが『インターステラー』なんです。ノーランって基本的に、文明とか人類という種みたいな大きなテーマを描くひとで、パーソナルな感情にはあまり興味がない印象があって。でも『インターステラー』だけはなぜか毎回泣ける。SFとしての面白さと、家族愛という感情が最後に完全に融合していて。「ノーランにこんなに泣かされていいのか」って(笑)。
大陸: めちゃくちゃ分かります。全ノーラン作品のなかで、一番家族愛が伝わる映画ですよね。ぼくは服をつくっているので、映画ごとのテーマの明確さもすごく気になって。『インターステラー』は〈カーハート〉のワークジャケットから宇宙服へのギャップが、地球と宇宙の対比としてファッション的にも面白い。以前、ノーラン映画をテーマにしたコレクションをつくったんですが、ノーランのSFって衣装に合理性があるんです。ただオシャレなだけじゃなく、「この世界だからこの服」という説得力がある。
入江: それ、すごく分かります。機能性というか、必然性がある。
大陸: ノーランの映画が古びないのも、CGに頼らないアナログな手法が多いからだと思っていて。CGが時代性を露わにするんですよね。『インターステラー』のトウモロコシ畑も、宇宙のシーンも、映画館で観たときに「本物だ」と思わせる力があった。
入江: ノーランはあまりCGを使わないというのは有名ですが、聞いて驚いたのが、物語のクライマックスで時計の秒針が揺れる演出を〈ハミルトン〉とともに制作したアナログの機械で撮っていたということ。100人監督がいたら99人はCGでやりますよ。「やってみよう」という姿勢が一貫しているんですよね。AIが進化して、ロケ地に行かなくてもグリーンバックで合成できる時代に、あえて現地に行く。例えば、イタリアと北欧では、そこで吹く風は違う。それを俳優が体で感じたとき、芝居に出るんです。だから、その「やってみよう」という精神は、これからますます重要になる気がします。