PROFILE
大学卒業後、地元である宮城県で戸建て営業に従事。その後、アパレル業界に転職しPR、バイヤーを経験。現在は〈レッドウィング〉のアジアマーケティングマネージャーを務める。大のサウナ好きでもあり、週3でサウナに通う。
Instagram:@as71022
ブーツはあくまで想いの形。真に届けたいのは“見えないもの”。
ー「WILL YOUR WINGS」とは、どんな取り組みなのか教えてください。
阿部:〈レッドウィング〉のブーツは非常につくりがよく、メンテナンスを繰り返すことによって長年履き続けることができます。それは親から子へ、あるいは師匠から弟子へ、もしくは友人へと譲り渡すことも可能だということ。「WILL YOUR WINGS」では、そうした行動の価値を伝えていきたいと思っています。

ー「行動の価値」というのは、具体的にどういうことですか?
阿部:誰かに譲り渡す、あるいは誰かから受け継ぐときって、モノだけじゃなくて気持ちも伝わると思うんですよ。たとえば学びや教え、大切な想い、そしてスタイルなど、形としては残らないもののことです。ブーツはあくまで伝えるための形として機能していて、真に届けたいのはそうした“見えないもの”。つまり気持ちなんです。
ーそのひと固有のストーリーみたいなものですね。
阿部:そうですね。今回のキャンペーンをスタートするきっかけになった、1通の手紙があるんです。〈レッドウィング〉では過去にアメリカで「醜いブーツコンテスト」というものを開催していたんです。手紙は、そのコンテストにエントリーをしたひとりの女性が書いたものなんです。

私のブーツを「醜いブーツコンテスト」にエントリーします。 実際のところは、約50年経ったレッドウィング製品がどのように変化したかをお見せしたいのです。
このブーツは私の最初の夫が12歳の時に買ったものです。彼は1937年生まれです。私たちが1962年に結婚した時、私はまだ狩猟をしたことがなく狩猟用のブーツが必要でした。そして幸運なことに、彼が12歳の時に 買ったブーツが私にぴったりだったのです。
それ以来、ほぼ毎年彼から譲り受けたそのブーツを履いて狩猟をしていましたが、今年のハト狩りでついにダメになってしまいました。
ひとつだけ質問があります。私のブーツのように50年もの長い間履き続けられるブーツを作る会社、レッドウィングは、いったいどのように利益をだしているのでしょうか!
心をこめて、 ペギー
阿部:ハンティングという過酷な状況においても、長年履き続けられるクオリティは〈レッドウィング〉ならではだと思います。ペギーさんの旦那さんは、自分が小さな頃に手に入れたブーツが、将来自分の奥さんの足元を支えることになるなんて、きっと思ってもいなかったですよね。だけど、時代を超えて〈レッドウィング〉のブーツがそうした存在となり、ペギーさんに感動を与えることができた。それってすごく素敵なことだと思うんですよ。
ーなんだかロマンを感じますね。
阿部:今回のキャンペーンでは、そうしたストーリーを現代のものとして伝えたく、2つのムービーも製作しました。ひとつは「レッドウィング・ジャパン」の代表である小林由生が、娘さんに想いを受け継ぐストーリー。親から子へと文化的な学びと冒険を伝える物語です。もうひとつはアメリカの馬蹄師であるブレレンと、そのお弟子さんのマックスのストーリーで、クラフトマンシップへの情熱を「レッドウィング」のブーツを通して伝えています。