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グッドセンスな時代を見据える、ボホノマドとニューノーマルの体現者。
THINK about the FUTURE.

グッドセンスな時代を見据える、
ボホノマドとニューノーマルの体現者。

ポール・ホーケンの著書にもある通り、環境配慮はすべての人にとって急務な課題であると同時に、それら多くの社会問題に対して意識的になることはグッドセンスなことでもある。そうしたメッセージをファッションが持つ特有のエネルギーと共に発信しているのが、トルコ発のサンダルブランド〈ボホノマド(BOHONOMAD)〉。難解に思われがちなその一歩を、ニューノーマルな時代の体現者でもある2人の識者の日常を覗いてみることで、軽やかに踏み出してみよう。

CASE 2

PROFILE

脇田あすか
アートディレクター

1993年生まれ、愛知県出身。東京藝術大学デザイン科大学院を卒業後、デザイン事務所「コズフィッシュ」に所属。アートディレクター・グラフィックデザイナーとして「PARCO」の広告、雑誌『装苑』のデザイン、『ドラえもん』の50周年ポスターなど数々のクライアントワークに携わる。個人でもアートブックなどの作品の制作・発表し、2019年には自身の作品集『HAPPENING』を出版。昨年に独立し、衣食住にまつわるあらゆる文化に関わり、豊かな生活を送ることをモットーに活動中。

前職で培った自由な創作意欲を貫くことの大切さ。

国内外を問わず著名なアートディレクターたちが手掛けてきた、街中に溢れるさまざまな広告作品。そのなかで「パルコ(PARCO)」など、感度の高い人々からも支持される企業やブランドの広告作品を手掛けたことで話題となったのが、20代にして人気アートディレクターとして活躍する脇田あすかさんだ。

東京藝術大学のデザイン科を経て大学院へと進んだ彼女は、在学中から意欲的に作品制作に取り組み、卒業後はブックデザイナーの祖父江慎氏が主宰するデザイン事務所「コズフィッシュ」に入社。自由を尊重する職場としても知られる同社にて、その才能を早々と開花させ、これまでに数多くの時代に共感される作品を世に送り出してきた。

一躍、人気アートディレクターの仲間入りを果たした脇田さんにとって、ターニングポイントとなった仕事はなんだったのか。前職時代の思い出について振り返ってもらった。

「入社してすぐは、デザイナーとして他の社員と同じように展覧会の宣伝物やグッズ、書籍などのブックデザインに関わる仕事をしていたんですけど、半年ほど経った頃にパルコの方からアートディレクションをお願いしたいとご指名をいただいて。それをきっかけに社員でありながら、アートディレクターとしてさまざまなお仕事に携わる機会が増えたんです。それまでは社員がアートディレクターを担うという前例がなかったらしく、会社にとっても、自分にとっても大きな転換期だったのかなと」

それまで無名であった彼女の存在を多くの人に知らしめ、大抜擢となった経験にも謙遜する脇田さん。

「当時の『パルコ』は私と同世代の経験の浅いアートディレクターを積極的に起用していて、若手デザイナーにチャンスを与えていた時期だったというのもあると思います。ただ、いまの私の仕事の向き合い方は祖父江さん(コズフィッシュ代表)の教えによるところが大きいんです。

いざアートディレクターという立場で案件を手掛けることになっても、口出しはせずに優しく見守ってくださり、クライアントワークといえど自分のやりたい表現についても寛容的で、その姿勢に対しても後押しもしてくれました。そうしたクリエイションに対して尊重してくれる職場環境こそ、いまなお私の指針となっているんだと思います」

そしてもうひとつ、彼女が時代に求められているデザインを発信できている理由があった。それは学生時代から続ける極私的な作品制作だ。

「2019年に作品集の『HAPPENING』を発行したのですが、実はそのベースとなったのは、大学の卒業制作の作品なんです。当時、まず初めにつくった本を先生に見せたところ、凝りすぎ! やりすぎ! と言われてしまい、改めてまるっとつくり直した10冊を、卒業制作展で発表しました。このときの展示が評価されて賞をいただいたり、今の仕事に繋がったりと、個人的にもとても思い入れがある作品になりました。

ただ作品は全て手作業だったので10冊しかつくれず、すぐに売り切れてしったんです。なので、数年後に『STAIRS PRESS』さんから、もっと多くの人が手にとれる本にしませんか? と声をかけていただけた時は、とても嬉しかったです。学生のころからいまも、大切にしたいものや根幹は変わっていないなぁと改めて感じますね」

オフィスをシェアしているアート作品のオンラインショップを運営する「IBE」と共同で制作した、ウクライナのための反戦チャリティー作品。50部限定で販売され、現在は完売。

左は学生時代の卒業制作のために制作した作品で、のちの『HAPPENING』のベースともなったダミーブック。右は脇田さんが初めて制作したアートブックの『FIX MY EYES』。どちらも現在の脇田さんの作風の源流が感じられ、原点と言える作品集だ。

そんな脇田さんには、ファッションにまつわる雑誌や、ブランドからのオファーも多い。ファッションへの関心も当然高い。

「事務所で仕事をする時は基本的にTシャツなどラフなアイテムを着ることが多いのですが、普段の洋服は見た目の可愛さやデザイン性だけでなく、動きやすさや洗いやすさ、シワになりにくいかなどの利便性をわりと気にしています。ただ気に入ってしまったら、そうでない場合もあったりはして。友人とギャラリーを訪れたり、雑貨屋さんをブラブラと巡ったりすることが多い休日などには、普段なかなか陽の目を浴びない、お気に入りの服を着て出かけています」

最後に、脇田さんにも着用いただいた〈ボホノマド〉のサンダル。ブランドが掲げるコンセプトにある通り、豊かな未来や身近な生活に寄り添うアイテムだけに、脇田さんの見据えるこれからの展望ともリンクするのだという。

「デザインがとても可愛らしいですね。事務所で室内用のスリッパを履いている私にとっては、職場でも愛用できるひと品だなと思いました。あと靴下と合わせるのも楽しいです。そしてブランドとしては、女性を積極的に雇用している姿勢やSDGsに根ざした生産背景やものを作る過程も透明性が高い点は、とても共感できますし、安心して自信を持って履けますね。

なにより私自身、これまで広告や展覧会などに関連するお仕事が多かったのですが、それらは一定の期間を過ぎると世の中からはなくなってしまうものがほとんど。なので最近は、もっと手元に残りやすい作品をつくっていきたいと考えるようになりました。より身近で生活に根ざした文化や、未来につながる仕事をしていきたいと思っているんです。そうした考え方とも〈ボホノマド〉は共鳴できる部分が多いので好感が持てますね」

BODRUM ¥9,900 「HAWAII」と双璧をなす、〈ボホノマド〉の定番ロープサンダル。同じくフルヴィーガン対応で、洗濯も可能。ソックスの上からでも着用できる足全体をしっかりと包み込むデザインは、より安定した履き心地を楽しめる。

INFORMATION

Quorinest

電話:03-6273-3536
インスタグラム

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