自分だけのタトゥーのスタイルを磨き続ける。
Sarah Lu
イギリスのブリクストンでタトゥースタジオを構えるサラ・ルーは、タトゥーを手彫りで施す世界的なアーティスト。マシーンを使うことが一般的な中で、彼女はあえて伝統的な手法に立ち返り、タトゥー本来の意味を重視したアートを表現しています。サラはもともとベトナム出身で、難民として生きてきたといいます。かつて15年間ほどグラフィックデザインの仕事に従事し、その後2年間、バックパッカーとして旅をしました。そのときにタトゥーの技術を学び、自身のスタイルを確立。そんなサラには「ネガティブなことは昨日より良い私になるための原動力」という考えがあります。失敗したとしても屈しない、強い気持ちがサラを支えているのかもしれません。
ジェンダーや宗教観に捉われない自由な表現者。
Nakhane Touré
ナカネ・トゥーレは、1988年南アフリカ生まれ。シンガーソングライター、俳優、小説家とマルチに活動しています。幼い頃、クリスチャンとして育てられた彼は同性愛者で、少年時代は特に自分のセクシャリティや宗教観によって苦しめられた過去を持っています。2017年に公開された映画『THE WOUND』では、そうした自伝的な内容が描かれ、多くの熾烈な圧力によって苦境に立たされた姿を垣間見ることができます。公開当初は南アフリカ当局に検閲され、現在もナネカが出演する作品はマークされているほど。そんな彼がキャンペーンを通じて発信したのは「自分を信じることなくしては何もできない」ということ。人とは違う自分の個性をクリエイティビティに昇華したナカネならではのメッセージが込められています。
不屈の精神で活動し続けるミュージシャン。
Blaine Harrison
ブレイン・ハリソンはUKロックバンド、ミステリー・ジェッツのボーカリストであり、イギリスを代表するミュージシャンでもあります。彼は先天的に脊椎骨が形成不全な二分脊椎症という病気を患っています。そんなハンディキャップを背負いながらも、ステージに立ってライブを行い、人々を魅了する音楽を続けています。バンドでの表現はもちろん、彼の姿勢にシンパシーを覚えるリスナーは世界中にいて、いまもミュージックラバーを沸かせています。「自分のような境遇の人々にとっては実際に存在するバリア(障壁) と心のバリアがある」とキャンペーンで発信していますが、今回のショートムービーの中でその言葉を体現するようなシーンを見ることができます。不屈の精神を持ったアーティストのタフネスが、まさに表現されているのではないでしょうか。
世界の未来を問うロンドン発ポッドキャスト集団。
[SISTEREN]
ミシェル・ティボ、DJティボ、バビリー・ブルキワ、この3人の黒人女性からなるポッドキャスト集団「シスレン」。活動をスタートさせたのは2015年のこと。彼女たちは新世代の女性の代弁者としてメッセージを発信し、同時に自分たちの活動に賛同する人をサポートしています。内容は現代における女性環境を取り巻く社会問題の数々。ポッドキャストという形態で活動しているのはリアルな声を届けたいから。メインストリームにあるメディアに真っ向から立ち向かう形で問題提起を行なっています。今回つくられたショートムービーでは、この活動を「たとえ後退することがあったとしてもそれは自分たちが成長するチャンスだった」と、観る人に勇気を与えるような言葉を投げています。そこには黒人であり女性として、社会に真実の声を届けようとする3人のアティチュードを感じさせます。
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