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フェスへの愛から生まれたレインウェアブランド、キウを知るための座談会。
UNRABEL ALL ABOUT KiU Vol.1

フェスへの愛から生まれたレインウェアブランド、キウを知るための座談会。

レインウェアを軽視していると辛い思いをする。これは多くの人が語る経験談です。レインウェアブランド〈キウ(KiU)〉の製品は、熱い想いと冷静な分析を重ねて生まれ、グラフィカルなデザインや高い機能性でフェスシーンを中心に人気を博しています。とはいえ、実のところその使用シーンは雨天から広がり、いまや全天候下で使えるものばかり。
「UNRAVEL ALL ABOUT KiU」は、このブランドの魅力をさまざまな角度から掘り下げる連載。Vol.1は、〈キウ〉のマーケティングマネージャー・吉井さんと、今シーズンからビジュアルのディレクションを担当するスタイリストの近藤さん、ファッションにアウトドア、フェスとさまざまなカルチャーを愛するモデル・七海さんによる座談会です。つくり手から〈キウ〉のオリジンを紹介してもらいつつ、外から見た〈キウ〉のデザインや機能性について伺います。

PROFILE

七海
モデル

山岳ガイドの父の影響で自身もガイドの資格を取得するなど、登山は趣味の領域を凌駕するほど。フェスで踊ることやアウトドアが好きで、フジロックには毎年通っている。

PROFILE

吉井大基
キウ マーケティングマネージャー

2011年に「株式会社ワールドパーティー」に入社。レイングッズの営業を行いながら音楽フェスには積極的に参加。〈キウ〉には2013年のブランド立ち上げ当初から携わっている。現在は商品の企画からPR部門も含めて統括。

PROFILE

近藤有倫
スタイリスト

スタイリストとして、各種メディアやブランドカタログなどで活躍。とくにアウトドアを中心としたスタイリングを得意とし、ギアやアクティビティにも精通している。最近、二人目のお子さんが誕生し、私生活にも大きな変化が到来。

きっかけは、どんよりとした雨のフェス会場。

ー 〈キウ(KiU)〉といえばフェスシーンでお馴染みの存在ですが、まずは近藤さん、七海さんのフェス歴を教えてください。

近藤: 最近は子育てがあるので少しお休みしているけど、子どもが生まれるまではフェスには頻繁に行っていました。「フジロック」や「森、道、市場」などですね。特に「フジロック」は毎年必ず行くほど大好き。激しい音楽よりも、ゆったりとしたハッピーな雰囲気のフェスが好みです。

七海: 私も「フジロック」には毎年行っています。あとは「朝霧JAM」もここ4年ほど欠かさず参加しています。大人数でワイワイと楽しく過ごすことが多いですね。

ー 七海さんはアウトドアが好きで、登山ガイドの資格もお持ちだとか。キャンプなどもされるんですか?

七海: はい。自然の中で過ごすことが好きなので、キャンプもしますし、登山を含めたアウトドア全般を楽しんでいます。実は私、〈キウ〉の99%UVカットの折り畳み傘を持っているんですよ。

ー リアルユーザーなんですね。では吉井さん、改めて〈キウ〉の原点から教えてください。

吉井: 〈キウ〉は当時女性向けの傘ブランド〈Wpc.〉を展開していた「ワールドパーティー」という会社から2013年に誕生しました。前社長をはじめ音楽好きなスタッフが多く、“フェスで使えるユニセックスのレインウェアを作ろう”となったのがスタートのきっかけです。当時、フェスでの雨対策といえば、コンビニの透明レインコートか、アウトドアブランドの高価な無地のレインウェアしか選択肢がなく、晴れた日のカラフルな風景と打って変わって、雨の日の会場の雰囲気はどんよりしていました。

そこで、自社が持つ防水・撥水のノウハウを活かし、機能的でデザイン性の高いレインウェアを作れないか? という発想から〈キウ〉が誕生しました。そんな出発点なので、すべての柄を一からデザインしています。

吉井: ちなみに、〈キウ〉という名前は、季語で「喜ぶ雨」という意味。昔、日照りで作物が育たないときに雨が降ることを喜んだことから来ており、現在では「自然と共存する」という意味を込めて使われています。どんな天気でも、自然と対抗するのではなく共存していくという理念を表したブランド名なんです。

ー レインウェアとしての機能面のこだわりも教えてください。

吉井: 〈キウ〉のベーシックな商品は、耐水圧20,000mmH2Oと高い防水性能を誇ります。一般的なテントの耐水圧が3,000mmH2Oから5,000mmH2Oであることを考えると、大雨にも耐えうる設計です。

ブランド立ち上げ当初は、耐水圧3,000mmH2O程度のポンチョを販売していましたが、長時間の雨に打たれると水が染み込んでくることがわかり、そこで、耐水圧を5,000mmH2O、さらに10,000mmH2Oへと引き上げました。でも、ある年の「フジロック」が嵐のような大雨で、、。

近藤: ぼくも会場にいました。すごかったですよね、 確か2018、9年頃だったかな。

吉井: そうです。そこから「どんな天候でも耐えられるポンチョをつくる」という決意のもと、耐水圧を20,000mmH2Oまで引き上げました。〈キウ〉のスタンダードレインポンチョ「K404」は、この高い耐水圧を備えています。とはいえ、耐水圧を高くするとどうしても価格が上がってしまうので、そのほかに日常使いしやすい耐水圧10,000mmH2Oのモデルも展開しています。

ー 縫い目の処理はどうなっているんですか?

吉井: フェスではリュックを背負ったまま、傘なしでポンチョを着ることが多いんですが、そういう状況下でも縫い目から水が浸入しないようにシームテープを施し、細部に至るまで防水性を高めています。〈キウ〉はフェスカルチャーと密接に結びつきながら成長してきたブランドです。防水性能へのこだわりを徹底し、どんな天候でも快適に過ごせるレインウェアを提供しています。

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