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音も見た目もいい、タグチのスピーカーがあるところ。
Available at BEAMS RECORDS

音も見た目もいい、タグチのスピーカーがあるところ。

1981年創業の老舗スピーカーメーカーが始めたコンシューマ向けブランド〈タグチ(Taguchi)〉。根幹をなすプロオーディオ用スピーカーで培った音質のよさはもちろんのこと、空間にフィットするそのデザイン性も玄人受けしています。つい先日までポップアップを開催していた「ビームス レコーズ(BEAMS RECODS)」を軸に、〈タグチ〉のスピーカーを使用している3つの店舗から、そのよさを探ってきました。

音楽のある暮らしにまつわるもの。

原宿のとんちゃん通りにいくつかの店舗がある「ビームス」のひとつに、音楽にフォーカスした「ビームス レコーズ」というレーベルの店舗があります。“音楽のある豊かな暮らし”をテーマに提案しているそのお店で、2月4日までスピーカーブランド〈タグチ〉のスピーカーを試聴できる受注会が開催されていました。

1981年に創業し、コンサート会場や設備音響などのプロオーディオと呼ばれる分野で有名な会社が始めたコンシューマー向けブランド〈タグチ〉。知る人ぞ知る存在で、音にこだわりのある通な人たちが絶大の信頼を寄せ、デザイン性の高さからインテリアやライフスタイルの分野でも人気があります。

たとえば、「表参道ヒルズ」や一部の〈ザ・ノース・フェイス〉の店舗といった買い物を楽しむ場所から、青山の「VENT」や「ブルーノート東京」と恵比寿の「ブルーノート・プレイス」などの音を堪能する会場。ほかにも「ブルーボトルコーヒー」や「黄金湯」や「TRUNK(HOTEL)」といったライフスタイル空間にあれば、「日本科学未来館」や「京都西本願寺」に「国立劇場」といった文化施設にも。さまざまなところで、大小さまざまなその場所に合う〈タグチ〉のスピーカーが導入されています。

空間に合わせたオーダースピーカーもあれば、完成品のコンシューマー向けスピーカーもあり、今回主に取り上げるのは後者。それでも、エンクロージャー(筐体)に高品質な北欧のバーチ合板を採用したり、技術面の難しさから採用されることが少ない平面波スピーカーを使ったりと、こだわりをあげたらきりがありません。

無指向性スピーカーという音を広い空間に拡散させるスピーカーも特徴的で、どこから出ているのか分らないような音に包まれる感覚、もしくは音が周りを漂っている感覚を味わえます。今回、「ビームス レコーズ」では選りすぐりの5機種を展示していました。

左から〈タグチ〉REX060-P ¥110,000、LIGHT ¥137,500〜、REX060-P150 ¥149,600(すべてビームス レコーズ)

受注会のタイミングで取り扱いを開始したというハンギングタイプの「REX」は、上部のスピーカーユニットから下方向に音を出し、円錐形の反射板で反射させることで、360°に音が広がる水平無指向性スピーカー。〈タグチ〉らしいフラットな形状の振動板を採用した平面波スピーカーのため、自然で解像度が高い音を感じられます。「REX060-P150」と「REX060-P」の主な違いはサイズ感で、スピーカーボックスの容積が大きい前者の方が低域音を楽しめますが、どちらもふくよかな音を味わえます。

サイコロのような6面体がアイコニックな無指向性スピーカー「LIGHT」は、天吊り用のハンギングと脚が付いたスタンドの2タイプに、モノラルとステレオの2種を組み合わせた計4型。6方向に音を出すことで放射線状に広がり、空間全体に共鳴して響きを奏でます。比較すると中〜高音域にフォーカスした鳴り方。

〈タグチ〉CANARIO 各¥107,250〜(ビームス レコーズ)

「REX」と同じく今回から取り扱いが開始したという、130mmウーファーと25mmツイーターを組み合わせた2wayスピーカー「CANARIO」は、プロオーディオ用スピーカーで使用されている無骨なメタルグリルがアクセントに。どの音域もバランスよく鳴ってくれるので、ジャンルを問わず音のよさを味わうことができます。天井取付型と置き型の2種類をラインナップしているので、使う場所と相談してみて選んでみては。

〈タグチ〉LITTLE BELL ペア¥220,000(ビームス レコーズ)

上部に搭載したスピーカーユニットから出た音が、円錐の形をした反射板で360°に広がる水平無指向性スピーカー「LITTLE BELL」は、細部の表現も立体的でハッキリしながらも、低音までほどよく利いた丸みの音を楽しめます。どこから鳴っているのか分からないのに臨場感のある音の広がり、そして積層面が見える印象的なデザインなど、迷ったらこれという説得力がある逸品です。

一昨年から14年ぶりに店舗とWEBでの受注販売で〈タグチ〉の取り扱いを再開したという「ビームス レコーズ」ですが、このセレクトにはどこか強い意思と時代性が感じられます。一時は日本でアナログレコードをプレスできる会社が1社になるほど落ち込んだこともあったものの、最近では数社まで増え、90年代にバイヤーが海外で買い付けたお宝レコードを求めて海外から日本へ足を運んで来ているなんて声もちらほら。サブスクなどで音楽の聴き方が広がったことによって、音楽を自分の好みのスタイルで楽しむという人が増えたのかもしれません。

そんな視点で店内を覗いてみると、〈モヘイム〉に別注した30枚程度のレコードが収納できる木製ボックス(各¥17,600)や〈テンベア〉とのサイズバリエーション豊富なコラボバッグ(¥12,100〜)、某海外アーティストも愛用品として紹介したオリジナルのカセットプレイヤー(¥4,950〜)、レトロデザインが人気を博す1942年に創業した業務用音響の老舗〈アシダボックス〉のヘッドホン(¥6,600〜)など、他では出合えない、音楽とともに暮らす人へ提案するような個性が立ったライフスタイルアイテムに目が行きます。

レコード屋で楽器などを取り扱うことは少ないですが、昨年にはスウェーデン発の電子楽器メーカー〈ティーンエイジ エンジニアリング〉のポップアップを開催するなど、「ビームス レコーズ」らしい自由なセレクト感覚が面白いのです。

では、音はもちろん、いまのライフスタイルに合うという視点で再度選ばれた〈タグチ〉のスピーカーは、一体どんな空間で使われているのか。少し覗きに行ってみましょう。

ビームス レコーズ

住所:東京都渋谷区神宮前3-25-15 1F
営業時間:11:00〜20:00
電話 : 03-3746-0789
オフィシャルサイト
※全モデル試聴可能な受注会は終了済み。会期後も店舗とオンラインショップで随時受注受付中。

INFORMATION

ビームス レコーズ

オフィシャルサイト
Instagram:@beams_records_official

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