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山本いきなりで申し訳ないんですけど、ぶっちゃけた話からしますね。タイツって、ちょっと抵抗あるんですよ。穿いたときの見た目的にも、締め付けられて苦しそうっていう穿き心地のイメージ的にも。

榎本僕もまったくいっしょで、これまで敬遠してきたのが正直なところ。単純に、素足のほうが気持ちいいじゃん、って思うし。

村井わかります。最近はそういう方、少なくないんですよ。

山本特にトレイルランナーは敬遠しがちですよね。

榎本コアなトレイルランナーは、タイツが機能的だとわかっていても、あえてそういうものに頼らないことがかっこいい、と思っているフシがある気も。

村井おっしゃる通りです。実際、経験値が増えて脚力がついたランナー、またトレッカーにとって、コンプレッションタイツを穿かなくなる傾向はあるかもしれません。それは、タイツの機能と自分の身体をよく理解してのこと。私自身もトレイルラン歴8年ですが、ロングレース以外ではあまり着用しなくなりました。

山本へぇ、〈C3fit〉の開発担当者である村井さん自身も、走るときは常にタイツを穿いているわけではないんですか。

村井はい…。ただ、最近は“ノータイツ”のスタイルだけが先行して、本当ならタイツの機能に頼ったほうがベストコンディションに引き上げられるのに……と思える方がたくさん見受けられるようになったと感じています。それってもったいないと思うんです。

山本僕らのようなお気楽ランナーでも、タイツを穿いたほうがいいんですか？

村井おふたりは4月末にUTMFに出るんですよね？ 全然お気楽ランナーじゃない（笑）。

山本ま、そっか（笑）。

村井ともあれ、UTMFのようなロングレースでは、タイツも穿くことも検討してみてほしいと思います。

榎本タイツを穿くことで、どのようなメリットがあるんですか？

村井タイツにも様々な種類がありますが、全般的に言えることは、運動中の筋肉の振動を抑えることで、疲れにくくすることです。100kmを超えるロングレースでは、自分の身体だけでは太刀打ちできない状況が出てきます。そうなったとき、タイツを穿くことが、より長く、より遠くへ行かせてくれる手助けになってくれます。

山本村井さんもこれまで、100マイルのようなロングレースに出たとき、タイツを穿きましたか？

村井これまで出た100マイルレースではすべてタイツを穿きました。特に平均標高が高いUTMBでは身体の状態を整えるのにすごく役立ったと感じています。

榎本なるほど。頼れるものには頼っておきたいなぁ。僕たちにとって初めての100マイルとなるUTMF、楽しみだけど、不安も大きいので。

山本死んでも完走したいですもんね。

村井トレイルランナーがスタイルや精神性を大切にする気持ちはよくわかりますが、頭ごなしに否定するのではなく、タイツを穿くことで得られるベネフィットを知ったうえで、穿く穿かないを自由にチョイスしてもらいたいですね。

榎本スタイルで言うと、女性ランナーのあいだでは“タイツ一丁”のスタイルがすっかり浸透しましたよね。

山本たしかに、ほんとよく見かけるようになりました。

村井男性はまだまだ抵抗がある人が少なくないと思います。であれば、ロングパンツの下に穿くとか、ショートパンツとレイヤードするとか、穿きこなす方法はいろいろあります。それでもタイツを穿くことで得られるベネフィットは享受できます。

榎本ちなみに、ランニングを始めたばかりの初心者でも、タイツって穿いたほうがいいんでしょうか？

村井もちろんです！ 普段あまり運動していない初心者にこそ、タイツを穿いてもらいたいです。

山本ほう、そうなんですね。

村井たとえば、東京マラソンに当たって初めてフルマラソンに挑戦することになったとか、普段は運動していないけれど友達に誘われて富士山に登ることになったとか。そういった人にも、パフォーマンスを向上させる手段としてタイツの着用をおすすめしたいです。

榎本そういう人、結構多そう。

村井タイツって、怪我を未然に防いでくれる転ばぬ先の杖でもあり、自分を未知なる領域へ連れて行ってくれる優秀なギアでもありますから。

山本…というわけで、今日は春らしい爽やかな気候のなか、〈ザ・ノース・フェイス〉と〈C3fit〉のコラボレーションタイツを穿いて、陣馬から高尾まで30kmほど走ってみたわけですが。榎本さん、実際のところ、どうでした？

榎本お世辞抜きにめちゃくちゃ穿きやすかった。ハーフ丈のほうを試させてもらったけど、腰骨のあたりがしっかりサポートされている感じがありつつ、窮屈さは微塵もなくて。

山本僕はロング丈のほうを穿きましたが、たしかに窮屈さはまったく感じなかったですね。

榎本そしてなにより、普通の短パンだと裾のあたりがどうしてもバタついてしまうけど、タイツだとピッタリと太ももにフィットしてくれるので、足さばきがすごく軽快。これはアリだわ。

村井そうなんです。体型に関係なく、長距離を走ると内股の皮膚のスレが気になるという人が多いのですが、タイツだとそれが解消されます。本当に合理的なスポーツウェアなんです。

榎本しかも、ハーフ丈だと、タイツ一丁の恥ずかしさがだいぶ軽減されますね。これは新しい発見でした。

山本〈ザ・ノース・フェイス〉のオリジナルのカモフラージュ柄もすごくいいですね。そしてなんといっても、太ももの外側に配されたサイドポケット。これがめちゃくちゃ便利！

榎本このポケットは素晴らしいね。スマホがすっぽり収まるし、出し入れもしやすい。

山本レースではジェルとかちょっとしたゴミを入れるのにも重宝しそう。

榎本ロング丈のほうは、フロントにボタンとジッパーがついてるんだよね。

山本はい。ボタンとジッパーのおかげで、脱ぎ穿きしやすいし、トイレもスムースに済ませられるし、食事してお腹が膨れたときとかもすぐにゆるめられる。細かいところまで気が利いていますね。

村井気に入ってもらえてよかったです。おふたりにとって初の100マイルとなるUTMFでは、ぜひこのタイツを活用してみてください。完走できることを願ってます！

榎本はい、死んでも完走します！

山本いつもみたいに、前日に飲み過ぎないようにしないと、ですね（笑）。