STANDARD ITEM 02_TRACK JACKET & TRACK TROUSERS
いまでこそ、ジャージー素材などを使ったカジュアルなセットアップが世の中に認知されつつありますが、〈カーリー〉では、それをいち早く先取りし、現在に至るまでアップデートを重ねてきました。

TRACK TROUSERS ¥16,500+TAX、TRACK JACKET ¥19,800+TAX
東レの「サモーラ」という糸と超長綿をブレンドしたしなやかで反発力のあるジャージー素材を採用したセットアップ。軽くてシワになりにくいのが特徴です。カットソー生地で美しいシルエットのジャケットを作ることは通常困難ですが、〈カーリー〉では長年培ってきた技術と経験でそれを実現。前振りにつけた袖や細めのラペル、本切羽のカフスなど、本格的なテーラードジャケットのディテールで上品に見せる一方、Tシャツと同じ縫い方なので縫い糸の張りがなく、長時間きてもストレスを感じさせないなど、カットソー生地ならではの着心地を実現しています。また、パンツにはややテーパードしたシルエットを採用。プリーツ入りで、こちらも快適なはき心地となっています。

COLOR LEFT:NAVY、RIGHT:BLACK
Interview With Designer
デザインするにあたり、参考にしたものはありますか?
伊藤高校生の時、スーツにニューバランスを合わせていた、とある方のスタイリングを雑誌で見て大きな衝撃を受けました。それが僕の中でのトラディショナルとスポーツのミックススタイルの原点になっています。それ以来、トラディショナルとスポーツという、対極にあるテイストを組み合わせたアイテムが好きでブランドをスタートする以前から化繊ジャージーのスーツがあればと思っていました。そこで、スポーツ選手がウォーミングアップの際に着るセットアップウェアであるトラックスーツをトラッドなスタイルに置き換えるイメージでデザインしました。

ウエスト裏に当て布を施した本格トラウザース仕様。カットソー生地でここまで作り込めるのは自社工場を有したカーリーならでは
カットソー生地でセットアップを作るにあたり、大変だったことはありますか?
伊藤とにかく縫製してくれる人たちのアレルギー反応を解くことが大変でした。布帛の服を作る縫製工場で、カットソー生地を使いジャケットとパンツを縫うことはよくありますが、カットソーの縫製工場でジャケットとパンツをこの仕様で縫うことはまずないため、現場でも抵抗がありました。また、クオリティを上げるため、縫ってみては修正するという作業を何度も繰り返しました。

ジャケットの袖口は1つボタンの本切羽で処理されている。ボタンを開けてラフに着てもいい

上襟と下襟のつなぎ目のラインであるゴージラインを高めに設定。これによりスタイリッシュな印象に
カットソー生地を使いながらも、上品な雰囲気を出すために工夫した点を教えてください。
伊藤カジュアルになり過ぎないように袖口を本切羽にしたり、ゴージラインを高めにしたり、パターンを立体的にしたりしています。特にパターンについては、何度もサンプル製作を繰り返し、納得のいくラインを出すことができました。
快適な着心地を生み出すためにどんな工夫をされたのでしょうか?
伊藤基本的に生地にコシが無いと立体的なシルエットが作れませんし、硬過ぎると着心地を損ねてしまいます。そのため、試行錯誤を繰り返しながら、最適な素材を開発してきました。最近は、東レさんと直接やりとりをしながら、世界でも最先端の技術を素材に落とし込んでいます。東レさんはNASAや日本代表の競技ウェアにも素材を供給している優れたメーカー。一緒に仕事をさせていただくたびに驚きの連続で楽しいですね。

タイトなシルエットを持つトラウザースだがジャージー素材を使用しているので着用感は良好。ふっくらとしたサイドの縫い目にも注目
カットソー生地で作ったセットアップにはどんなメリットがあるのでしょうか?
伊藤やはりカットソー生地ならではの力の抜けた雰囲気が一番の魅力でしょうね。また、布帛では出せない縫い目の柔らさも着心地の良さを生み出すポイントです。
このセットアップをどんなシーンで着て欲しいですか?
伊藤例えば、休みの日にちょっとだけ仕事なんて時に、これを着て気分を上げてもらえれば嬉しいです。仕事をした後、この服のまま子供を連れて遊びに出かけたり、友人と呑みに出かけたり。僕自身は海外に行くときに必ず持っていきます。飛行機から降りてそのまま商談に直行なんて時には最適ですね。この一着だけでオンとオフが切り替えられるようなイメージです。
Style Presentation




TRACK JACKET ¥19,800+TAX、TRACK TROUSERS ¥16,500+TAX、BRIGHT LS MOC NECK ¥9,800+TAX、ほかスタイリスト私物
アクティブな印象を与えるセットアップですが、ホワイトのカットソーやソックスを合わせてモノトーンにまとめ、あえてシックで大人っぽい雰囲気を生み出しました。また、足元にはスニーカーではなく、革靴を合わせることで、あくまでも上品さを追求。このセットアップの魅力でもある、オンとオフを行き来するニュートラルなスタイルを構築しています。また、メガネホルダーやサスペンダーなどの小物使いで、大人の遊びもプラス。