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LIVING WELL Vol.1 旅するように暮らす。山本海人に学ぶ、二拠点生活のススメ。
MONTHLY JOURNAL JAN.2021

LIVING WELL Vol.1
旅するように暮らす。
山本海人に学ぶ、二拠点生活のススメ。

コロナをきっかけに、さまざまな価値や生活が変化していくなかで、これまでの暮らしぶりを見つめ直しているひとも多いはず。ぼくらは今後、どこで、どうやって生きていくのかを真剣に考えなくてはいけないタイミングなのかもしれません。そんな生き方のヒントを求めて、遊びの達人であり、豊富なビジネスアイデアを次々と実現してきた、〈サノバチーズ(SON OF THE CHEESE)〉山本海人さんの神奈川県・真鶴の住まいを訪ねました。以前はトレーラーハウスを住処とし、これまでに数多くの引越しを重ね、2年前から真鶴と東京で二拠点生活を送っている海人さん。贅沢を尽くした豪奢な家とは一線を画したその豊かな暮らしぶりに、感じるものは少なくないかと思います。

  • Photo_Takeshi Kimura
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Soma Takeda, Keisuke Kimura

東京での飲みは、深夜0時まで。あとはムダ!?

ー 東京の家のしつらえはどんな感じですか?

(真鶴からすぐ近くの)熱海に飲みに行くと、タクシーで帰る代わりに好きなホテルに泊まるんですけど、その旅館の雰囲気になぜか引っ張られて(笑)。籐の家具なんかが置いてある和の雰囲気になってます。

ー 東京での暮らしぶりはどうですか?

東京は朝起きたときに、散歩するくらいしかやることがないんですよね。知っているスタイリストが、その辺をよく散歩しているのを見かけるだけ(笑)。仕事以外は、なんで真鶴で釣れなかったのかを検証したり、英語や船の免許の勉強をして、あとはジムですね。

ー 最近の東京での仕事は、どんなことをやられてますか?

歌舞伎町にストリップ場をオープンしました。熱海で会ったストリップ嬢もそこに来てもらったりしていて。チップのシステムも独特で、カラオケが上手い子はチップがたくさんもらえるし、エンタメの業界人も連れて行ったりするんで、(数多くのアーティストやタレントを輩出したテレビ番組の)『ASAYAN』のように、才能ある子はスカウトされるような仕組みになっています。

ー SNSで有名になる時代において、流れに逆行するようなアナログな仕掛けですね。

Instagramに載る前の入り口の入り口ですね。みんなの衣装は、売り上げが落ちまくっている古着屋のものを使っていたりしていて。困っているひとや店と協力するこのシステムは、我ながらよくできているなと思いますね。

ー 東京だと夜は飲んで遊んだりもしますか?

そうですね。でも同じメンツとばかり飲んでいてもつまらないんで、店をポンポン変えるんですけど、店を変えるごとに一緒に飲むひとが増えていく。最後は、カラオケでセッションする店に行ったりとか。でも最近気付いたのは、夕方から飲み始めて、0時過ぎると周りにまともな人間がいなくなるんですよ(笑)。

潮の満ち引きを示すタイドグラフをチェックして、ベストな釣りの時間を探るのが日課。

ー それは、ある意味真実かもしれないですね(笑)。真鶴でも飲みに行くんですか?

飲みに行くのは、友達がいるときだけですね。真鶴では、釣りと温泉以外だと、「Apex Legends」というオンラインゲームをやってます。釣りして最高の景色を見ながらコーヒーを淹れて、パンを食べたり、お昼に1~2時間寝たりもします。釣り中心の生活なんで、ひとと釣りの情報交換したり、アプリで干満の時間とか釣りにまつわることをチェックしてることが多くて。20時に温泉入ったあとは、家に帰ってきて明日の釣りに備えて寝るっていう生活です。

ー とてもゆったりしてますね。

釣りの合間にiPhoneでメールチェックもしたりするけど、ぼくの場合クライアントがいないから、それほどでもなくて。頭のどこかしらで仕事のことは常に考えてますけど、ちゃんとした仕事の時間ってことでは、東京にいる月曜から木曜がそれです。

温かみがありながら、どこか異国情緒を感じさせる空間。

ー 友達のなかには、真鶴の生活を羨ましがるひとはいますか?

どちらかというと、変に東京にこだわっているひとの方が多いのかなと。まあ、ここだと仕事でもゼロイチにしなくちゃいけないので、100%こっちに来るにはまだ早いかもしれない。ぼくの場合は、すでにあるところに入っていくより自分でつくっていくほうが楽しいし、欲しいものはつくってしまえばいいっていう考えなんですけど。

真鶴きっかけで移住を考えるひともいるけど、移住先が真鶴じゃなくて、なぜか長野とか千葉なんてひとたちもいます。なんで素直に真鶴じゃないの(笑)? ぼくらの世代は個人で動きたがるひとが多いみたいで、それは勿体無いなと。

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