オートモビルの歴史とともにある、凱旋門からスタート!
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凱旋門

凱旋門の前で記念撮影。絵になる、様になる場所、クルマなんです。
「ボンジュール!」石畳に映えるオレンジの「トゥインゴ」で、颯爽と現れたオレリアンさん。30歳になったばかりの若いパリジャンですが、すでに自身のレストランを持つ経営者です。
「今日はパリの右岸から左岸まで、僕のお気に入りアドレスを紹介します。ガイドブックに載っていないパリを是非見てください」
オレリアンさんが待ち合わせに選んだ凱旋門は、パリのランドマークであると同時に、オートモビルの歴史とゆかりが深い場所なのだそう。
「車がまだ一部の特権階級のものだった時代、車で凱旋門を下ってシャンゼリゼ大通りを行き来することはステイタスシンボルでした。凱旋門を下りきったところにあるコンコルド広場には、1895年創立の会員制サークル『オートモビルクラブ』が今も存在するんですよ」


車線のないロータリーをぐるぐると走る車たち。日本ではほぼ見られない光景ではないでしょうか。
凱旋門からオペラ座エリアを抜け、目指すはサンマルタン運河。オレンジの「トゥインゴ」が駆け抜けるパリの街並みは、19世紀の「パリ改造」の傑作です。1850年代、時のセーヌ県知事ジョルジュ・オスマンが、細い路地と低層階の建物からなる中世のパリを一掃し、現代の私たちが見る大通りと、石の建築を完成させました。

石畳の道と、石造りのオスマニアン建築。
ブルーグレーのパリの街には、鮮やかなオレンジの「トゥインゴ」がよく似合います。
「白い石造りの壁と、凝った鉄細工のバルコニーのあるこの建築は、オスマニアンスタイルと呼ばれるもの。パリジャンは、このオスマニアンスタイルが大好きなんです! 70年代、政治家たちが都市の近代化を図った時期もありましたが、パリジャンはこぞってスクラップアンドビルドに反対し、今でも19世紀の街並みを守っています」
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アルタザール・ブックストア

鮮やかな赤で彩られた外観。これが変に浮かないのはパリの街並みならでは。
「さあ、着きました!」真っ赤な店の前に車を停めたオレリアンさん。ここはブックショップ「アルタザール」です。
「ここサンマルタン運河周辺には、独特のコミュニティーがあるんです。いい意味で村的というのかな、住人たちはリラックスしたご近所付き合いをするんですよ」
そんな彼らを、ブルジョワ・ボエム通称「ボボ」と呼ぶようになって、かれこれ10年になるでしょうか。教育と収入が高い点では従来のブルジョワと共通でも、ボボたちはお金に執着せず、自由なライフスタイルを好みます。
ボボたちが暮らすサンマルタン運河エリアの、中心的存在がここ「アルタザール」です。本やグッズの品揃えが面白いのはもちろん、アーティストを招いてのサイン会など、イベントが多いのも魅力です。

店内に入るなり、熱心に本をめくるオレリアンさん。アートから文学まで様々な本がラインナップされています。
アートの本、写真集、料理本…オブジェとして置いておくだけでも十分に美しく、ページをめくれば何時間でも見入ってしまう、そんな本に出会える「アルタザール」。
「本だけでなく、扱う本のテーマにちなんだ関連商品も面白い品揃えなので、いつ訪れても楽しい! パリを旅行する際は是非のぞいてみてください。今、パリジャンが何に関心を持っているのか、ここにいるだけで理解できると思いますよ」


日本の本を発見! プレゼントに本を選ぶことが多いフランス人にとって、美しい本を扱う本屋さんの存在は重要なのです。
SHOP INFO
アルタザール
83 Quai de Valmy 75010 Paris