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気鋭のデザイナー、ヘド・メイナーが描く造形。 独創的なシェイプはどのように生まれるのか。
Desigual × HED MAYNER

気鋭のデザイナー、ヘド・メイナーが描く造形。
独創的なシェイプはどのように生まれるのか。

「いま、注目のデザイナーは?」 こんな質問をファッション関係者に投げかけたら、きっと多くのひとがヘド・メイナーの名前を挙げると思います。伝統やオーセンティックなものに敬意を払いながら、生まれてくる服はどれもコンテンポラリーなものばかり。トラッドとモードのあいだを自在に行き来しながら、独自の表現を追い求めています。そんな気鋭のデザイナーと、スペイン発のファッションブランド〈デシグアル(Desigual)〉がコラボレーションを発表。ジェンダーレスな視点からデザインされた11点のアイテムには、どんなこだわりが詰め込まれているのか。そしてデザインに対する哲学は、どんなストーリーを経て生まれたのか。はじめての来日を果たした彼のもとを訪ねました。

彫刻作品をつくるように、シェイプ自体をデザインしている。

ー今回の〈デシグアル〉とのコラボレーションは、どのような気持ちでオファーを受けたのでしょうか。

ヘド・メイナー:オファーをいただいたときはすごくうれしかったですね。自分がいるフィールドはファッションの世界における一部でしかなくて、〈デシグアル〉とコラボレーションすることによって、より多くのひとたちにアクセスすることができます。私にとってそれは、すごくいい機会だなと感じたんです。

ー今回のコレクションを拝見して、〈ヘドメイナー〉らしさを強く感じました。デザインを手掛けるにあたって意識したことはありますか?

ヘド・メイナー:〈ヘドメイナー〉のデザインはもっとコンセプチュアルなものと考えていますが、今回は〈デシグアル〉のフィールドでデザインをするということで、よりカジュアルに落とし込んでみました。同時に〈ヘドメイナー〉の特徴的なプロポーションや造形というのはしっかりとキープすることも意識しました。

ー先ほどのシェイプの話と通じる部分があると思うんですが、直線的なパターンを多く取り入れるのは、どうしてなのでしょうか。

ヘド・メイナー:古いワークウェアやミリタリーウェアをはじめ、クラシックな服にはなにかリンクするものがあります。私の背景には地中海の文化が深く関わっていて、その中にある労働者たちの服から大きなインスピレーションを得ています。そこではとても工業的でシンプルな服づくりがされていて、私はそうしたテクニックに惹かれるんです。先ほども話した通り、今回はより多くのひとにアプローチするコラボレーションなので、そうしたある種簡素化したアプローチとの相性がよかったというのもありますね。

ーオーセンティックで伝統的なものに敬意を払いながらデザインをしていると思うのですが、できあがった服を見ると、とても新しくモダンに感じるのはどうしてなのでしょうか?

ヘド・メイナー:そうした意見をいただけるのは、本当にうれしいです。だけど、そうするために何か工夫をしているわけではなくて、ただただ自分たちがいいと思うものをデザインした結果、こうした形になっているだけなんです。

ー今回のコレクションでお気に入りのアイテムはありますか?

ヘド・メイナー:ストライプのセットアップがお気に入りですね。このアイテムがいちばん最初にできたものなんです。とはいえ、コレクションのすべてのプロダクトを通して、自分たちのアイデンティティが伝わるものだと思っています。なので、単品で見るというよりは、コレクション全体を見ながら何かを感じ取ってもらえたらうれしいですね。

ー「着る」というよりも、カラダが包み込まれるような、「纏う」「羽織る」という感覚がしっくりきます。そうしたフィーリングは意識していますか?

ヘド・メイナー:その通りですね。包み込むことはすごく意識しました。そうしたデザインを通して、どこかカラダの一部を強調するのではなくて、着用者と服を一体化させるようなイメージでつくったんです。彫刻作品をつくるように、頭から爪先までのシェイプ自体をデザインするような、そんな感覚といいますか。それが私のコンセプトであり、今回のコレクションでも私がとくに気に入っているポイントです。

INFORMATION

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