PROFILE
1973年生まれ。大阪府出身。1998年にオーストラリアで開催されたバルンガディジュリドゥコンペティションにて準優勝。ノンアボリジナル奏者として初受賞という快挙を果たす。海外にも活動の幅を拡げ勢いに乗っていた2009年交通事故に遭い外傷性脳損傷と診断され、高次脳機能障害の症状が後遺し活動を休止。その二日後、突然緻密な点描画を描きはじめる。脳損傷の後遺症により過敏に受取るひかりの世界をプリミィティブかつ驚きの色彩感覚で捉えた絵は、新たな魅力として熱く支持される。2011年再起不能と言われた事故から苦難を乗り越え音楽活動を再開。2012年GOMAを主人公とする映画『フラッシュバックメモリーズ3D』が東京国際映画祭にて観客賞を受賞。現在もディジュリドゥ奏者、画家としてのみならず、講演会など多岐に渡り活動中。
点を打つか、棒を吹くか。



ー 今日はかなり久しぶりのフェスでしたよね?
去年の秋に自分たちが主催したフェス以来ですね。久しぶりで、音楽ってやっぱりいいなと。音楽を奏でている時だけの一体感というものがあって、クルーやお客さん含めたヴァイブスがいいんですよね。外ならではの音が広がっていくあの感覚……最高でした。
ー 今日は、お客さんはそれぞれ距離を保ち、椅子もあって激しくは踊れないという状態でしたね。演者側としてはどう感じましたか?
やはり違和感はありますよね。これまでは出て行ったら、歓声で迎えてくれていたけど、いまではシーンとしているわけですから。そこはまだ慣れてないですね。でも、よく見るとみんな肩や体のどこかしらが揺れているのがわかって、うれしかったですね。


ー コロナによって、ライブもままならない状況です。GOMAさんは普段はどんな生活を送られているんですか?
絵を描くか、ディジュリドゥを吹くか。つまり点を打つか、棒を吹いているかのどっちか(笑)。これまで通りであれば、この時期はフェスやライブが多いんですが、コロナによって直前でキャンセルになったり、無観客になったり。外で芸術を感じるという、この気持ち良さは改めて素晴らしいです。
ー 日々、制作されているんですね。
制作の時間が圧倒的に増えましたね。6月から恵比寿で絵の個展もやりますし、作りたい欲求は、ずっとあって、(事故後に)意識を取り戻してからずっと描いています。ディジュリドゥも20~30年の間ライフワークとしてやっているから、体に染み込んでいる。やらないとおかしくなるくらいのサイクルになっているんです。だから、点を打つか、棒を吹くかのどちらかですよね(笑)。コロナが起きて、そういうことをどう社会に役立てられるかが課題だなと。作品をどうエネルギーにするか、見てくれた人が元気になるような作品を作りたいですね。


ー 今回の取材スタッフは、フェスには長年来ていて、それこそGOMAさんと観客のエネルギーの交換は、見ていて気持ちいいなと常々感じていました。改めて、コロナによりフェスやライブができないという状況について、考えたことはありますか?
コロナの前は毎週末のようにライブをやっていたんですが、でもその当たり前がいかにありがたいことだったかに気づきましたね。ライフサイクルにもすごい影響が出たし、ライブもこういう取材や撮影も一つひとつ感謝しなきゃなと思いました。
- 1
- 2