PROFILE

日本人の父とジャマイカ人の母を持つ京都生まれのMC。2012年からロンドン芸術大学にてインタラクティブ・アートを学び、2017年にイギリスから帰国してまもなく「Jazzy Sport」に所属。2019年には1stアルバムの『Andless』をリリースし、業界内外で大きな注目を浴びる。その後も「リポビタンD」のテレビCMや、Netflixキャンペーンへの参加やEP作品の『Elephant In My Room』を制作するなど、精力的な活動を行う。今年6月には、最新作となる2ndアルバム『WHITE CUBE』を発表し、現在そのリリースパーティを兼ねたワンマンツアーを決行中。
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トラックメーカー、MPCプレイヤー。大学在学中から音楽制作を行い、2016年に1stアルバム『Pushin’』を制作し、ロングセールスを記録。2018年には、国内外のアーティストをゲストに迎えて制作した2ndアルバム『Eutopia』を、2020年には最新作となるミニアルバム『Contrast』をリリースし、バンドセットでの単独公演も成功させた。そして今年、関西テレビ系列の連続ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の主題歌プロデュースを手掛け、大きな話題に。来たる9月には、待望の単独公演を控える。
Daichiくんのラップが凄くカッコ良かったから、一緒に曲をつくってみたいって想いのほうが強かった。(STUTS)

ー これまでさまざまな楽曲で共演されてきたお二人ですが、そもそもの出会いはいつ頃だったのでしょうか?
Daichi Yamamoto: たしかロンドンの留学を終えて、京都に帰国してきた2017年頃だったと思います。当時一緒に楽曲の制作をしていたJさん(Fla$hbacksのメンバーとしても知られるラッパー/ビートメイカーのJJJ)と居たんですけど、「STUTSくんっていうアーティストを呼んでもいい?」って言われて、紹介してもらったんですよね。
STUTS: そうだね。Jくんから電話をもらって、「いまDaichiくんといるけど、来ない?」って電話で誘われて、行ったのを覚えています。それまでYouTubeなどでDaichiくんの楽曲は聴いていたので、一方的には知っていたんですけど、会ったのはそのときが初めてだったよね。
Daichi Yamamoto: 実はそのとき、ぼくもJさんともお会いするのは二度目くらいだったんですけど、STUTSさんとの出会いにしても、思い返すといろんな節目にJさんの影響があるんですよね。Jさんと最初に制作した『She』はまだロンドンに居たときだったので、遠隔でやりとりしていて。しかも当時、ぼくはまだ名もなき学生だったのにも関わらず、Jさんに一方的にビートを送ったら返事をくれて、一緒に曲をつくることになったんです。
STUTS: Jくんとぼくは、自分が2008年に上京した時からの同い年の友達で。だから3人で会ったときはいろんな話ができたよね。
ー そこから最初の共演曲である『Breeze』に繋がっていったのですか?
STUTS: 後日、家にDaichiくんが遊びに来たときに、ぼくのアーカイブトラックを色々聴いてもらって、そこで一緒にやれたらいいねって話をしたんですよね。
Daichi Yamamoto: どれも良かったんですけど、一度何曲か家に持ち帰らせてもらって。聴き込みながら、その中で特にいいなって思った曲にラップを入れてSTUTSさんに送り返したりしながら、本格的に制作が始まった感じですね。ぼくもファーストアルバムの『Andless』に向けた制作を行っている最中だったので、いい刺激を沢山もらえたのを覚えています。
ー その当時の互いの印象はいかがでしたか?
Daichi Yamamoto: それまでは優しい人柄のイメージを持っていたんですけど、いざ制作を一緒にしてみると、音楽に関してははっきりと意見を言ってくれるし、妥協を一切しないひとだなって感じましたね。ただ事前にそうしたやり取りをする前に、ぼくのラップとかに対して「意見を言っても大丈夫か?」って確認をしてくれたんですよね。当然、「是非、言ってください」って返したんですけど、そうした配慮ができるひとなんやなって。
STUTS: 『Breeze』のときは、一緒に曲をやるのが初めてだったこともあって、結構やり取りを重ねながらつくらせてもらってました。アルバムに向けてという感じではなくて、単純にDaichiくんのラップが凄くカッコ良かったから、一緒に曲をつくってみたいって想いのほうが強かったんですよね。それこそ『ワカモレ(Daichi Yamamotoがデビュー前の2016年頃にSoundCloud上で発表していた初期楽曲))』の頃から知ってて。Daichiくんのラップはもちろん、コーラスとかのボーカルもすごく魅力的で、いままでにあまりいないタイプのラッパーだったので、とても素敵だなと思ってました。
ー それから2年後のSTUTSさんのミニアルバム『Contrast』内の『Mirrors』でもDaichiくんは客演をされていますが、他にも韓国のシンガーソングライターのSUMINさんやラッパーの鎮座DOPENESSさんも招いた一曲となっていますよね。このときは、制作面などで前作との違いなどはありましたか?
STUTS: この曲は、完全にリモートでの制作だったんですよね。結局、最終的なレコーディングまでみんなで会う機会はなかったんです。
Daichi Yamamoto: 初めてLINEのビデオ通話を使って、みんなと打ち合わせをしたのを覚えてます。
STUTS: そうだったね。実はこの曲のビートが出来たときに、真っ先に思い浮かんだのがDaichiくんだったんです。それからフックで女性ボーカルを入れるか、ラッパーの方もう一人に声をかけてラップ主体の曲にしようか迷っていて。それで悩んだ挙句、鎮さんにラップで入ってもらうことになって、そこから3人で色々とディスカッションをしながら曲をつくっていました。ただ、そのなかでやっぱり女性のボーカルを1人入れようとなって、SUMINさんにご依頼したんです。
