ファッションや音楽。いろんなカルチャーが渋谷にはある。
ー 今回は「春は正装」をテーマに撮影を行いました。ふたりとも、カメラを向けられると表情がキリッと切り替わるのがすごく印象的でした。
栁: 今回の撮影は狙っているビジュアルの雰囲気というか、つくり上げたいムードみたいなものが明確にあって。90年代のクラシカルなテイストということで、それを感じ取れたので、やりやすかったですね。途中、写真をチェックさせてもらったんですけど、昔のCMのような雰囲気が出ていてかっこよかったです。
伊藤: 時代って回転しているんだなって私も思いました。昔の広告もそうだし、当時の服装とかがいまになって新鮮でかっこいいものに見えるのって、不思議だし、おもしろいですよね。
ー おふたりが気になったスタイリングはありますか?
栁: 飛行場で撮影したスタイリングが好きですね。後ろにトヨタのハチロクがあって、ああいう雰囲気とすごくマッチしてて、かっこいいなと思いました。Tシャツの〈アディダス オリジナルス〉のロゴもクラシックで魅力的だし、デニムのコーディネートと相まって90年代のムードを上手に表現できました。
伊藤: 飛行場のコーディネートは私もお気に入りです。普段〈アディダス オリジナルス〉のジャージを着ているので違和感がなかったですし、あのスニーカーも可愛かったですね。ラフにデニムと合わせているんだけど、すごくおしゃれにまとまっていて、そこにいまっぽさも感じたり。
ー 今回の衣装はすべて渋谷の「MIYAHITA PARK」のアイテムなんですが、おふたりはこの施設に足を運んだことはありますか?
栁: 「KITH TREATS」のアイスを食べたことがあります。すごく個性的なアイスクリームで、いろんな味が混ざっているんですよ。めちゃくちゃ美味しかったです。
伊藤: へぇ~! 気になりますね。
ー 伊藤さんはどうですか?
伊藤: 私は「MIYASHITA PARK」の屋上が好きなんです。どのフロアへ行ってもベンチが置いてあって、あれ、すごく助かってます。
ー 渋谷にああやって気を休められる場所があるとホッとしますよね。
伊藤: 時間を潰したいときとか、ちょっと作業したいとき、あとは本を読みたいときとかに、あそこに座って過ごしてますね。この前も、実は座ってゆっくりしてたんです(笑)。
ー 渋谷という街に対してはどんなイメージがありますか?
栁: 15年前くらいに上京してきて、友達と遊ぶときは決まって渋谷に集まっていました。スクランブル交差点の近くにみんなで集合できるスポットがあって、暇な時期はそこに座ってみんなでダラダラとずっと喋っていましたね。いろんなコミュニケーションが生まれる場所だったし、一方で大人が集まる街でもあるなって思います。
伊藤: 私は移り変わりの早い街という印象ですね。景色の中に広告が多くて、常に動いているイメージ。とにかく情報量が多いんですよね。だけど、私も友達と遊びに行くときは決まって渋谷からスタートしていたんです。
ー 東京にはいろんな街があるのに、どうしてみんな渋谷に集まるんですかね。
栁: みんなカルチャーを求めて渋谷に集まっているような気がします。
伊藤: たしかに。ファッションや音楽、いろんなカルチャーがありますよね。他の街にはない魅力がやっぱり渋谷にはあるんだと思います。
服は視覚的に訴える力があるから、すごく影響される。
ー 今回の撮影は「春は正装」がテーマです。おふたりは“正装”という言葉を聞いて、どんなことをイメージしますか?
栁: 今回の撮影ではセットアップのコーディネートが多かったんですけど、やっぱり上下揃いの服を着ると正装感が生まれますよね。なんだかスイッチがオンになるというか。
伊藤: 私も一緒です。ちょっと気分を上げたいときとか、しっかりしなきゃっていうときに背筋をピンと伸ばしてくれるのがセットアップだと思います。あとはドレスとか、ワンピースとか、1枚で着こなしが完成する服も正装なのかなって。普段着る服とはちょっと違う、特別な服っていう感じがしますね。
ー おふたりには自分の気分を上げるために着る服ってありますか?
伊藤: 私は服が大好きなので、毎回自分の気分を上げるためにしか服を着ていないんです。モノトーン系の服は少なくて、どこかに色がないと落ち着かないですね。
栁: 普段は本当にシンプルなものを着ることが多いです。だから、たまにスーツとかを着るとやっぱり上がります。あと、アクセサリーが気分を上げてくれることに最近気づいて。これまでずっとつけてこなかったんですけど、ひょんなことからお店でアクセサリーをつけたんです。その瞬間に気分がガラッと変わったんですよね。時計とかも興味がなかったんですけど、つけてみようかなって思ったり。アクセサリーをつけると、それに合わせて服もおしゃれしたくなるというか、なんだか不思議な力を感じました。
伊藤: 私もアクセサリーは常に持ち歩いていますね。お守り代わりにしているリングとネックレスがあって。仕事終わりに適当な格好をしていても、それさえあれば気分がまとまるというか。
ー 俳優という職業柄、衣装も正装に含まれるような気がするんですが、衣装によって気分が上がることはありますか?
栁: 役にどれだけ自分が近づけるかの勝負なので、私服がそっちの方向に寄っていくこともあったりします。だから衣装は自分にとって気分を上げるものというよりも、いかに落ち着けるかが重要になるかもしれません。普段着ないような衣装、たとえば制服を着る役とかだと、また違ったスイッチが入るときもありますね。
伊藤: 私は衣装合わせの時間をすごく大事にしていて。そこで役に合う、合わないがはっきり見えてくるんです。服って視覚的に訴える力があるから、やっぱり私はすごく影響されてしまいます。
栁: 衣装合わせって、たしかにめっちゃ大事ですよね。まずはそこからだもんね。
伊藤: 自分が思っている役と、服のイメージが全然違うときもあって。モヤモヤしたままだと演技にも影響してくるから、ちゃんと話し合いながら修正していきますね。
ー 逆に衣装がハマったときは、すごくいい演技ができるということですか?
伊藤: ありますね。衣装を着てみて、役のキャラクターを理解できるみたいな。だから衣装合わせってすごく重要なんです。
栁: それ、めっちゃわかります。衣装で役柄の人間性が見えてくるというか。服がヒントをくれるときもありますね。
ー 服が気持ちに訴えかけることがあるということですね。最後に、おふたりはこの春、どんな格好がしたいですか?
栁: 観た映画とか、聴いた音楽に影響されて本当に服装がコロコロ変わるんですよ。仕事柄、しょっちゅう髪型も変わるし、去年の春に着ていたものが今年は全然似合わないっていうことがよくあって。今年はちょっと髪を伸ばせそうだから、前みたいにアメカジっぽい格好をしたいですね。ネルシャツとデニムを合わせたいなって。
伊藤: 私はしばらくショートヘアの時期が続いていて、そのときはメンズライクなゆったりとした服を着ていました。逆にいまくらい髪が伸びたほうが女性らしさがでて、メンズライクな服とのコントラストを楽しめそうだなって思ってますね。一方ではフェミニンな格好もしたいし、この春は幅を利かせたいですね。
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