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ビームスを着て、どこへ行こう? VOL.1 高橋ラムダ(スタイリスト)
Where are we going?

ビームスを着て、どこへ行こう?
VOL.1 高橋ラムダ(スタイリスト)

「ビームス(BEAMS)」のオリジナルアイテムが、いますごく人気です。アメカジのカルチャーから得た豊富な知識と、いまのムードをきちんとキャッチして反映させるデザインセンス。これらを上手にミックスして、現代人の気分にマッチした服をつくっています。その方向性を定めるのがディレクターの吉川基希さん。この企画は、彼がいま会いたいひとをゲストに迎え、「ビームス」の服と一緒にお気に入りのスポットへでかけるというもの。その場所を通して、ゲストのパーソナルな部分に迫ります。
記念すべき初回に登場するのは、スタイリストの高橋ラムダさん。時代をリードする彼が向かったのは、都内にある古着屋とカレー屋。だけど、やっぱりラムダさんらしい一筋縄ではいかない場所だったのです。

服づくりだけじゃなくて、スタイリングも料理に似ている。

ーこちらはラムダさんのお知り合いのお店なのだそうですね。

ラムダ:そうですね。結構むかしからの知り合いで、もともとアパレル業界にいた友人がはじめたお店なんです。

吉川:どこかでカレー作りの修行とかされていたんですか?

ラムダ:いや、独学みたいです。自分で研究して、自分でつくって。はじめは家でつくったカレーをキッチンカーみたいなので売ってたみたいなんですけど、それがどんどん成長して、いまではこんなお店までつくっちゃったっていう。すごい行動力ですよね。

ーラムダさんがカレー屋さんを紹介してくれるのが、なんだか意外な気がしました。

ラムダ:カレー、大好きなんですよ。こうゆうスパイス系も好きなんだけど、中華料理屋のカレーとか、ラーメン屋さんのちょっと黄色いカレーもおいしくてよく食べてますね。

吉川:ぼくも展示会で都内のいろんな場所に行くことが多いので、会場の近くにあるカレー屋さんを調べて行ったりしてます。

ーご自身でカレーをつくったりするんですか?

ラムダ:一回こだわってつくってみたけど、1日かかるんですよ(笑)。鶏ガラの出汁を取るのに3時間とかかかるじゃないですか。

吉川:わかります(笑)。どうせやるなら突き詰めようと思ってやってみたものの、玉ねぎを細かく刻んでいい具合に炒めるのに1時間くらいかかったり。

ラムダ:1年前くらいにほうれん草を買いあさって、それでカレーをつくってみんなに振る舞ったんですよ。すごく時間かけて苦労してつくったんだけど、みんなで食べるとあっという間になくなっちゃって。もうちょっとゆっくり味わって食べたかったなぁっていう思い出がありますね(笑)。

ーカレーに限らずお料理は好きなんですか?

ラムダ:好きですね。靴を磨いたりとかもそうだけど、なんか作業しているのが好きなんだと思います。

吉川:ぼくはどっちかというと食べる派です(笑)。唯一家族のためにつくるのはカレーで、多少手順を間違ってもなんとかなるというか…(苦笑)。

ラムダ:わかりますわかります(笑)。

写真左/吉川さん注文の「パキスタンとほうれん草(豚)のあいがけカリー ¥1500」
野菜とスパイスだけを使って長時間チキンを煮込んだパキスタンカレーと、ほうれん草のペーストとカレーのベースを合わせたサグカレーのあいがけ。どちらも小麦粉を使っていないグルテンフリーというのも特徴。昼食を抜いてきたという吉川さんも「うまい!」と大絶賛。一瞬で完食。

写真右/ラムダさん注文の「パキスタンとカシミールのあいがけカリー ¥1500」
吉川さんも食べていたお店のシグネイチャーであるパキスタンカレーと、ポークビンダルカレーのあいがけ。ポルトガルの占領下にあったインドのゴアで、ポルトガル人がつくったと言われている。ワインビネガーが入っていて、ラムダさん曰く「ちょっと酸っぱいのがいいね」とのこと。こちらもすぐにお皿が空いていた。

ー服づくりと料理には共通点があるってよく言われますよね。

吉川:似ているかもしれないですね。デザインしたい服があって、それをつくるために素材を選んだり、ディテールを足し引きする作業は料理と通じるところがあると思います。

だけど、いい素材を使ったからといってかっこいい服ができるわけでもない。それは料理も一緒だと思いますね。たとえば多くのお客さんが手に取りやすいように、ちょうどいい素材を見つけたりすることも大事だと思うんですよ。

ラムダ:そうですよね。ぼくもスタイリングをするときに、集めてきた服をどう料理するかなっていうテンションになります。料理には和食があって、洋食とか中華とか、他にもいろんな国のものがあるじゃないですか。服にもアメリカものとか、ヨーロッパものとかあるけど、そうやってみんながデザインしたものを集めてきて、ひとつのプレートをつくるようにコーディネートするというか。そういう意味では服づくりだけじゃなくて、スタイリングも料理に似ている気がします。

だから料理をつくるのも、なんとなく美味しくつくれる自信があって。マズくはならないだろうなっていう。料理をしながら味見をして、いくつか調味料を足せばいけるなっていう感覚が身についているというか。

吉川:そういう感覚ってどんどん養われていきますよね。

ラムダ:たとえばさっきの「PAT MARKET」にある服だけでスタイリングを組むとすごく味の濃いものができるけど、そこに白ごはん的なベーシックなものを合わせたらバランスがよくなりますよね。

吉川:そういう考え方はすごく料理と似ていると思います。

ーそれはある種、編集をするような感覚なんですかね。たくさんの情報を得て、それを自分なりにアレンジするというか。

ラムダ:そうかもしれないですね。最近はようやく海外のひとたちも日本にたくさん来るようになって、いろんな体型のひとを見たり、そのひとたちの着こなし方を見ているんですよ。とくに飛ばしすぎてない海外の女の子のスタイリングはすごくおしゃれだなと思うし、参考になりますね。

ー「ビームス」のオリジナルアイテムに対してラムダさんはどんなことを思いますか?

ラムダ:色がすごく印象的でしたね。いまぼくが着ているネルシャツもそうだけど、ブラウンとかの土っぽい色とか、ヌードっぽいピンクとか、ラクダっぽいベージュカラーとか、そういう色が最近気になっていて。

吉川:「ビームス」が得意とするアメカジに軸足を置きながら、“Y2K”をキーワードとしたテクニカルなディテールを隠し味に昨シーズンからデザインしています。春夏まではシルバー系の色味をよく使っていたんですが、それをそのまま秋冬に応用するのは芸がないので、あえて真反対のアース系の色を今季はフィーチャーしているんです。

ラムダ:なるほど。おもしろいですね。

吉川:一般的には春夏でやるような色味をあえて秋冬に持ってきているのが今季のメンズカジュアルの特徴ですね。それがスパイスになればいいなと。先ほどのコーディネートも含めてラムダさんの着こなしは、自分たちが表現したかったことなので、すごくうれしいですね。

ーラムダさんはこれから「ビームス」に期待することはありますか?

ラムダ:やっぱり自分がファッションの勉強をさせてもらった場所であり、楽しさを教わった場所なので。ずっとかっこよくあり続けて欲しいですね。

吉川:ありがとうございます。がんばります!

ラムダ:ごはん屋さんと一緒で、勝手に足が向いちゃうお店ってあるじゃないですか。これから先もそういうお店であって欲しいです。期待しています。

Curry House 咖喱座

営業時間:11:30〜16:00(月曜)、11:30-16:00、18:30〜22:30(火曜〜金曜)、11:30〜21:30(土日祝)
住所:東京都世田谷区駒沢4丁目12−22 ティファーレ駒沢 2階
電話:090-6140-7315
公式Instagram:@curry_za

BEAMS OCTOBER LOOK

2023-24AWシーズンは、昨シーズンに続き “Y2K” のムードを踏襲。90年代後半から2000年代のトレンドを再評価して、〈ビームス〉流アメカジの世界観を作り上げている。当時の最新テクノロジーを取り入れたデザインや素材、近未来的な思想から着想を得ていて、カラーはテクニカルで都会的なグレーやブラック、ニュアンスの効いたモカやナチュラルなどを採用している。

詳細はこちらから

INFORMATION

BEAMS 23AW COLLECTION

公式サイト
Instagram:@beams_official, @beams_mens_casual

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