もしも自分の作品でゲームを作るなら。
―おふたりともアーティストということで、『モンハン』のモンスターをアートの観点から紐解いていただけますか?
FACE: 難しいっすね(笑)。まあ、絵を描いているひとなら架空のキャラクターを作ることもあるし、それはきっと子どもの頃からやっていたと思います。それと繋がるかな。
SHINKNOWNSUKE: 子どもの頃、自分で剣を想像して描いていましたよ。これはレベルが高くて、めっちゃ強い、みたいな。
FACE: そうそう。それもゲームの影響が大きいと思います。
SHINKNOWNSUKE: それが大人になって全部CGで作って、世界中のひとが強い武器とか強いモンスターって認知してくれるのは、壮大なロマンがありますね。おもしろい世界だと思います。
FACE: 自分で考えて作り上げたモンスターがゲームで動くのは、どんな感覚なんだろうって思います。憧れますよ。
―ゲームが想像力の原点にもなっているんですね。
FACE: 自分で描いた絵がゲーム内で動くことに憧れた、明確なきっかけがあるんです。昔、テレビ番組で、とんねるずの木梨憲武さんが描いたキャラクターをゲームに登場させる企画があったんですよ。それを見たとき、すごく羨ましかった。
―『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』ですね。1997年に、ゲームセンターのアーケード筐体でリリースされた格闘ゲーム。
FACE: それです! 「憲磨呂」ってキャラが、必殺技で文房具を投げるんですよ。ゲーム感のないキャラクターが動いて戦っているのが、すごく記憶に残っています。
―おふたりとも、デフォルメしたキャラクターを描いていますよね。『モンハン』のモンスターはそれぞれに特徴があるので、デフォルメしやすいのでは? デフォルメする際、どこに注目しているんですか?
SHINKNOWNSUKE: 体と顔のバランスを考えるかな。例えば、このTシャツの「アイルー」は少し写実的だから、もっと簡略化させなきゃ。主張する部分より、どこを削るか考えます。
FACE: アメコミ風とか日本のキャラクター風とか、デフォルメのなかにもいろんなテイストがあるじゃないですか。僕の場合は、それをまず決めて、その画風に合わせてデフォルメしていくかな。例えばドラゴンだったら、真っ先にイメージするドラゴンのキャラクターがいるから、それを意識することもあります。
SHINKNOWNSUKE: 確かに、なにかからインスパイアされたヒントで、落としどころを見つけていくこともある。
FACE: デフォルメすると、かわいくなりますよね。
SHINKNOWNSUKE: そうだね。元と同じニュアンスにはならない。
―ちなみに、おふたりが自分のキャラクターでゲームを作るなら、どんなゲームにしたいですか?
FACE: 何度か、その話になったことがあるんですよ。いつかやってみたいって。
SHINKNOWNSUKE: 夢ですね。アニメと違って、プレイヤーが動かせるのがいい。
FACE: ぼくだったら、冒険していく『マザー2』みたいなRPG。それができたら超楽しそう。シンさんのキャラがラスボスで。
SHINKNOWNSUKE: 嬉しいね。第五形態くらいまで変身したいな。
FACE: いつ倒せるんだよ、って感じのラスボスね(笑)。シンさんだったら、FPS?
SHINKNOWNSUKE: 『ゼルダの伝説』みたいなグラフィックのFPSだったらおもしろいかも。でも、ひたすら押し合って生き残る『フォールガイズ』みたいに、子どもも遊びやすいゲームもいいな。キャラクターも、ゆるいデザインが合いそうだから。
FACE: パーティ系のゲームもいいですね。