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UA、情熱のその先へ。
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UA、情熱のその先へ。

ディスタンスも、声出しも、なにも気にせずフェスを楽しめる日がついにやってきました。音楽好きたちの夏の風物詩「フジロックフェスティバル '23(以下フジロック)」もすぐそこです。そんな日本最大級の音楽のお祭りを盛り上げるべく、オフィシャルサポーターでもある〈キーン(KEEN)〉が始動。去る5月某日に、歌姫UAを招き、渋谷「WWW X」で公開収録を兼ねたライブイベントを開催しました。そこでフイナム取材班はライブ直後の楽屋にお邪魔し、図々しくもUAさんにインタビューを敢行。この日のライブの振り返りや、ここ最近の音楽との向き合い方、さらにはフジロックに関するあれこれなんぞを、ざっくばらんに語ってもらいました。名言、パワーワード連発。UAさんと話をしていたら、なんだかワクワクしてきて、早くもフジロックに行きたくなってきちゃった。充実のライブフォトと合わせてどうぞ!

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Keisuke Kimura
  • Edit_Yosuke Ishii

フジロックがUAに与えたもの。

ー今日は屋内のライブでしたが、これからの季節は野外のステージも多くなると思います。野外だとまた感覚は違うものでしょうか?

UA:例えば、フジロックのグリーンステージは、なんかもう、地球のホールみたいな感じがするのね。

ー地球のホールですか。

UA:空があって、山があって、人がもちろんいてくれて、素晴らしいステージがあって。だから、やっぱり室内よりも私は幸せを感じてる気がする。それと鳥が飛んでいたりとか、夕日が見えたり、雨が降ったりっていう自然現象と歌のバランスも、すごく好きだから。

ーたしかにUAさんの歌を野外で聞くと、自然と繋がれる瞬間というか、その一部に取り込まれていく感覚に陥ることがあるんですよね。

UA:そういうのも、本当にフジロックで教えてもらったんですよね。

ーフジロックの中でも、特に印象に残ってるステージはありますか?

UA:私は1999年が最初で、そのときがグリーンステージだったんですけど、 やっぱりすごい怖くて。自分の前にスカパラが出て、ボアダムスが出てからの、次が私っていう。「すいませーん!」っていう感じでカチンコチンだったんですよ。そんなときな、トンボがマイクに止まったんです。

ー自然現象が心を軽くしてくれたと。

UA:そうね。あと、1999年はPhishが3日間とも夜のセットをしてくれた年だったので、3日間とも私も滞在して、フィールドオブヘブンにずっといたんです。音楽性を追従したわけではないけれども、そこで音楽の本質的なものを体験させてもらって。それこそ、自然現象もすごくて、そのときは親友といたんだけれど、「あれ、さそり座だよね」って指を夜空に向けたら流れ星が飛んできたの。ほかの人たちも見つけて、うわぁと盛り上がって、オーディエンスの反応を見てPhishもまたガーっと盛り上がっていって。それでもう、感激しちゃって。時が経って、温度感とかは忘れてきちゃったけど、その経験をしたかしてないかで、私のその後は全然変わってた気がする。

ーあの年のPhishのライブは、いまだに語り草ですよね。

UA:めちゃくちゃ良かった。あと、時代もギリギリよかったんだろうね。バブルの残像もあったけれど、まだその時代は、良いものにちゃんとお金を払おうよっていう姿勢があったような気がするし、逆に、競争やお金と関係ないところでの表現もちゃんとあった気がして。いまも無いとは言わないんだけれども、ちゃんと探さないと見つからないっていうか。

ファストフードっていう言葉があるけど、音楽もファストミュージックみたいなものが主流になってる。アバターだったりAIが流行りだから仕方がないんだけれども、ただ、自分みたいな年になって、それを仕方ないって言い切っちゃいけないなとは思いますね。

ーコロナの最中もフジロックのステージには立たれていましたが、そのときは手応えみたいなものは感じにくかったですか?

UA:2年前に、AJICOでフジロックのホワイトステージに出たときは、私も慣れていなかったし、いっぱいルールがある中だったから、やっぱりめちゃくちゃ怖かったの。だって、オーディエンスが瞳と拍手でしか応えてくれないわけでしょ。でも、ステージに上がって歌い出したら、すごいの、吸引力が。トイレに並んでる人もみんなこっちを見てくれていて。これはもう生半可じゃダメだと思って、一字一句、気持ちをものすごい込めて歌うことができて、私まで成長させてもらって。

“風の時代”っていう言葉が聞こえてくるけど、covidがあって、目に見えないことにもみんながすごく意識をするようになったんだなって、そのときに思ったんです。表現ができなくて規制があったからこそ、いろいろと感じようとしてるっていうのが、肌でわかった。そこで改めて音楽ってすごいと思ったし、ステージに立てる人間であることに、ものすごい感謝しましたね。

ーcovidも落ち着いた今年のフジロックは、やっぱり楽しみですか?

UA:このバンドで、フィールドオブヘブンに出れるのは完全にギフトです。

ーUAさんは出番の前後で、ほかのステージを見たりはされますか?

UA:苗場プリンスホテルに泊まっていても、なんかざわついちゃって、あんまり寝られないんです。だから、おそらく当日に入ると思うんですよね。 それと私、ステージでは結構オシャレしたいし、そのときのウェーブで衣装も決めるから、時間がかかるんですよ。 でも、自分の出番が終わったら聴きに行こうと思ってます。

ー今年のラインナップで気になるアーティストはいらっしゃいます?

UA:FKJとCory Henry、あとはGinger Root。どんなステージになるのか見てみたいかな。もちろんLIZZOとかも見てみたい。

ーどれも気になりますね。最後に、フジロックにかける思いを聞かせていただきたいです。

UA:バンドのメンバーのこともすごく信頼してるし、いい意味で慣れてきて遊び出してくれてるのも感じてるので、 あとはフィールドオブヘブンという、間違いなく気のいいステージで、答えるのみですね。そこにいてくださって、集まってくださった方々に、出せるものを出すだけだと思ってます。なので体調管理だけはしっかりしなきゃ。

PROFILE

UA

1995年に『HORIZON』でデビュー。『情熱』『悲しみジョニー』『ミルクティー』などのヒット曲を持つ。ほかにもAJICOやUA×菊地成孔の音楽活動に加え、映画出演、NHK Eテレにて歌のお姉さんを務めたりと活動は多岐に渡る。2021年には、20年ぶりにAJICOが再始動。翌2022年には、UAとして待望のEP「Are U Romantic?」を6年振りにリリース。2005年より田舎で農的暮らしを実践中。4人の母親で、現在はカナダ在住。
Instagram:@ua_japonesiansinger_official
https://uaua.jp/

INFORMATION

KEEN Japan

電話:03-6804-2715
keenfootwear.com

Festival TV ON KEENSTREAM

www.youtube.com/@KEENJapan
*このライブの模様は7月1日、8日にKEEN公式YouTubeチャンネルで公開予定です。

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