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ディレクター吉川基希と共に編む、 BEAMSの解体新書。 第2章「四千頭身 都築拓紀と、世代間のファッションについて」
STRATEGY OF BEAMS

ディレクター吉川基希と共に編む、 BEAMSの解体新書。 第2章「四千頭身 都築拓紀と、世代間のファッションについて」

「URBAN ACTIVITY LABO」というシーズンテーマを設ける2022年秋冬の「ビームス(BEAMS)」。“都会的な活動をするための架空の研究所” から生まれたウェアの数々をどのように攻略していけばいいのか? メンズカジュアル部門のディレクターを務める吉川基希さんと一緒に、その方法を探ります。
今回はお笑い界のファッションモンスター、四千頭身の都築拓紀さんが「ビームス」の10月アイテムをセルフスタイリング。年の差約20歳の両者による、それぞれのファッション観を語り合ってもらいます。

  • Photo_Ryosuke Hoshina
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Yuri Sudo

ファッションを楽しんでスタイリングしているのが伝わってくる。

ー「ビームス」で買い物をしたことはありますか?

都築: もちろん、ちょくちょく行かせてもらってます。いろんな服が幅広く置いてあるので。

吉川: ありがとうございます!

都築: ぼくらファストファッションが入り口だったから、その次にステップアップするときに行くのが「ビームス」なんです。ちょっと背伸びしていい服を買う、みたいな。高校で「ビームス」の服を持っていると、「いいの持ってんじゃん」って言われて(笑)

吉川: すごくうれしいです。ぼくらはメンズカジュアルの中でもど真ん中にカジュアルなレーベルで、ここ5年くらいはストリート感が強めではあったんですけど、いまはオーセンティックな感じに戻したりと、時代によってすごく変化していますね。

ー今季は「URBAN ACTIVITY LABO」というシーズンテーマを設けているんですよね。

吉川: そうですね。中心の軸にはアメカジがあって、それがシーズンによってスポーティになったりフォーマルに寄せたりしているんですが、今季はよりアメカジ色が強めで、そこにアウトドアのエッセンスを取り入れてますね。〈パタゴニア〉とか〈ザ・ノース・フェイス〉が70年代に生まれて、90年代にデザインや機能が進歩した頃のムードを参考にしたりとか。

都築: なんとなく、そういうムードは感じましたね。

BEAMS OCTOBER LOOK
詳細は こちらから

〈ワイルドシングス × ビームス〉ブルゾン ¥33,000

吉川: この〈ワイルドシングス〉のジャケットも90年代後半に「ビームス」で爆発的に売れたんですよ。リバーシブルで着られて、スタッフは絶対に1着持っているくらいのアイテムで。ぼくはまだ「ビームス」にはいなかったんですけど、当時それを買いましたね。それをいまっぽいサイジングでまた提案しているんです。スエットのセットアップと一緒にスタイリングしたりして。

都築: このスエットのセットアップはいい意味で部屋着っぽさがあっていいですね。

吉川: だけど外にも着ていけるようなサイジングに調整してますね。

ー今回は2つのアイテムを使って都築さんにスタイリングを組んでもらいました。それぞれのコーディネートの解説をお願いします。

ITEM1. カーコート

柔らかなシープレザーで仕立てたカーコート。50~60’sの古き良きアメリカを思わせるクラシックなディテールを取り入れながらも、着丈を短くして普段使いしやすいようにアレンジ。程よいボリューム感でコーディネートにしっかりと主張を加えてくれる。エイジング加工により、すこしだけ着古したようなデザインになっているのもうれしいポイント。

〈ビームス〉カー コーチ ジャケット ¥49,500

都築: 最初にこのカーコートのスタイリングが思い浮かびました。レザーを使っていて、エイジングの加工もしてあるところがいいですよね。これは奇をてらわずにサラッと着こなしたいなと思って、メッシュのTシャツとチェックシャツ、ボトムはジャージを合わせました。コンビニやスーパーへ行くときにサッと羽織るみたいな感覚ですね。あとは90年代のアメリカっぽさも感じたので、当時の空気感を取り入れるようにちょっと襟を立てて細かなところで遊んでみたり。

吉川: ぼくらが組むともうすこし男臭いスタイリングになりがちなんですけど、ジャージを合わせてレザーのハードな印象を適度に抜いているところがいいなぁと思いましたね。男らしさと抜け感がバランスよくミックスされているなぁと。

都築: そうですね。男らしいスタイリングも考えたんですよ。デニムを合わせようかなって。

吉川: だけどジャージを合わせているところがユニークですよね。いまこういうトラックパンツがすごく人気ですし。

都築: 写真でカーコートを見たときにもっと着丈が長いと思ったんですけど、実物をみたら腰くらいの長さだったので、あえてジャージで抜こうかなと。上はキッチリして、ボトムはリラックスみたいな感じで。それにジャージってシルエットがすっきりしているから、縦のラインが際立つなと思って。.

ーこのカーコートの加工もやりすぎてなくて程よいですね。

吉川: そこは気を使いましたね。ちょっと着古した感じで、すぐにワードローブの服となじむように。

都築: 青と茶色のチェックシャツで、レザーの焦げ茶っぽい色とマッチするかなと思って色を合わせたのと、柄をアクセントにしてますね。あと、レザーが柔らかくてシルエットの収まりもいいんですよ。

吉川: シープレザーで柔らかいので、着るひとの体型になじむようにそこも計算してます。

ーでは続いてカーディガンのコーディネートはいかがでしょうか?

ITEM2. シャギーカーディガン

しっかりとした厚みを感じられるニットカーディガン。起毛加工により毛羽感をだし、膨らみを感じる仕上がり。シルエットも肩を落とし、身幅を出すことで物足りなさを感じさせないボリュームのあるサイズ感に。そして、ありそうでないカラーリングも魅力。発色がよく、コーディネートの主役としてしっかりと活躍してくれる。

〈ビームス〉7ゲージ ソリッド シャギー カーディガン ¥13,200

都築: これはいろいろ考えましたね。インナーとして使うことも考えたんですけど、あえてアウター的な着方をしてみました。すごくベーシックなアイテムなんですけど、毛羽感だったり色味に季節感があるので、そこを活かせたらいいなと思って。

吉川: さすがです。

都築: 中に着ているのはジャケットなんですけど、細身で肩パッドが入っていないので、それをインナーで使ったらおもしろいかなと思って合わせました。そこから組み立てていくようにスタイリングを組んでみたんですよ。

ー組み立てていくというのは?

都築: ジャケットに紳士的なムードがあるので、あえてスカートでそれを中和させて。それだけだと奇抜になっちゃうので、ブーツで引き締めてという感じで構築的にスタイリングを組んだんです。

吉川: サングラスもポイントになってますよね。

都築: これも男らしい要素をプラスするために。カーディガンってどうしても、Tシャツにデニムを合わせる王道的な着こなしを考えがちなんですけど、逆にちょっと飛ばした着こなしをしたいなと思ったんですよ。

吉川: スカートっていうインパクトの強いアイテムを持ってきても、他のアイテムでしっかりと中和させてコーディネートとして成立させているのがすごいですね。すごくファッションを楽しんでスタイリングしているのが伝わってきます。

ーカーディガンはここ数年ですごく伸びたアイテムですよね。ベーシックだからこそ、都築さんのような個性的なスタイリングの提案をするのもいいですね。

吉川: そうですね。古着でもこうした起毛感のあるアイテムは価格がすごく高騰してます。

都築: 古着はもう手が出せないですね…(苦笑)。

吉川: ブラックやグレーが古着でも多いので、こういう発色のいいアイテムは逆に古着屋でもなかったりするんですよ。そしてサイズバランスもいいっていうものはなかなか見つけられないと思います。

都築: このアイテムはサイズ感がすごくいいですよね。手に入りそうでなかなか入らないというツボをしっかりついてると思います。

吉川: ヴィンテージの真似ごとをしても結局古着にはかなわないので、そこにはないアドバンテージのある服をつくろうと思ってますね。手間暇かけたり、痒いところに手が届くデザインというか。「ありそうでないよね」って言われるものをつくるのもぼくらの仕事だと思っているので。

INFORMATION

BEAMS 22AW COLLECTION

公式サイト
Instagram:@ beams_official
@beams_mens_casual

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